いかがですか?
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サービスの仕様
●月2回の学習会(テーマは、医療・福祉・お金・法律・葬儀)
いま考えると、学習会を月2回やったのはかなりハードでした。毎回2講座にして、ひとつは私が喋り、もうひとつは毎回ゲスト講師として、医者、看護師、薬剤師、管理栄養士、ケアマネジャー、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、自治体職員、消防署員(救急隊)、葬儀屋等を確保しました。なんといってもスケジューリングに骨が折れました。それと、毎回座学だけだと不健康なので、軽体操や歌、ゲームや映画鑑賞(DVD)などで退屈させないような工夫をしました。また、会費とは別に、資料のコピー代やおやつ代として500円をいただくようにしました。もちろん、それらを予め盛り込んで会費を少しアップしてもいいでしょう。
相談ホットラインは、私がこだわった点です。地域の高齢者との会話を重ねるうちに、自治体窓口の使い勝手の悪さが浮き彫りになってきたためです。平日の9時5時しか対応してくれないこと、複数の窓口を回らねばならないこと、必ずしも対応のいい職員ばかりではないこと等、いざという時に頼れないというのがシニアの自治体に対する評価だったのです。だからこそ、私は24時間365日に固執したのです。実際にやってみると、22時から翌8時までの時間帯にかかってくる件数は、会員が100名の場合でも月に2~3件です。土日祝日の昼間の時間帯を併せても10件に届くかどうかで、会員のみなさんによると、「なにかあったときに気軽に相談できるひとがいるという安心感を買っている」ということなのだそうです。
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あなたが具体的にすべきこと
となると、例えば高齢者が日々の生活の中で遭遇する可能性の高いいくつかの分野について、最低限知っておきたい情報等を広くわかりやすく解説してあげるのが入口としてはいいかも知れません。熟年生活を円滑にするためのガイドみたいな感じでしょうか。実際にやってみるとわかりますが、世の中の高齢者は、ホント何にも知りません。そして、知っているか知らないか。たったそれだけの違いで、いざという時に悲惨な状況に陥ってしまうという危機感がありません。それは言うまでもなく、日本という国の上層部の人たちが、医療と福祉をはじめとする世の中のしくみをわざと難解にしているからです。そうすることで、私たちは国家の経営に協力せざるを得なくさせられているのです。
だから、医療や福祉のシステムも超複雑なのです。ということで、その入門講座でもいいですし、年金や介護保険、葬儀などもシニアの関心が高いテーマです。他にも、生命保険、食事、エクササイズ、遺言状等、みなさんの得意分野があればそれもまた可です。
そこで最初にあなたがやることですが、事務局長または会計担当(通常は女性。私が関わったクラブではすべて、この女性がキーマンでした)に対して、①地元でこれから積極的に相談業務を行っていくこと ②シニアの役に立つ学習会を企画していくこと ③今後、クラブの催しなどで話す機会を戴ければ嬉しいということ を伝えてください。
そのうえで、高齢者クラブ連絡協議会会長(通称、連協長:ブロック長のようなもので、その下に10~数十名の部長がぶら下がっている)を紹介してもらえないか相談してみます。すんなり名簿をもらえる場合もありますし、次回の連協長会議(月例)で時間をもらえることもあるはずです。この流れのなかで、2~3名の連協長と懇意になれたら、あなたの活動は本当に楽になるはずです。
人間関係さえできて、あなたの話が面白ければ、かなり協力的に集客してくれるからです。ちなみに、人口20万人クラスの自治体だと、連協長なるシニアは20~30名。各連協長の下に、部長(中学校区単位の高齢者クラブの会長)がやはり20~30名、組織されているのが一般的です。
さらに次のステップとして、その医者の病医院内で相談コーナーを設けてもらったり、そこの患者さんたちを紹介してもらったりできるようになる可能性が出てくるはずです。もちろん、みなさんのほうから提案するのもいいでしょう。そんな医者を2~3名つかまえることができたなら、あなたの活動にはグッと幅ができてきます。
現実問題として、病医院では身体的な健康に係る問題以外には対応のしようがありません。しかしながら患者さんサイドは、さまざまな問題を抱えながら日々を過ごしていて、肉体的にだけ問題解決しても本当の意味で健康にはなれません。だから病医院には多種多様な相談が寄せられるわけですが、医者も看護師も対応できていないのが現実です。そこをあなたが拾ってあげるのです。この連携関係が作れれば、病医院側にとっても助かる話です。診療以外の厄介な相談はあなたに振ればいいわけですからね。
こうした環境が整ってきたら、いよいよあなたが社会福祉士として表舞台に立つことになります。学習会を企画して、いざ公民館や、あるいは高齢者クラブの会合、病医院のホール等で実際に話をするのです。「私は社会福祉士として、今日お集まりいただいたみなさんの不安を低減するお役に立ちたいと、本気で思っています」と念じながら、心をこめて・・・。そして、本題の終わりには必ず、5分でもいいからNPOへの入会案内をするようにしましょう。みなさんが地元で展開して意向と考えているサービスについてわかりやすく説明してあげてください。そのうえで簡単なチラシ程度は手渡したいところです。また、忘れてはならないのがアンケートです。記名欄(氏名、住所、電話)も用意して、学習会の感想と今後企画して欲しい内容、さらには現在のお困りごとを記入できる欄を作っておきます。これによってあなたにとっての見込客(会員)名簿を増やしていくわけです。
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みなさんへのご提案
そこで社会福祉士のみなさんにご提案させてほしいのです。『NPO二十四の瞳の拠点を、あなたの地元で構えてみませんか?』というのがその内容です。そうすることで、社会福祉士として地域で頼られる存在にステータスアップする第一歩にしていただきたいのです。必ずや、人間が充実した人生を送るためにもっとも重要な、「ひとから評価される」、「人から頼りにされる」ということの実感を持てるようになるはずです。
病医院については、診療科目と診療時間、入院設備・往診対応・救急指定の有無と連絡先(地域連携室、医療福祉相談室、MSW等)を入手します。これについては、都道府県庁の本屋か官公庁刊行物発行センターで、毎年発行される『医療機関名簿』(200円程度)を買うか、地域の保健所で『医療機関マップ』をもらうか、最悪インターネットで地域医師会や各医療機関のホームページにアクセスすれば難なく収拾することができます。
介護事業者については、自治体の介護保険課が毎年発行している『介護事業者名簿』を入手するのと、プラス、施設系の空き状況がわかれば尚可です。この情報については、自治体によっては介護保険課または障害福祉課、もしくは地域の社会福祉協議会が配布している場合もあります。インターネットであればwamnetで簡単に入手できます。配食およびリフォーム事業者については、電話帳があれば一発ですし、もちろんインターネットの検索エンジンから探してもOKです。民生委員と公民館長については自治体の障害福祉課が名簿を管理していますのでそこから入手します。
高齢者クラブについては、連合事務局にすべての情報が集まっていますのでそこから入手します。とにかく事務局長や会計担当と懇意になっておくことが後々のためにも有用です。ここらへんの情報をデータベース化できると、地域の高齢者動態はかなり把握できるはずです。要は、みなさんの活動を効果的に推進する上での地域のキーマンが見えてくるということです。弁護士、司法書士、行政書士、税理士、葬儀屋については電話帳で簡単に調べることができます。実際の相談があってから動き始めても間に合うくらいです。
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社会福祉士の使命
そして2008年からは、医療専門メディアで記者のまねごとをしながら、厚生労働省や医学界とのチャネル開拓に精力を注ぎました。霞ヶ関や永田町の動向をいちはやく察知することは、高齢者を中心とする相談者に適切なガイドを出せるのみならず、相談者に結びつけるべき病医院や医師とつき合う上でも大いに役立つものなのです。所詮、病医院経営者の多くは、2年毎の診療報酬改定と3年毎の介護報酬改定に一喜一憂している人たちです。医療(介護)行政の方向性をウォッチしておけば重宝がられるのは目に見えていたのです。
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社会福祉士が活躍すべきポジション
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社会福祉士のポテンシャル!
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福祉界の最高峰「社会福祉士」の地位向上のために
心から祝福させていただきます。
今回より、志高く若くて有能なみなさんに、社会福祉士が『お金をかけずに短期間で地域の救世主となる方法』をお届けします・・・。
数年前までは病院に社会的入院と呼ばれる患者さんがいっぱいいました。もう医学的処置は必要なくなったにもかかわらず、諸々の事情で退院しても行き場がない高齢者たちがそのまま長期間入院生活を続けていたのです。しかしながら、病院を取り巻く経営環境が変わり、病院は極力短期間で高齢者を退院させなくては経営的に覚束なくなりました。ベッドを回転させることが病院の重要な経営指標となったからです。
ですが、この3つよりも前に、もっと必要なことがあります。それは、「高齢者のみ世帯」が何かしら不安を感じたときに、気軽に相談できる窓口または相手です。残念なことですが、いまの地域社会にはこれが決定的に欠けているのです。自治体の窓口は、平日の9時5時しか対応してくれないだけでなく、お役所の悪しき慣習である縦割り行政の結果、高齢者が相談に出向いてもあちこちの窓口で個別折衝しなければなりません。50歳の私でさえもイライラすることがあります。また、担当者によっては、まだまだ相手の立場を尊重する姿勢が不足していることも問題でしょう。要介護の認定を受ければケアマネジャーという福祉専門職が相談相手になってくれるかも知れません。一人暮らしで障害を抱えている人や生活保護を受けている人などには、民生委員と呼ばれる福祉相談員や自治体の職員が定期的に安否確認などに出向いてくれます。緊急連絡用の電話を貸し出してくれる地域もあります。
しかし、もっとも数の多い“ふつうの高齢者のみ世帯”は、万一のときに頼れる存在がいないのです。お子さん世帯が近くにあれば別ですが、そうでない限り、何かあったときにコンタクトできるのが110番と119番だけというのは心もとない気がします。お隣の韓国では『ダイヤル129』というインフラがあって、いつでもなんでも話を聞いてもらえるシステムが機能しています。その電話だけで問題解決に至るかどうかは別にして、不安が頭をよぎったときに24時間相談ができて、解決の糸口や然るべきコンタクト先を教えてもらうだけでも、落ち着いた気分でその夜を過ごすことができるはずです。
これがいまの日本の地域高齢社会にもっとも欠けている機能だと思います。そこで、高齢者たちのナマの声を聞きながらスタートしたのが『NPO二十四の瞳』(http://24eyes.wilbo.jp/)なのです。私たちは、会員世帯に対して、①24時間365日のお困りごと相談 ②医療や福祉等をテーマとする啓発講座 ③地域の医療・福祉サービスの実態情報 を提供しています。そして、全国各地の若くて有能な社会福祉士のみなさんに働きかけて、この活動をすこしずつ横展開していきたいと考えています。私は、すべての国家資格のなかで、超高齢社会には不可欠なこの意義あるミッションを遂行できるのは社会福祉士だけだと思っています。
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迫りくる老老地獄の時代 ~ 目を覚ませ社会福祉士!
福祉専門職の最高峰、社会福祉士。
その国家試験は超難関とされ、合格率は3割に満たない。
が、多大な時間とお金をかけて合格を勝ち取った彼らは、同資格の認知度と賃金の低さに愕然とし、ヤル気をなくし、やがて病医院や介護施設のなかで他の専門職に埋もれていく・・・。
しかし、だ。
最難関といわれる国家試験を乗り切った彼らには、豊富な見識と人間的なバランスがある。
国が高齢者をはじめとする社会的弱者の切り捨てに舵を切った今、地域で救世主となれる可能性をもっとも秘めている存在。それが社会福祉士だ。
超高齢社会となったニッポンで、社会福祉士がいかに付加価値を提供し、いかに使命を果たし、いかにステータスを上げていくか。
これを具体化するために、母校・慶應義塾大学を拠点に『社会福祉士三田会』が発足した。
若くて有能な世代に社会福祉士を目指してもらうために。
こんなはずじゃあなかった・・・と肩を落としている社会福祉士たちのために。
2015年には、団塊世代がすべて65歳以上となる。
老老介護・老老相続は当たり前となり、老老虐待・老老殺人・老老心中が日常茶飯事となる。それでも社会保障の予算は増えない。だって、医療や福祉は票にならないから。
その結果、介護施設もマンパワーも永久に足らず、高齢者世帯は地獄と化す。
子ども世帯と離れて暮らす高齢者にとって、国も自治体も医者もケアマネも頼れない世の中で暮らしを維持していくためにも、老後生活のゲートキーパーたり得る社会福祉士を確保しておく意味は大きい。
社会福祉士は全国に14万人。
まずは彼らが目覚め、真に自律した社会福祉士になることだ。
誇りと自信と野心を持って、医療福祉界のリーダーとなるために、はじめの一歩を踏み出してほしい。そう願っている。
『社会福祉士三田会』にご興味ある方。どうぞ下記宛て、お気軽にご一報ください。次回定例会(平成24年7月21日(土)午後4時から@慶應義塾大学三田校舎)に、是非ともご参加いただきたいと思います。
問合せ先アドレス:
npo24no1103cool765@yahoo.co.jp または npo24no1103@dream.jp