西洋医学の真実 ~がんは切るな(後)~

実は、このあたりのことで悩んでいる外科医は少なくないという。「この患者のがんは末期がんで、手術しなければ半年余りの命だ。しかし数ヶ月は普通の生活ができるだろう。手術をすれば一年は生きられる。しかしQOL(生活の質)は低下し、再発すれば患者の苦痛は大きくなる。ベッドを離れての生活は困難になるだろう」。(あえて付け加えれば、「手術をしなければ半年で死ぬ」という科学的根拠はどこにもない)。


このことを患者に告げるべきか、告げざるべきか。がんであること
を告げて、手術をしないと言えば、「手術ができないほど悪いのか」と患者と家族は苦悩する。家族に責められて結局、外科医は患者の身体にメスを入れる道を選択する。

こうした葛藤は日常茶飯らしい。この原因のひとつは、一般人(患
者・家族)の脳裏に、「がん=手術」という図式が強く染み込んでいるからに他ならない。だとすれば、この先入観や思い込みを打ち破る必要がある。

しかし、責任を患者側の無知に転嫁するのは甚だ図々しいにもほど
がある。真のプロフェッショナルは、「一切の処置をしない」ということも含めて、がんには手術以外に第二、第三の選択肢があることをわかりやすく示さなければならない。

そのためには、たまたま入局した医局が提唱する治療法のみに固執
することなく、他の選択肢についても、個々の医者が学んでおかねばならない。がんであれば、手術・抗がん剤・放射線に加えて免疫療法。ただ自分が知らないという理由だけで頭ごなしに否定するのはプロ失格だ。そして患者側も、そんなプロ失格の医者が多いという事実を知っておいたほうが絶対にいい。   

 

俗に、「外科医の切りたがり」(ちなみに内科医は、「飲ませたがり」だ)という。大学病院などは、手術症例数は多いものの外科医の数も多いので、ひとりの医者が執刀できる症例数は相対的に少ない。だから実地練習の機会を作らざるを得ないという真実を知っておくべきだろう。例えば、盲腸の手術は失敗しても大事には至らないため、薬で治る程度でも若い医者の練習材料として手術が行われることだってないとは言えないのだ。おお恐ろしい。


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