NPO法人 二十四の瞳
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まやかしの予防教育に騙されるな


現在の病医院で行われている治療のほとんどは、症状を緩和する対症療法であって、原因そのものを解決するものではありません。しかしハッキリ言って、その対症療法の過程でのべつ幕なしに処方される薬の副作用は国民にとっては大いなるリスクなのです。


しかしこの裏には、病医院は予防ではメシが食えないという事情があります。病医院や医師は、いくら病気の予防に力を注いでも儲からないどころか、逆に減収してしまうのです。この点を患者さんは十分に認識しておく必要があります。


日本の医療制度というのは出来高払い制を敷いていて、患者をすぐに治してしまうと収益が上がらないしくみになっているのです。ダラダラと治さずに通院させたり、最初の処置がダメだったからといって別の処置を施したりする方が儲かってしまうという代物なのです。
もし、高血圧や高脂血症やがんや糖尿病患者が激減すれば、医療関係者の懐には北風が吹き荒れることになります。だから病気の予防に本気で取り組もうとする医師は少ないし、医学部のカリキュラムにも予防医学は登場してこないのです。


本来あるべき医療を考える上では、国民医療費が毎年1兆円ずつ増えるのはどうしてなのかという真の原因を調べたうえで抜本的な対策を講じないと駄目なのですが、これまでに述べてきたように、自らの利権が消滅するのを恐れ、真剣にこの問題に対峙しようとする人はほとんどいないのが実際のところです。


国民医療費適正化などと叫びながら、だれも真剣に適正化などしたくない。むしろ、ちょっとずつ増えていってくれた方がありがたいと思っているひとがほとんどなのではないでしょうか。そう思わずにはおれないほど、わが国には医療や介護に対するビジョンや戦略がありません。それは、戦略を策定する側のひとたちにとっても、戦略がないほうが望ましいからにちがいありません。


いまの日本では「治療より予防を」という言葉だけが一人歩きして、国は具体的なアクションプランを一切提示しません。その結果、個人的に予防に投資しようとしたまじめな人たちが、眉唾物の健康食品やらサプリメントやらの悪徳商法にひっかかってしまっているというのが哀しい現実です。今日のわが国医療の迷走ぶりは、理念なき医学教育や診療報酬体系の矛盾といった国家レベルでの戦略のなさがもたらした相乗的スパイラル現象と言ってもいいでしょう。

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