西洋医学の真実 ~医者離れできないひとたちへのメッセージ~

医学の何が発達したのか知らないが、いくら研究にお金をかけても、所詮は、がんも糖尿も高血圧も治せない。つまり、患者の役に立っていないのだ。患者側は、「まず経営ありきの医者が巷には溢れているから盲目的に信じてはいけない」と意識して、用心しながら病医院や医者と接するべきである。

 
私たちは、病医院や医者が私たちの病気を防いでくれたり、健康にしてくれたりすることはないという真実に、そろそろ気づくべき時だ。高血圧、高血糖、高脂血症、骨粗鬆症。これらの生活習慣病と呼ばれる症状の数値改善のために何年間も通院し、山ほどの薬を飲み続け、それで果たして健康を取り戻せたのか? ますます不健康になってしまったのではないか?
 
健康な生活に必要なものは病医院や医者や薬ではないのだ。むしろ毎日の食事と運動と心の持ち方なのである。現在抱えている病気をつくったのも自分自身だし、それを改善できるのもまた自分だけしかいないということに本気で気づくべきである。 
 
さあ、国民よ、医療と医者から距離を置け! 痛くもかゆくもなければ、決して医療機関や検査に近づいてはならない。下手に聞き分けのいい良い患者になるとかえって危ない。
 
不必要な手術に入院、検査漬け、薬漬け。病院通いをやめることが病気を治す最短の道なのだ。勇気を出して医者通いと決別したとき、そこには健やかで幸せな世界への入口が開けてくるはずだ。 (終わり)  

西洋医学の真実 ~国を救う真の健康教育~

  だから国民が変わるしかないのである。変わるためには、真実を知ることが必要である。西洋医学を中心とする現代医学の限界について、わが国の矛盾だらけの医療システムについて、そして、健康を損なう原因を作ったのも、それをあるべき姿に引き戻すカギを握っているのもすべては自分自身のなかにあるということを、シニアだけでなく若い世代にも教えていくことが求められる。

  
借金大国になった日本にとって、医療費の増大は頭の痛い問題だ。医療費の財源は底をつき、医療保険制度崩壊も時間の問題だ。さらなる高齢化、しかも農薬や添加物まみれの食べ物で育った世代が歳を重ねていけば、医療費が青天井に増大したとしても不思議ではない。それに、ただでさえ少子化で、しかも環境ホルモンの影響でさらに子どもが減れば、働いている人たちが払う保険料は大変な額になるだろう。
  
それでも、病院や製薬会社が自らの利益を減らしてまで、予防に取り組むかどうかは疑問である。一方で、すでに厚生労働省は医療費の自己負担率引き上げにかかっている。このままでは、お金がないと医者にかかれない時代が来てしまうかもしれない。
  
本来は、それよりも医療費が毎年一兆円ずつ増えるのはどうしてなのかという真の原因を調べたうえで抜本的な改革をしないと駄目なのだが、これまでに述べてきたように、自らの利権が消滅するのを恐れ、真剣にこの問題に対峙しようとする人はほとんどいない。国民医療費適正化などと叫びながら、だれも真剣に適正化などしたくない。むしろ、ちょっとずつ増えていってくれた方がありがたいと思っているひとがほとんどなのではないか。そう思わずにはおれないほど、わが国には戦略がない。

 

現在病医院で行われている治療のほとんどは、症状を緩和する対症療法であり、原因そのものを解決するものではない。のべつ幕なしに処方される薬の副作用は国民にとっては大いなるリスクである。

しかしこの裏には、病医院は予防ではメシが食えないという事情が
ある。病医院や医者たちは、いくら病気の予防に力を注いでも儲からない。それどころか、逆に減収してしまうのだ。この点を患者側は認識しておく必要がある。 

これには日本の医療制度が出来高制を敷いていることが影響していて、患者をすぐに治してしまうと収益が上がらないしくみになっているのだ。ダラダラと治さずに通院させたり、最初の処置がダメだったからといって別の処置を施したりするほうが儲かってしまうのである。

もし、高血圧や高脂血症やがんや糖尿病患者が激減すれば、医療関係者の懐には北風が吹き荒れることになる。だから病気の予防に本気で取り組もうとする医師は少ないし、医学部のカリキュラムにも予防医学は登場してこない。

その一方で、「治療より予防を」という言葉だけが一人歩きして、国は具体的なアクションプランを提示しない。ならばとばかりに、個人的に予防に投資しようとしたまじめな人たちが健康食品やらサプリメントやらの悪徳商法の被害者になってしまっているというのが現在の日本なのである。

今日のわが国医療の迷走ぶりは、理念なき医学教育や診療報酬体系の矛盾といった国家レベルでの戦略のなさがもたらした相乗的スパイラル現象なのである。 (続く)

西洋医学の真実 ~それでもやっぱり医者は足りている~

医者不足と叫ばれるなか、チャラ医(チャランポランな医者)が溢れている。私たちは自らの行動によって、チャラ医を求職(改心)せざるを得ない状況に追い込み、地域医療にとって然るべき活動場所に彼らを再配置しなければならない。

2007年暮れあたりから、救急車たらい回し事故が盛んに紙面を賑わせた。高齢者に端を発して小児、妊産婦へと波及。結果として行き着いたのが、そもそもわが国の医者の絶対数が足らないのだという「医者不足説」である。

少子化対策が叫ばれているにもかかわらず,医療現場では産科医や小児科医が不足しており,子どもを産むこと自体がリスクとまで言われるようになってしまった。また,麻酔科医の不足により,地域の中核病院でさえ緊急手術ができなくなりつつある。救急医療や精神科領域においても同様だ。

 

プライマリーケアを必修化した「新医師臨床研修制度」が地方の医者不足を加速する結果となったのは皮肉だが、医者不足や医師偏在はわが国の理念なき医療政策の結果としか言いようがない。地域ごとに、いかなる診療科の医者を、どれくらい配置していくのか。いかなる機能の病床や病医院をどれくらい配置していくのか。つまり、『真の地域医療計画』がなかったから、医者たちは好き勝手ができたのだ。

いくら高尚な志を持って医学の道に進んだとしても、悪貨は良貨を駆逐してしまうものだ。ましてや医者という商売は、いくらでも楽な道を選ぶことができる。患者の身体に触れることもなく機械的に適当な処方をしている医者であっても、高度な手術を年間何百回とこなしたり、救急医療の現場で全身全霊身を粉にして働く医者たちと評価基準が一緒という矛盾が、チャラ医(いいかげんな医者たち)をはびこらせる要因になっている。

そうしたチャラ医を放置したまま、わが国はまたまた場当たり的な愚策『医学部定員増』を決定した。現状でも毎年8千名が医師免許を取得し、4千名の医者が新たに市場参戦してくる。デビューした医者には何が必要か。答えは患者である。食べていくためにはどうしたって患者が必要だから、あの手この手を使って患者を作るわけだ目の前に座っている患者の病気を治さなくても、とりあえず治療していればいい。そんなチャラ医が町には溢れかえっている。

それを防ぐためには、医学生の進路(最終的な勤務地域・開業地域・専門科目)を国がコントロールすべきである。それなしに
医者の数だけを増やすというのでは根本的な解決は図れない。それをわかっていながら誰も手をつけないのである。本当に場当たり的で戦略のない国で、私たちは暮らしているのである。 (続く)

西洋医学の真実 ~がんは切るな(後)~

実は、このあたりのことで悩んでいる外科医は少なくないという。「この患者のがんは末期がんで、手術しなければ半年余りの命だ。しかし数ヶ月は普通の生活ができるだろう。手術をすれば一年は生きられる。しかしQOL(生活の質)は低下し、再発すれば患者の苦痛は大きくなる。ベッドを離れての生活は困難になるだろう」。(あえて付け加えれば、「手術をしなければ半年で死ぬ」という科学的根拠はどこにもない)。


このことを患者に告げるべきか、告げざるべきか。がんであること
を告げて、手術をしないと言えば、「手術ができないほど悪いのか」と患者と家族は苦悩する。家族に責められて結局、外科医は患者の身体にメスを入れる道を選択する。

こうした葛藤は日常茶飯らしい。この原因のひとつは、一般人(患
者・家族)の脳裏に、「がん=手術」という図式が強く染み込んでいるからに他ならない。だとすれば、この先入観や思い込みを打ち破る必要がある。

しかし、責任を患者側の無知に転嫁するのは甚だ図々しいにもほど
がある。真のプロフェッショナルは、「一切の処置をしない」ということも含めて、がんには手術以外に第二、第三の選択肢があることをわかりやすく示さなければならない。

そのためには、たまたま入局した医局が提唱する治療法のみに固執
することなく、他の選択肢についても、個々の医者が学んでおかねばならない。がんであれば、手術・抗がん剤・放射線に加えて免疫療法。ただ自分が知らないという理由だけで頭ごなしに否定するのはプロ失格だ。そして患者側も、そんなプロ失格の医者が多いという事実を知っておいたほうが絶対にいい。   

 

俗に、「外科医の切りたがり」(ちなみに内科医は、「飲ませたがり」だ)という。大学病院などは、手術症例数は多いものの外科医の数も多いので、ひとりの医者が執刀できる症例数は相対的に少ない。だから実地練習の機会を作らざるを得ないという真実を知っておくべきだろう。例えば、盲腸の手術は失敗しても大事には至らないため、薬で治る程度でも若い医者の練習材料として手術が行われることだってないとは言えないのだ。おお恐ろしい。

西洋医学の真実 ~がんは切るな(前)~

結核をはじめとする伝染病や、栄養不良に起因する外来性の疾病に対して有効だった「早期発見・早期治療」という方法論は、がん、脳卒中(脳血管患)、心臓病などの生活習慣病には通用しない。がんのような内なる病気に対しては伝染病に対する方法が通用するはずもない。この考え方は、医者の世界では定説である。


さて、それでは、果たして手術はがんに有効なのか。どうやらこの
問いに対する答えは、執刀する外科医にもわからないようだ。中高時代の先輩外科医に、「がんにはまず手術」と信じる理由を聞いてみた。答えていわく、①身体に悪いところがあれば切り取るのが外科医の仕事 ②手術はがん治療のプロフェッショナル・スタンダード ③がんと診断して何もしないというのは外科医の倫理に悖る・・・。

昨今の医療界が躍起になっているEBM(科学的根拠に基づく医
療)とはまさに対極の理屈ではないか。その結果、外科医は「技術的に取れるがんは取る」し、何も知らない一般人ももちろん、「がん治療の第一選択肢は手術」と信じて疑うことはないのである

転移のあるがん(先述の近藤誠氏が言うところの「本物のがん」)
の手術をして患者が一年後に死んだとしよう。患者の家族は言うだろう。「手術しなければ半年しかもたなかっただろうに、手術のおかげで一年も生きられた」。どうしてそんなことが言えるのかと問えば、「お医者さんがそうおっしゃったから。できるだけのことをしてあげたかったから。そうとでも考えなければやり切れない」と。実際に摘出手術を受けた当の患者本人の苦しみは誰にもわからない。 (続く)

全国130万人のがん患者に光を与える、“論より証拠”の免疫療法

 こんにちは。ジャムおじさんです。
 前回の『笑い療法』に続いて、今日はもっともっと広い意味での『免疫療法』について書いてみたいと思います。
 
 さて、昨年より興味深くウォッチしている「ウェラー・ザン・ウェル(Weller than well)学会」なる団体があります。昨年末の大 
 集会(名古屋大会)に続き、今夏のシンポジウムの様子ものぞいてきました。
 
 自ら腎臓がんに侵され、西洋医学から見放されながらも完全治癒を勝ち取った川竹文夫氏。彼が1997年に立ち上げたNPO 
 ガンの患者学研究所は、免疫療法の医学的な根拠を確立すべく、安保徹氏(新潟大学大学院医歯学部総合研究科教授)ら
 とともに、がんからの生還者に学ぶ『日本ウェラー・ザン・ウェル学会』を発足しました。西洋医学に見放されたにもかかわらず
 がんを克服した2千人について、具体的な治癒体験の分析とその体系化を目指して活動しています。

 
 『ウェラー・ザン・ウェル大集会』は、09年6月21日、千代田区の一橋記念講堂で開催され、全国から約500人のがん患者やその家族、元がん患者である“治ったさん”(同研究所ではがんからの生還者をこう呼んでいる)が集結しました。そして、がんの自然退縮を実現させた方々の生々しい体験談を中心に、がんの完全治癒施術法の創始者6名による講演が行われました。
 
 免疫療法の権威で“安保免疫学”の創始者でもある安保徹新潟大教授や、“ゆる体操”の創始者である高岡英夫氏らは、「身体を温め、ゆるめることで免疫力を高めることができる。最初は迷いながらでも構わない。とにかく信じてやってみよう。そしてそれを習慣化していこう」と熱く語ります。その結果としてあれだけ多くの生還者を目の当たりにすると、私的にはどうしても「がん=手術」という既成観念には懐疑的にならざるを得ません。

会場でサインに応じる\"免疫博士\"安保徹新潟大教授

 
 偶然出会った医師がたまたま知っているひとつの治療法に固執するケースはいまでも多いのが実情です。たしかに一般人(患者・家族)の脳裏に“がん=手術”という図式が強く染み込んでいることもあるでしょう。しかし、医師がプロであるならば、手術をしないということも含めて、がんには複数の治療法が存在することを患者にわかりやすく示す義務があるのではないでしょうか。たまたま入局した医局の教授が提唱する治療法のみに固執することなく、他の選択肢についても、個々の医師が学んでおくべきだと思うのです。自身が学んでいないという理由で頭ごなしに否定するだけではプロ失格です。
 
 ガン患者学研究所には、がんを克服した仲間たちがたくさん集まっています。それぞれに悩み苦しんだ時期を乗り越えて、いまは充実した生活を送っています。10数年にわたり日本人の死因トップであるがん。国民の3人にひとりはがんで死ぬのです。全国のがん患者数は130万人にも及びます。そんな、がんに侵されて苦悩するひとたちに、同研究所の活動は希望の光を投げかけていることはまちがいありません。

西洋医学の真実 ~予防接種も必要ない?~

先日、インターネット上のあるサイトで、「医者の子どもの多くは予防接種を受けていない」というコラムに出くわした。興味を持った私は、早速、同窓の医者たちにメールを打つと、早々に回答のあった7人のうち、5人の家庭では受けていなかった。70%の確率である。果たして、予防接種は必要ないものなのだろうか?

「インフルエンザの予防接種をしたのに罹ってしまった。学校を休んでいる友達のお母さんも同じことを言っていた」。みなさんの周囲で、こんな会話を聞いたことはないだろうか?

 

これについて、知人の医者に解説してもらった。「インフルエンザのウィルスは気道から感染する。免疫はまず気道から作られ、血液中で作られ、最後に全身の免疫が作られる。予防接種は腕にするのだから気道の免疫とは関係がない。それに、インフルエンザウィルスはすぐに変異するから、その意味でも効果がない」。

他にもある。
現在の日本の環境ではまずかからないジフテリアやらコレラやらの予防接種に何の意味があるのか?

さらに、
予防接種には危険がついてまわることを私たちは知らされていない。予防接種が引き起こした医療事故は多々ある。抗体ができるのではなく、その病気を発症してしまうケースさえもあるという。

多くの医者の子どもは予防接種を受けていない。つまり、予防接種
は必要ない。それでも医師会は予防接種をひたすら続けている。なぜ続けられているかというと、医師会やその他業界の貴重な収入源だからに他ならない。インフルエンザの予防接種だけで全国で3億円規模になり、それは医師会やそれに関連した業界にとって大きな定期収入になっているからである。

ただし、当の医者たちが決して打たないのは言うまでもない。
知らないのは患者ばかりなり、である。 (続く)

西洋医学の真実 ~ほとんどの健診&検診は無駄である(後)~

 

医療ジャーナリストの富家孝氏はストレートに言う。「医療関係者の生活を維持するためには、病人や病気が減っては都合が悪い。医者にとって、患者は『生かさず、殺さず』がベスト」なのである。


 

医学博士で新渡戸文化学園大学学長でもある中原英臣氏は、「いまや人間ドックを含め検診は病院にとって重要な収入源。検診自体による収入があるばかりでなく、検診で発見した病気を治す過程でまた儲かるという一石二鳥の構造がある。しかし、それが行き過ぎると、些細な異常所見を強調して病気や病人をつくりだすことにもなってしまう」と警鐘を鳴らす。私は先日、ある学会後の飲み会で、「ドックや検診なんて釣り堀みたいなものだ」などと言いながら笑っている医者たちに出くわした。
 
ニュースキャスターだった山川千秋さんや逸見政孝さんのケースを取り上げて、わが国のがん治療に一石を投じた慶應義塾大学医学部講師の近藤誠氏は、著書のなかで、「集団健診は、過去何十年にもわたって毎年数千万人が受けていても、それで健康になったり、寿命が延びたりしたというデータ的根拠はない。むしろ、病気や異常を告げられることで体調不調になる人が増加しているのが実態であり、廃止すべき」と記している。無意味な健診や検診で多額の税金が無駄に使われているというのは、どうやら真実のように思えてくる。
 
ところで、探してみて驚いたのだが、検診の有効性について否定する公的なレポートすら存在するのだ。1998年、公衆衛生審議会が、「子宮体がん、肺がん、乳がんは、現在の検診では実施してもなくても、がんの発見率は変わらない」と報告しているし、過去の新聞記事を拾ってみると、「大腸がん検診の有効性の評価を行う厚生労働省の研究班(主任研究者=祖父江友孝研究部長)は、集団検診での内視鏡・エックス線検査や直腸指診に否定的な見解を示し、自治体が実施する集団検診や職場検診など集団対象には奨められない」(2005年3月23日の朝日新聞)とある。むしろ内視鏡やⅩ線による検診には、一定割合での事故リスクすらあるのである。 


 

しかしながら、いまも自治体や職場での集団検診には必ずといってエックス線での検査があるのはどうしたことか。厚労省が否定的な見解を示したものを職場や市の広報で推奨しているというのは実に不可解なことではないか。

まずは、特定健診をはじめとする無駄な定期健診&検診は即刻止めて、検診に使っていた税金の使途をもっと国民の健康に役立つ方向に充当すべきである。例えば、現代人が抱えているストレスや運動不足を解消する具体的な方法や、体内に取り込むと病気を誘発する有害な化学物質などの情報を収集し、テレビの人気番組や自治体の広報誌やケーブルテレビを利用して伝えたり、食品添加物や合成洗剤等を使わない生活への改善を促す対策を立て、市町村や学校単位で指導したりする方がよほど医療費抑制につながるはずだ。定期検診を受けるよりはるかに効果的。検診や治療よりも病気にならないようにする予防にこそ限りある資源をあてがうべきだ。 (続く)

西洋医学の真実 ~ほとんどの健診&検診はムダである(前)~

がん対策として「早期発見・早期治療」とあちらこちら盛んに謳われているが、こういった、世間では常識とされていることほど疑ってみた方がいい。先日取材で会った新潟大学大学院教授(予防医療学)の岡田正彦氏は、「そもそも集団検診で見つかるようなレベルまで大きくなったがんは、もはや早期発見とは言えない」と指摘する。

私のまわりでもよくあるのが、検診と検診の間にがんになってしまったというもの。去年は異常なしだったのに、今年は末期がんを宣告されたという悲劇も決して珍しくない。
また、集団検診に使う検査機器が人体に与える悪影響も見逃せない。レントゲン検査の放射能、検査機器の電磁波など、医療機器で人体にまったく害をなさないものはない。妊婦のお腹に超音波を当てて、胎内の赤ちゃんを見るエコー検査も、激しく細胞分裂している胎児に大量の電磁波を浴びせることが危険でないはずがないだろう。
つまり、『早期発見・早期治療』の旗印の下、現在盛んに推奨されている健診・検診は、個々の医師の善意とは関係なく、構造的に金儲け主義の産物でしかないと考えれば納得がいく。ちなみに、私の周囲には健診や検診なんぞ受けたことがないという医者が非常に多い。彼ら自身、その有効性を信じていない証拠ではないか。

2008年4月から法制化された特定健診。これで得したのは誰か?高血圧患者約3000万人、糖尿病患者・予備軍は約1600万人。死亡者の原因疾患を見ると、がん、虚血性心疾患、脳卒中で約60万人と、日本人の3人に2人がこれらの生活習慣病で亡くなっている。
 

だから若いうちから病気を予防して健康なひとを増やし、結果的に国民医療費を抑制しようということでスタートしたのが特定健診である。が、メタボの診断基準を作成した委員会メンバーのうち国公立大学の医者11人全員に高血圧などの治療薬メーカーから合計約14億円の寄付があったと、2008年3月に読売新聞が調査結果を記事にした。
わが国では、健診や検診に多額の税金が使われている。それでも効果があって、国民の病気が減り、健康なひとがどんどん増えているならいい。が、検診により病気が減るどころか、むしろ医療費は年々増加し、病人が増えていることは周知の事実だ。
ぶっちゃけた話、医療も商売である。だから、病人を治療するのみならず、作り出すのも当然と言えば当然のことだ。病人が増加した結果、国民医療費は33兆円を超えた。このお金がどこに行くのか。医者の他、製薬メーカーや卸、医療機器メーカー、看護師・薬剤師などの医療従事者、調剤薬局、介護福祉関連の従事者などに支払われるわけで、多くの人が医療によって生計を立てているのである。
極論すれば、医療の世界は癒着産業である。新薬で大当たりを目論む製薬会社。そこへの天下りを狙う厚生官僚。研究費という名目で寄付金をもらい論文を作文する研究者。莫大なお金が、医療の発展という大義名分の下で費やされているのだ。そこに利権が絡むとなれば、実際には大して効果のない薬が承認されたり、以前のものより効能が劣る薬が承認されたりすることもあり得ると考えた方がいい。(続く)

西洋医学の真実 ~医者は薬を飲まない?~

診療報酬のマイナス改定が前提となった昨今では、これまでと同じような医療活動をしていたのでは当然減収となり、採算を度外視しては病医院経営は成り立たない。その結果、収益を上げようと、ちょっとしたことで検査したり、薬を必要以上に出したり、過剰な手術や終末期医療などが目立ってきても不思議ではない。今の制度では、診察するだけではさしてお金にならないので、とりあえずいろいろやっておこうということが罷り通っているわけだ。 
 
薬について言えば、必要がないのに薬を出すだけならまだしも、その薬の副作用で本当に病人を作り出してしまう場合があるのでたちが悪い。例えば、中学以来の友人である医者は高血圧で糖尿だ。しかし、患者に薬は出すが、自身では飲まない。食事と運動で少しずつ改善していると言う。彼によれば、「薬は化学薬品であり、石油からできている。これを飲むのは、石油を飲み、プラスチックを食べているのと同じ」である。

かつてマクドナルドの社長が、「自分の孫にはハンバーガーやフライドポテトを食べさせない」と言っていたのを思い出す。ジャンクフードを製造販売している加工食品メーカーの役員は、「若者を不健康にすることで自分たちの仕事は成り立っている。いやな商売だと呪うこともある」と言っていた。大手乳製品メーカーの部長は、「わが家では牛乳は飲まず、豆乳です」と照れ笑いをしていた。世の中の真実とはこういうものだ。医者が薬を飲まないという話はこれに通ずるものがあるが、多くのひとは真実を知らされない。

先述の天本宏氏に教えてもらったことがある。「医療には限界があることを、患者も医者も知らねばならない。高齢者の健康寿命を決定する因子の半分は食事・運動・喫煙などの生活習慣。人間関係や住まい方などの環境が20%、生まれつきの遺伝子が20%。薬を含めた医療の影響はわずか10%に過ぎない」と。であるならば、世の医者たちはもっと謙虚であるべきだ。
 (続く)

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