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社会人の心構え③

某企業の新入社員に対して行った講演の内容をご紹介してきました。
テーマは、学生と社会人のちがいにフォーカスしながら、『もう許されない学生時代の3つの習慣』について。

今回は最終回。『自己啓発 ~天は自ら助くる者を助く~』です。


学業の目的はインプットでした。それはわかればいい世界です。知識を増やしたり深めたりすることが学生の本分です。しかし、仕事はアウトプットです。わかっただけではダメで、できなければダメな世界です。社会人の本分は、仕事を通じて、他者に製品やサービスをはじめとする付加価値を提供することです。

学生時代は、受身の姿勢で、みなが一律に同じテキストを眺め、同じ教授の講義を聴いていれば問題ありませんでした。しかし社会人となれば、自分が密接に関わる業務については、会社が一律に用意してくれる研修のみならず、アウトプットの質を高めるために自発的に学び取ろうという向上心が求められます。

なぜか。そうしなければ、みなさんが一本立ちしたとき、社内の同僚のみならず、競合他社にも負けてしまうからです。負け続ければ評価は下がる。評価が下がればお金も減る。それが社会人というものです。

お待たせしました。ザキヤマさん(架空の新入社員)です。
配属先では、新入社員を一日も早く戦力にすべく、先輩たちがさまざまな勉強会をセットしてくれるはずです。そんな時、先輩のプレゼンテーションやスピーチの後、必ずコメントを求められます。

気をつけましょう。他の話は全部聞いていたのに、たまたまちょっとエアポケットに入ってしまったときに限って指名される。そういうことって本当に多いです。


 「ザキヤマさん、いまの話、どう思った?」

 (げげっ。うむむ・・・)

沈黙すること10病弱。

 「あっ。は、はい。とても大変勉強に(参考に)なりました・・・です・・・はいっ」。

こいつはダメだと烙印を押される瞬間です。
よく耳にする言葉ですが、これ、死んでも吐いてはならない言葉です。なぜだと思いますか?

 「参考になりました」というフレーズ。これは、先輩の話をまったくスルーしていたとしても発言できる内容だからです。

  教訓です。賛成の根拠を言う。できれば、まだ誰も指摘していないことを言いたい。
厳しい言い方をすれば、ビジネスの現場では無意味な話をすることは罪。それこそナンセンスです。何が勉強になったのか。なぜ同感なのか。そこを伝えなければ意味がありません。

あるトピックについてコメントを述べるにはセンスが必要です。それには日ごろからの勉強量が利いてきます。みなさんがどのように球を返すのか。周囲は注目しています。そのときに、「ほう。なかなかわかっているじゃないか」と思われたほうが、思われないよりもやはりベターなのです。

周囲から信頼される言動を積み重ねてチャンスをもらった。円滑な人間関係を心がけたおかげで周囲の貴重なサポートももらえた。しかし、自分自身に然るべき能力が備わっていなかったとすれば、せっかくのチャンスをモノにできる確率がガクンと落ちてしまいますよね。そうならないためにも、成果を形で示すための日常的な自己啓発を心がけるべきだと、私自身の実感も込めてお伝えしておきたいと思います。

なお、ザキヤマさんの場合は、上司から大きく3つの分野を意識的に強化したらいいと勧められました。

ひとつ、業界知識。これは自分が担当するクライアントの業界という意味です。
ふたつ、テクニカル。これは自分の職種に関連する専門知識。例えば、税務、IT、商業英語などです。
そして、みっつ、コミュニケーション。システム関連のトラブルの代表は、クライアントの意向を汲んで作ったはずのプログラムに対して、「こんなはずじゃなかった」となることです。原因はシステム開発やプロジェクト管理といった技術的な話ではなく、ほぼ100%コミュニケーションの問題です。クライアントとのトップや担当者とのコミュニケーション。営業担当者とのコミュニケーション。開発メンバー相互のコミュニケーション。

いかがだったでしょうか。
学生と社会人の3つのちがい。

 学生はお金を払う。社会人はお金をもらう。
 学生は好きな者同士。社会人は誰とでも。
 学生はインプット。社会人はアウトプット。

このあたりを自覚して、日々の言動に注意を払ってみてはどうでしょうか。

意識して態度を変えることで行動が変わります。
行動が変われば習慣が変わります。
習慣が変われば生活が変わります。
生活が変われば人生が変わります。
人生が変われば運命が変わります。

みなさんのご活躍を願い信じて、本日のお話『社会人の心構え ~もう許されない学生時代3つの習慣~』を終わります。

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