西洋医学の真実 ~代替医療の可能性~

私の父は認知症で要介護5である。超高齢時代の旬であるアルツハイマー病と診断されて7年が経つ。アルツハイマー病には多様な症状があり、さまざまな原因が考えられるが、いかなる生活習慣が脳にダメージを与えるのか、実際のところはわかっていない。せいぜい、認知症の進行を鈍化させるアリセプトが世に出回るようになり、「認知症にはアリセプト」という処方ルールが定着した程度の話である。


が、当然、人によって症状や原因が異なるわけで、この病気をひとつの薬で治そうとすること自体、最初から無理な話だ。飲み始めてすぐ吐き気を催すひとも多く、父の場合は服薬量と頻度を私が調整しながら飲ませていた。

認知症については、医者は根拠がないと言って嫌うものの、有効と思われるケアが多数存在することは事実である。食事、サプリメント、頭の体操、各種エクササイズやストレスマネジメント等によって改善傾向を示す認知症患者が医療介護現場にはかなりいる。これはもう結果がすべてで、まちがいない。

全日本病院協会副会長で、父の主治医でもあった医療法人社団天翁会理事長の天本宏氏は、「人間の持つ自然治癒力とか回復力というものはわからないことが多い。医師の知らない治療法が存在していても何ら不思議ではない」と、実に謙虚な医者だった。非常にめずらしいと感心した記憶がある。
日本の医療現場では、まだまだ代替医療に難色を示す医者が多い。ただし、当のその医者自身が漢方薬を飲んでいるというケースは多々あるのだが・・・。
 
私が理解している代替医療の特徴は、①予防と治療を同時に行う ②副作用が少なく体に負担をかけない ③西洋医学よりも優れた効果をあげることも少なくない。この3点である。
もちろん代替医療も万能ではないので、西洋医学とどちらを使うかは状況次第で、現時点では、代替医療を取り入れるかどうかは私たち自身が判断するしかない。病気も健康も自分自身のもの。病医院や医者任せにせず、自ら学び判断できる賢い患者にならなければいけない時代なのである。自分の身体は自分で守るしかないと考えた方がいい。

調べてみると、欧米では西洋医学の限界を国家レベルで認識し、政策に反映させている。
何事においても日本は米国の10年遅れと言われているから、そろそろ代替医療を含めた統合医療の重要性に気づいてもいい頃ではないか。今後、西洋医学以外のすべてを包括する代替医療でも徐々に科学的根拠が得られてきて、既存の西洋医学も含めた『統合医療』として発展することに期待したい。

西洋医学では太刀打ちできない生活習慣病の改善、不老長寿(不老長美)を目指すアンチエイジングや再生医療、遺伝的側面から予防する遺伝外来も始まり、さらに健康のジャンルは広がりを持ってくるはずだ。(続く)


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