西洋医学の真実 ~がんは切るな(前)~

結核をはじめとする伝染病や、栄養不良に起因する外来性の疾病に対して有効だった「早期発見・早期治療」という方法論は、がん、脳卒中(脳血管患)、心臓病などの生活習慣病には通用しない。がんのような内なる病気に対しては伝染病に対する方法が通用するはずもない。この考え方は、医者の世界では定説である。


さて、それでは、果たして手術はがんに有効なのか。どうやらこの
問いに対する答えは、執刀する外科医にもわからないようだ。中高時代の先輩外科医に、「がんにはまず手術」と信じる理由を聞いてみた。答えていわく、①身体に悪いところがあれば切り取るのが外科医の仕事 ②手術はがん治療のプロフェッショナル・スタンダード ③がんと診断して何もしないというのは外科医の倫理に悖る・・・。

昨今の医療界が躍起になっているEBM(科学的根拠に基づく医
療)とはまさに対極の理屈ではないか。その結果、外科医は「技術的に取れるがんは取る」し、何も知らない一般人ももちろん、「がん治療の第一選択肢は手術」と信じて疑うことはないのである

転移のあるがん(先述の近藤誠氏が言うところの「本物のがん」)
の手術をして患者が一年後に死んだとしよう。患者の家族は言うだろう。「手術しなければ半年しかもたなかっただろうに、手術のおかげで一年も生きられた」。どうしてそんなことが言えるのかと問えば、「お医者さんがそうおっしゃったから。できるだけのことをしてあげたかったから。そうとでも考えなければやり切れない」と。実際に摘出手術を受けた当の患者本人の苦しみは誰にもわからない。 (続く)


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