NPO法人 二十四の瞳
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またまたお医者様にお願い ~カルテの開示~

こんにちは、ジャムおじさんです。
昨日、またまた不愉快な話を聞いてしまいました。中学校以来の友人からの相談です。彼の母上が3年近く通ったクリニックから、新しくできた別のクリニックへ移ろうとしたそうです。なんでも、以前に何かの講演会で話を聞いて、なかなか面白い人だなぁと思っていたドクターが、週に一回、そのクリニックで診療していることがわかったらしいのです。それで、この3年間の経過がわかったほうがいいだろうということで、主だったカルテのコピーをもらいたいと申し出たそうです。
 
が、先方から返ってきた言葉は・・・、
『何の目的で使用されるのですか?』
『当院の治療について、なにか疑問な点でもおありですか?』
『当院になにかご不満でも?』
予想外の質問に、友人の母上は自分の言い方に失礼でもあったのかと驚き、思わず正直に別のクリニックを受診しようと考えている旨を伝え、なにか問題があるでしょうか? と尋ねてしまったそうです。
 
すると・・・、
 『どこの医療機関にかかろうと、それは患者さんの自由です。ただし、カルテをお渡しするには正当な理由が必要です。カルテなど持っていかなくても、普通は診てもらえますよ。問題があれば、そちらの先生から私のほうへ連絡するように言ってください』。
 
これを友人から聞いた私は、一気に血圧が上がっちゃいました。最悪の医者ですよ!
こういうのを一般社会では詐欺というんです。悪徳商法といっしょですね。カルテとはいったい誰のものなのか、この医者は勘違いしています。しかも、現在では患者の求めに応じてカルテを開示する義務が法律で定められています。
 
患者がカルテの写しを要望したら、なにが疑問だ、不満だなどと四の五の言わず提供しなければならないのです。それを本当に知らないとしたら、この医者は100年遅れています。また、知っていて提供しないのであればペテン師と言われても仕方ないでしょう。提供しないだけでなく、「そんなものなくたって診てもらえますよ」と論点をズラしてますよね。これはやっぱり悪質な詐欺です。
 
と同時に、この友人の母上にも苦言を呈したい。なんでそんなところに3年間も通院していたのかと。70年以上も人間をやっていて、人を見る目はないのかと・・・。患者側がこうだから、こういう医者が蔓延るということも言えるのです。
 
しかし、カルテ開示などというテーマが取り沙汰されてから、もう何年になるでしょうか。10年は経ってますよねぇ。だから、医者も医者なら患者も患者だと、私はいつも言ってるんです。どちらもいい加減なんです。もちろん、すべての医者、すべての患者がそうだとは言いません。でも、多いことは確かです。
 
私も自分の母親を見ていて感じるのは、ある程度の高齢になったらやむを得ないのかなぁとも思います。自分がそれぐらいの年齢になったときに、果たして自分の子ども程の若い医者相手に折衝ごとができるだろうかと。そう考えると、やはり医者のほうから歩み寄ってあげるべきなんだと思うのです。
 
とにかく、年末からカルテ絡みの相談が多いんです。なぜに自分自身のカルテをもらうのにそんな大事になるのか。なんで病医院側は簡単に提供してくれないのか。見られてまずいことでもあるのかと疑ってみたくなります。それほどカルテの写しを入手したいのに円滑にいかないという相談が多々あるのです。なんたることでしょうか。
 
さて、お医者様にお願いです。どうか診断結果は書類にして渡してあげてください。患者さんがそのままそこで治療を受けるのであれば、治療方針や見通し、主治医の名前、手術の場合には執刀医の名前、当該手術についての経験や成功率について書いてあげてください。
 
病気を抱えて動転している人間が、お医者様の説明を口頭で聞いてキチンと消化できるはずありません。あとで冷静になってから知り合いのお医者様に相談したくても、素人があやふやな記憶だけを頼りに説明しても、的確な助言が得られないでしょう?
 
増してや大きな手術が必要だというのであればなおさらです。大きな決断を要するときこそ、第二・第三の意見を聞きたいと思うのは当然じゃないですか!自分や家族がそういう立場になったときのことを考えてみてください。
 

どうも、そういう相手の立場に寄り添うといった姿勢が足らないお医者様が多いような気がしてなりません。世間的には偉いとされるお医者様であるならば、なおさらきめ細かな配慮をして欲しいものです。(以上)

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