NPO法人 二十四の瞳
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感動する医者の話14

医者の務めとは、病気を治すこと。しかも、根本原因を潰して、薬の力を借りなくても健康を維持できる身体を取り戻す。そのためのお手伝いをすることだと、私は思っている。天真爛漫な子どもも、大きくなるに従って自分の世界を構築し、さまざまな友だちとのつきあいが増えてくる。ときにジャンクフードを頬張りながら、部活のこと、勉強のこと、恋愛のこと、いろいろな話に花を咲かせるときもある。もしかすると、それは青春時代のいちばん楽しい時間かもしれない。だからこそ、親のコントロール下にある年代には、少しでも健康にとって望ましい食生活をしておいたほうがいい。それが私の考えである。
 
「これが化学調味料の怖さなんですね。テレビ見ながら平気でひと袋平らげてしまう。この化学物質による味の変化が極端な食べ過ぎにつながり、肥満を促し、食べ物に多様性を求める味蕾本来の性質を損ねているのです。味覚が鈍くなると、食べたものの美味しさがわからなくなるでしょう? そうして食品メーカーが戦略的に添加した化学物質にしか反応しなくなってしまうのです。だから、たまぁにならいいけれど、日常的にたくさん食べる習慣をつけてしまうと、これからボクが大きくなっていく過程で、心身にわたるデメリットがいろいろともたらされてしまう危険性があるということです。まさに、味蕾を損なうことで、かけがえのない子どもたちから明るい未来まで奪ってしまうかもしれません。」
 
お母さんがクスッと笑った。
 
「私はね、最近ニュースで子どもたちが関係するいろいろな事故や事件を見ていると、おそらく、望ましくない食習慣を長いあいだ続けてきたことが原因のひとつではないかと感じているのです。キレやすい子…ですね。坊ちゃんをそんな風にしたくはありません。」
 
そう言いながらも、一方で私は、今日の映像文化にあっては、子どもたちに悪影響を与える様々な情報を遮断することは困難であることも十分理解している。
 
 食品メーカーをはじめとする各企業は、自社商品の熱烈なファンである上得意顧客の生活様式を徹底的に研究する。彼らの好き嫌い、夢、願望、趣味、欲求、憧れのヒーロー・ヒロイン像等々。特に消費の多い顧客には、新商品の試食や、宣伝広告を見せて意見を求めたりしながら洗脳していくのである。これをポケトチップマーケティングと称している。彼らが特定の歌手や俳優を好めば、すぐにその有名人たちがテレビやラジオで当該商品を褒めちぎる…といった具合で、なかなかジャンクフードの魔の手から逃げきることは難しい。
 
「人の身体は、13種類の必須ビタミンを毎日摂取する必要があります。それは私たちの体内で毎日行われている、何百万という化学反応を維持するために欠かせないものです。本当はね、一日に数種類の新鮮な野菜や果物を食べれば、こうしたビタミンは必要量摂取できるし、そもそも私たちの身体は、種類の違う天然の食物を欲しがるようにできているものなのです。」
 
がんや糖尿病と同様に、アトピーや花粉症といった現代病は、産業が発展して生活が豊になった国に広く蔓延している。発展途上国には見られない、先進国特有の病気なのだ。その原因はふたつある。ひとつが農業の変化。そしてもうひとつが加工食品の氾濫。いずれも元凶は過度の化学物質にある。

(続く)

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