他の患者がいる場所で「服を脱げ」???

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
今回の相談事例は・・・、
 
Q/行きつけの診療所では、診察の順番が近づくと、5名くらいの患者が呼ばれて、診察室の一角にある「中待ち」に移動するのですが、男性が近くにいる状況で、看護師から上着をはだけるよう指示されることがよくあります。非常に恥ずかしい思いをしています・・・。70代女性からのお便りです。
 
A/今回は、患者さんのプライバシーがテーマです。お便りのようなケースは、医療機関側も悪気はないのでしょうが、意外によく目にする光景です。都市圏では、女性専用の更衣スペースを設けたり、待機場所そのものを男女別々にする工夫がなされています。
 
他にも、問診室や処置室での看護師とのやりとりが、近くにいる他の患者さんに筒抜けになってしまうことがよく指摘されています。老若男女を問わず、病気によっては他人に知られたくないということはよくあること。こうした気配りが徹底すると、本当の意味で、医療もサービス業と言えるようになるのだと思います。
 

最近、「患者さま第一」のような掲示をよく見かけますが、医師を含め、個々の職員を見ると、必ずしも実践が伴っているとは言えません。医師や看護師にとっては日常的な光景でも、患者さんにとっては、病院に来ていること自体が非日常のことなのです。その心もとなさに敏感になることこそが、「患者さま第一」のはじめの一歩となるのではないでしょうか。

患者の前で職員を怒鳴る医者

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
今回からは、私どもへの相談事例をいくつかご紹介していきたいと思います。まずは、こんなのから・・・。
 
Q/高血圧でお世話になっている診療所で、医師が職員を怒鳴りつけている場面によく出くわす。こちらまで怒られているような感じがして萎縮してしまう。患者にはとても優しいのに…。50代女性からのお便りです。
 
A/診療には、医師だけでなく看護師など他のスタッフも関わります。最近では検査が増え、従来よりもチーム医療の傾向が強まっています。医師と看護師とのやりとりを観察することで、医師のレベルがわかります。看護師に高圧的な言動をしたり、患者さんの前で怒鳴る…。患者さんにいくらにこやかでも、こんな医師は人間的にどこか問題があると言えそうです。
 
長野県諏訪中央病院の有名な医師、鎌田寛氏は、かかりつけ医は『良医』であるべきと言っています。専門的意味合いの強い「名医」と違い、患者さん身近なところで、相談に乗り、励ます姿勢が大事で、そのためにはコミュニケーション能力が重要だと。
 
お便りにある医師は、患者さんがリラックスできる環境を壊してしまうだけでなく、萎縮して、十分な症状等の説明を阻害してしまいかねないという点にまで配慮できていないのでしょう。
 

度々不快な場面に遭遇するようであれば、敢えてその診療所に出向いてストレスを溜める必要もないのでは?長く付き合うかかりつけ医は、幅広い知識に加え、謙虚で人間味のある医師が望ましいのではないでしょうか。

医療や介護の現場でイヤな思いをしないために

こんにちは。 “ジャムおじさん” こと山崎宏です。
 
私どもNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、病医院でイヤな目に遭ったシニア等からさまざまな相談を収集し、患者サイドに立って病医院との折衝に当たっています。
 
昨今は、病医院側にも『医療もサービス業』という認識がだいぶ浸透してきたとは言え、まだまだ表層的だと受け止めざるを得ません。
 
シニアの相談を受けていると、医療福祉の現場で利用者側が被っている不利益には、依然としてかなりのものがあるのだなぁと実感します。例えば、直近3ヶ月の相談例には以下のようなものがありました。
 
●定期健診で血圧が高いと指摘され、それ以来3年以上にわたり、降圧剤をはじめ7種類の薬を飲まされている。「毎日こんなにたくさんの薬を飲まなきゃダメですか?」と聞いたら、『飲まなきゃ死ぬぞ』と脅された・・・
●早期がんが発見され、できれば手術は避けたいと言った途端、医者に叱責され、「言うことを聞かないと死んじゃうぞ」と脅された・・・
●勇気を出してカルテの写しを要求したら、医者が顔色を変え、「あなたは何か勘違いをしている。病気を真剣に治す気がないのか」と怒鳴られた・・・
●診察室の中待ちで、男性患者が横にいるにもかかわらず、衣類を脱ぐよう看護師に強制された・・・
●「夜間でも医療サポートは万全」と謳われている施設の筈が、当直職員がただ救急車を呼んでくれただけ・・・
●救急車を呼んだのに、どこの病院にも受け入れてもらえず、散々たらい回しにされた・・・
●「地域連携」を掲げる病院から、一方的に退院を通告され、転院先を探せと言われた・・・
●医者会に聞いても保健所に聞いても、どの診療所なら往診してくれるかが判らない・・・
 
こんな信じられない光景が、今も全国で頻発しているのです。そして多くの場合、もっとも不利益を被るのが高齢者です。わが国の医療や福祉のシステムや医療における患者の権利について『知っているか、知らないか』。たったそれだけの違いで、夜も眠れないくらい苦悩している高齢者がたくさん存在しているのです。医療を取り上げるテレビ番組が増えたとは言うものの、そこで得たノウハウを実際に行使できる患者はほんのひと握りに過ぎないのです。
 
 「医者が変わるだけじゃダメ。患者も変わらないと・・・」とはよく聞くところですが、具体的に患者が変われるお膳立てが見当たりません。変わるための場や機会がありません。だから私どもが微力ながら活動することにしたわけです。
 
しかしながら、医療福祉の世界は政治が絡みます。それだけに一朝一夕で浸透するものではないと思います。理想論だとして片付ける医療関係者もいます。しかし、だからと言って何もしないというわけにはいきません。
 
老親を抱える長男として、そして社会福祉士として。少なくとも、わが子たちが高齢者になる頃には、必要なときに、必要なサービスを、必要なだけ、円滑に確保できるような医療福祉を実現したいものです。その日に向けて、初めの一歩を私は踏み出すことにしたのです。
 
そしてまずは、患者側が医療福祉の現場で嫌な思いをしなくて済むように、必要な知識や情報を提供していくことを考えました。患者側の聞き取り調査結果に基づき、各地域の病医院や個々の医師、さらには高齢者施設等へのインタビューに取り組んでいます。
 
その過程で、医療改革による診療報酬マイナス改定下で生き残るためには、利用者に対するサービスマインドが不可欠という現実を、医療福祉関係者と少しずつではありますが、コンセンサスが取れてきたように感じているこのごろです。

次回からは、私どもの会員のみなさまから寄せられた、具体的な相談事例をご紹介していきますね。

またまたお医者様にお願い ~カルテの開示~

こんにちは、ジャムおじさんです。
昨日、またまた不愉快な話を聞いてしまいました。中学校以来の友人からの相談です。彼の母上が3年近く通ったクリニックから、新しくできた別のクリニックへ移ろうとしたそうです。なんでも、以前に何かの講演会で話を聞いて、なかなか面白い人だなぁと思っていたドクターが、週に一回、そのクリニックで診療していることがわかったらしいのです。それで、この3年間の経過がわかったほうがいいだろうということで、主だったカルテのコピーをもらいたいと申し出たそうです。
 
が、先方から返ってきた言葉は・・・、
『何の目的で使用されるのですか?』
『当院の治療について、なにか疑問な点でもおありですか?』
『当院になにかご不満でも?』
予想外の質問に、友人の母上は自分の言い方に失礼でもあったのかと驚き、思わず正直に別のクリニックを受診しようと考えている旨を伝え、なにか問題があるでしょうか? と尋ねてしまったそうです。
 
すると・・・、
 『どこの医療機関にかかろうと、それは患者さんの自由です。ただし、カルテをお渡しするには正当な理由が必要です。カルテなど持っていかなくても、普通は診てもらえますよ。問題があれば、そちらの先生から私のほうへ連絡するように言ってください』。
 
これを友人から聞いた私は、一気に血圧が上がっちゃいました。最悪の医者ですよ!
こういうのを一般社会では詐欺というんです。悪徳商法といっしょですね。カルテとはいったい誰のものなのか、この医者は勘違いしています。しかも、現在では患者の求めに応じてカルテを開示する義務が法律で定められています。
 
患者がカルテの写しを要望したら、なにが疑問だ、不満だなどと四の五の言わず提供しなければならないのです。それを本当に知らないとしたら、この医者は100年遅れています。また、知っていて提供しないのであればペテン師と言われても仕方ないでしょう。提供しないだけでなく、「そんなものなくたって診てもらえますよ」と論点をズラしてますよね。これはやっぱり悪質な詐欺です。
 
と同時に、この友人の母上にも苦言を呈したい。なんでそんなところに3年間も通院していたのかと。70年以上も人間をやっていて、人を見る目はないのかと・・・。患者側がこうだから、こういう医者が蔓延るということも言えるのです。
 
しかし、カルテ開示などというテーマが取り沙汰されてから、もう何年になるでしょうか。10年は経ってますよねぇ。だから、医者も医者なら患者も患者だと、私はいつも言ってるんです。どちらもいい加減なんです。もちろん、すべての医者、すべての患者がそうだとは言いません。でも、多いことは確かです。
 
私も自分の母親を見ていて感じるのは、ある程度の高齢になったらやむを得ないのかなぁとも思います。自分がそれぐらいの年齢になったときに、果たして自分の子ども程の若い医者相手に折衝ごとができるだろうかと。そう考えると、やはり医者のほうから歩み寄ってあげるべきなんだと思うのです。
 
とにかく、年末からカルテ絡みの相談が多いんです。なぜに自分自身のカルテをもらうのにそんな大事になるのか。なんで病医院側は簡単に提供してくれないのか。見られてまずいことでもあるのかと疑ってみたくなります。それほどカルテの写しを入手したいのに円滑にいかないという相談が多々あるのです。なんたることでしょうか。
 
さて、お医者様にお願いです。どうか診断結果は書類にして渡してあげてください。患者さんがそのままそこで治療を受けるのであれば、治療方針や見通し、主治医の名前、手術の場合には執刀医の名前、当該手術についての経験や成功率について書いてあげてください。
 
病気を抱えて動転している人間が、お医者様の説明を口頭で聞いてキチンと消化できるはずありません。あとで冷静になってから知り合いのお医者様に相談したくても、素人があやふやな記憶だけを頼りに説明しても、的確な助言が得られないでしょう?
 
増してや大きな手術が必要だというのであればなおさらです。大きな決断を要するときこそ、第二・第三の意見を聞きたいと思うのは当然じゃないですか!自分や家族がそういう立場になったときのことを考えてみてください。
 

どうも、そういう相手の立場に寄り添うといった姿勢が足らないお医者様が多いような気がしてなりません。世間的には偉いとされるお医者様であるならば、なおさらきめ細かな配慮をして欲しいものです。(以上)

全国130万人のがん患者に光を与える、“論より証拠”の免疫療法

 こんにちは。ジャムおじさんです。
 前回の『笑い療法』に続いて、今日はもっともっと広い意味での『免疫療法』について書いてみたいと思います。
 
 さて、昨年より興味深くウォッチしている「ウェラー・ザン・ウェル(Weller than well)学会」なる団体があります。昨年末の大 
 集会(名古屋大会)に続き、今夏のシンポジウムの様子ものぞいてきました。
 
 自ら腎臓がんに侵され、西洋医学から見放されながらも完全治癒を勝ち取った川竹文夫氏。彼が1997年に立ち上げたNPO 
 ガンの患者学研究所は、免疫療法の医学的な根拠を確立すべく、安保徹氏(新潟大学大学院医歯学部総合研究科教授)ら
 とともに、がんからの生還者に学ぶ『日本ウェラー・ザン・ウェル学会』を発足しました。西洋医学に見放されたにもかかわらず
 がんを克服した2千人について、具体的な治癒体験の分析とその体系化を目指して活動しています。

 
 『ウェラー・ザン・ウェル大集会』は、09年6月21日、千代田区の一橋記念講堂で開催され、全国から約500人のがん患者やその家族、元がん患者である“治ったさん”(同研究所ではがんからの生還者をこう呼んでいる)が集結しました。そして、がんの自然退縮を実現させた方々の生々しい体験談を中心に、がんの完全治癒施術法の創始者6名による講演が行われました。
 
 免疫療法の権威で“安保免疫学”の創始者でもある安保徹新潟大教授や、“ゆる体操”の創始者である高岡英夫氏らは、「身体を温め、ゆるめることで免疫力を高めることができる。最初は迷いながらでも構わない。とにかく信じてやってみよう。そしてそれを習慣化していこう」と熱く語ります。その結果としてあれだけ多くの生還者を目の当たりにすると、私的にはどうしても「がん=手術」という既成観念には懐疑的にならざるを得ません。

会場でサインに応じる\"免疫博士\"安保徹新潟大教授

 
 偶然出会った医師がたまたま知っているひとつの治療法に固執するケースはいまでも多いのが実情です。たしかに一般人(患者・家族)の脳裏に“がん=手術”という図式が強く染み込んでいることもあるでしょう。しかし、医師がプロであるならば、手術をしないということも含めて、がんには複数の治療法が存在することを患者にわかりやすく示す義務があるのではないでしょうか。たまたま入局した医局の教授が提唱する治療法のみに固執することなく、他の選択肢についても、個々の医師が学んでおくべきだと思うのです。自身が学んでいないという理由で頭ごなしに否定するだけではプロ失格です。
 
 ガン患者学研究所には、がんを克服した仲間たちがたくさん集まっています。それぞれに悩み苦しんだ時期を乗り越えて、いまは充実した生活を送っています。10数年にわたり日本人の死因トップであるがん。国民の3人にひとりはがんで死ぬのです。全国のがん患者数は130万人にも及びます。そんな、がんに侵されて苦悩するひとたちに、同研究所の活動は希望の光を投げかけていることはまちがいありません。

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NPO法人 二十四の瞳
医療、介護、福祉のことを社会福祉士に相談できるNPO「二十四の瞳」
(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)
お問い合わせ 042-338-1882