NPO法人 二十四の瞳
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国に振り回されるの、ヤメません?

こんにちは、ジャムおじさんです。
今回は、病医院経営者のみなさまに、ちょっとした発想の転換についてお話したいと思います。

それは・・・、『病医院経営者のみなさん、そろそろ国家全体の医療行政に一喜一憂するのはやめにしませんか?』
やめちゃいましょうよ。これまでは、私も含め、医療経営を指導する側の人たちは、医療福祉の世界は制度リスクを伴うから、国家行政の動向を時々刻々ウォッチしていくことが重要・・・等と口にしてきたんです。たしかに間違ってはいないけれど、私はそろそろ、いささか視点を変えてみることをお勧めしたいんです。


これまでは、「介護保険が始まったから居宅介護サービスだ」、「診療報酬がこう変わったから、それ在院日数を短縮しよう」とか、「療養型病床がなくなるからそれ特定だ」とか…。みんながみんな、国なりマスコミなりコンサルタントが示した模範回答に右へ倣えしていた経営者が殆どでした。こういうのをプロダクトアウトな発想と言うんです。

介護保険を創ったにもかかわらず、国民医療費が、毎年一兆円ずつ増えていく。医療事故が止まらず危機管理が遅々として進まない。療養型病床の大幅削減にどう対処しよう。こんなことは、いい意味で割り切って放っておこうというのが私の提言です。これらが重要なことに異論はないけれど、間違えてはならないのがみなさんの中での優先順位です。

一方、本来の地域医療とは、地域の特性に応じた医療のことであり、あなたが把握すべきは地域生活者の声に他なりません。徹底的に聞き出してこれに応えることをマーケットインと言います。真摯にこれをやっていないから、両者の関係が揺らいでしまうのですよねぇ。

シビアな現状調査もせずに、総花的な医療計画しか提示しない国や政治家の描いたシナリオに振り回されている今日の地域医療は、本来あるべき姿ではないでしょう。誤解を恐れずに言わせてもらえば、そんなのは偽りの地域医療ですよ。真の地域医療を実現しようと思ったら、何より先に、地域や利用者の声を聴きまくらなくっちゃ。


きれいごとを言っていても始まりません。病医院経営者たるみなさんは、自院の収支悪化の解決をお上に求めても埒があかないということを自覚して、今ここで自分にできることに取りかかるべきだと心から思うわけです。現実問題として、あなたは診療をしながら職員とその家族の生活を保証していかねばならない。だったら、まずは自院および自診療圏に特化して、具体的な収支改善に即乗り出しましょうよ、ということなのです。国家レベルでのあるべき医療の方向性。そんな異次元なことで袋小路に嵌っているよりも、まずは現場(地域や自院)に目を向けて、医療商売の原点に戻ってみてはどうですか?まさに、井上陽水の「傘がない」の発想です。ちょっと古いかな・・・?

さて次回は、これからの医療商売の肝についてお話しようと思ってます・・・。

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