がんのこと

こんにちは。アンクル・ジャムです。
今日は、これによって日本人の2人に1人が死ぬとされている病気、『がん』についてです。
厳密に言うと、私的には、現時点で「がんは病気ではなく老化現象の一種かな…」と認識しています。
 
なぜならば、30年以上人間をやっていれば、誰の身体にもがん細胞が発生するものだという話を複数の医師から聞いたからです。それでも若くて免疫力が機能していれば、NK
細胞等によって問題のがん細胞をやっつけてくれるということです。
 
だから、私たちはがんになったらどうしようと不安を抱えながら暮らすのではなく、ストレスを溜めない生活を心がけるべきで、そうすることで免疫力を高めることが可能だという説明に納得したわけです。
 
私が最初にがんについて調べ始めたのは、会員のご主人が末期の腎臓がんになったのがきっかけでした。かなりの本を買い込んで読み漁りました。そのうえで知り合いの医師たちにがん治療に対する基本的な考え方を尋ねてまわりました。
 
さて、私が読んだ本のうち、もっともすんなりと理解できたのが、元フジテレビのアナウンサーであった逸見正孝さんのがん治療に関する論争で有名になった、慶応大学の近藤誠医師が書いた『本音で語る!よくない治療だめな医者』でした。
 
医師が書いた本の多くは、基礎知識を持っていない一般読者が内容を理解するのは難しいと思います。しかし、同著に限らず近藤医師の文章は、素人にも実にわかりやすく書かれていて好感が持てます。まさに腑に落ちるという感じで、読んだ後にすっきり感が得られます。
 
で、近藤医師の結論ですが、「痛くもかゆくもなければ、なるべく医療機関や検査に近づかないこと」という単純ではあるけれど衝撃的なものでした。下手に(医療機関や医師にとって)良い患者になってしまうとどうなるかが詳しく書かれています。
 
さらに、興味深いのが医療者との接し方について、具体的なアドバイスが挙げられていることです。「いい救命救急センターに当たるかどうかは運次第」、「外来の検査で一番危険なのは内視鏡」、「薬を3剤以上処方する医師は要注意」、「風邪のときに処方される抗生物質と解熱鎮痛剤には要注意」などと警告を発しています。
 
肝心のがん治療については、①がんの手術はしないこと ②がん検診は不要 ③抗がん剤は効かない ④本人に告知せよ  とスタンスを明確に言い切っていて気持ちがいい。とくに、逸見政孝氏、山川千秋氏を例にとって、がん手術の有効性に疑問を投げかけた部分は、それまで「がん=摘出手術」と凝り固まっていた先入観を払拭するには十分の説得力がある。
 
まだまだ自分の周囲にがん患者が現れないと、がんについてじっくりと考える人は少ないだろう。それでも、家族や知人にがんが発見されたときのために読んでみてはどうでしょう。
 
実はこの本を、先述の会員のご主人にプレゼントしました。後でご本人から言われたのは、「知りたかったことがわかりやすく書いてあって救われた。あの本のおかげで主治医に勧められた手術を断ることができました」というお礼の言葉でした。また、会員である奥さんからは、「とても良い本をくださって感謝のひとこと。あの本を読んでから、主人の毎日の言動も穏やかになりました。心の拠り所になったみたいです」というお手紙をいただきました。ちなみに、末期がんと宣告されてから3年半。ご本人はいまも穏やかに暮らされています。

脳梗塞のサインを見落とすな!

こんにちは、アンクル・ジャムです。
私の母は一昨年に脳梗塞の診断を受けました。洗濯している途中で、右手が急に利かなくなってしまったのです。昨日、会員の奥様から、ご主人が急に言葉が出なくなり、あわてて病院に駆け込んだところ脳梗塞だと言われた・・・という話を聞きました。
 
で、この脳梗塞ですが、最近では若い人でも発症することが目立ってきました。ミスターこと長嶋茂雄さんは、どこから見ても元気はつらつな方であったにもかかわらず、68歳で脳梗塞にやられましたる。新御三家の西城秀樹さんのときもビックリさせられました。さらに、ミスチルの桜井さんときました。
 
長嶋さんなどは、「日課は朝5時の散歩」「就寝は夜10時」「煙草なんてあり得ない」「風呂では心臓から上は湯につけない」「酒は焼酎のお湯割り1杯かビールをグラス1杯」等々、究極的な健康生活志向者でしたし、健康に良いと聞くと、なんでも積極的に試されていたことは有名です。ゼラチン、アルカリイオン水、ヒノキ、深層水……。最近では、似たようなことを実践している中高年サラリーマンも多くいます。が、しかし、そこまでしても脳梗塞は襲ってくるということです。
 
ですが、完全に血管が詰まってしまって死に至ったり、半身不随や言語障害の後遺症に苦しんだりといった最悪の事態を避けることはできます。そのためには、脳梗塞のサインを見逃さずに然るべき手を打つことが必要となってきます。以下、母の主治医にじっくりと話を聞きました。
 
「脳梗塞の前触れとされる一過性脳虚血発作は、一時的に脳の血管が詰まり脳梗塞の軽い症状が表れるものです。首から目の後ろを通って大脳に入っている頚動脈や、頚椎の中を通って脳幹や小脳に入っている椎骨脳底動脈に動脈硬化があると、そこにできた血栓がはがれて脳に流れ、脳の細い血管を詰まらせるために発症します。長嶋さんのケースのように心臓の拍動がバラバラになる心房細動(不整脈)でも、小さな血栓が脳に飛べば起こり得ます。症状がすぐに消えてしまうのは、いったん血管が詰まっても、血栓が自然に溶けて血流が戻ってしまうからです」。
 
そして、この『一過性脳虚血発作』に気づかなかったり、気づいても放置したりすると、「1,2年以内に発症する率が高い。一過性脳虚血発作の翌日から本格的な脳梗塞が起こることもある」とのことです。以下に、『一過性脳虚血発作』の具体的な症状を示します。
 
■左右どちらか又は両側の手足が、急に動かなくなったり痺れたりする。例えば、手に持っている茶碗や箸を落としてしまう。
■言葉を出そうとしても出てこない、あるいは呂律(ろれつ)が回らなくなる。
■片方の目だけが見えなくなる(一過性黒内障)。
■どちらの目で見ても視野の半分が欠けて見える。例えば、人の顔の右半分が見えて左半分が見えない。
■物が二重に見えてしまう(複視)。
■食べた物を飲み込みづらくなる。
 
『一過性脳虚血発作』の症状の持続時間は、平均で10分から15分程度。長くても1時間以内には消えてしまうというから厄介です。「発作の時間が短いため、疲労のせいだろうなどと軽く考えて放置してしまう人が非常に多い。変だなと思う症状が5分も続いたなら、例え症状が消えても、すぐに救急車を呼んで脳外科や神経内科のある病院を受診するべき」だそうです。病院でMRI検査を受けて『一過性脳虚血発作』と診断された場合には、アスピリンや抗凝固剤などを服用して脳梗塞の発症を予防する治療を受けることになります。
 

今回みなさんにお伝えしたかったは、『脳梗塞の予防には、とにかく自身の身体からくるサインを見逃さない』ということ。今日では食生活の欧米化により、私も含めて動脈硬化が蔓延し、脳卒中の中でも脳梗塞がとくに増加傾向にあります。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、心房細動(不整脈)、心臓弁膜症などが脳梗塞の危険因子と言われています。これらに思い当たる方は、十分に注意が必要です。

もしも診療を断られたら?

こんにちは、ジャムおじさんです。
ついさっき、会員の方からの電話を受けました。病院を変えようと思って出向いた先で、「うちでは診ることはできない。元の先生のところに行きなさい」と、診療を断られたというのです。
 
日本の医療制度の特徴として『フリーアクセス』ということがあります。わたしたちは、日本全国どこの病医院に行って診てもらってもいいわけで、会員制とか一見さんお断りということは一切ありません。大学病院など大規模な医療機関では、紹介状を持たずに行くと別途手数料を取られることはありますが、かかりたい病医院に行けばいつでも治療してもらえるということが日本の医療制度の大原則なのです。
 
ところが、別の医療機関で治療がうまくいかない(あるいは主治医と相性がよくない)から別の病医院に来ているというのに、「それは前の先生がやったことですから、そこで治療を受けてください」などと治療拒否されることが結構あるものです。
 
そんなときは、『先生、医師法に応召義務というものがあって、診療を拒否できないということを人から聞いたのですが』と切り返してみてください。医師法には、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければこれを拒んではならない」と明記されており、これを『医師の応召義務』と言います。
 

ただし、医師には、治療をしても改善が見込めない場合にはそれ以上の治療をしない方針を取ることもできるという裁量権が認められているため、これを理由に治療を断られる場合はあり得ますが・・・。いずれにせよ、もし診療を拒否された場合には、その理由を納得できるまできちんと説明してもらうことが大切だと思います。

病医院とお役所の共通点って?

こんにちは、ジャムおじさんです。
今回も、『患者中心の医療』というものを考えてみたいと思います。
 
今朝も近所の病院の正面玄関前にざっと20名ほどのシニアが群れをなしていました。日本の病医院は開院時間からして融通が利きません。いまの寒い時期ですら、午前8時の開院時刻を待って、多くの患者さんが病医院の玄関前に立っています。こんなことが許されていいのでしょうか。病医院を訪れるのは、すでに身体の弱った人たちです。
 
すべての患者に対して決まった時間を強制する。これは、日本の病院システムの象徴です。決まった昼食時間の強制。決まった消灯時間の強制。決まった面会時間の強制…。いくらでもあります。患者一人ひとりの体調も、日ごろの生活習慣も、家族の事情も、いっさい考慮されません。すべて、病院側の都合なのです。
 
融通の利かない病医院のオペレーションにはお役所に通ずるところがあります。3時間待って、初診がたったの3分。3日後にまる1日つぶして検査を受け、1週間後にまた2時間待って検査結果を聞く。患者はそのたびに仕事を休んだり、子どもを誰かに預けたりしなければなりません。そもそも病院を訪れるのは、身体に不調があるからです。一刻を争う重病人もいます。そういう人たちを何時間も待たせたり、何度も足を運ばせたりする神経がわからない。そして当然のことながら、多くの場合、労いの言葉ひとつすらないのです。
 
これはもう拷問に等しい行為です。本来なら、医療機関こそ、銀行やスーパーマーケットにも増して、利用者の便宜を図るべきなのではないでしょうか。アメリカやヨーロッパの病院と比べ、日本の病医院はあまりにも保守的で閉鎖的です。はっきり言って、遅れています。そして、患者をないがしろにした「提供者側の論理」には目に余るものがあります。日本の病院では患者がバカにされている。そう感じるのは私だけでしょうか。
 

果たしていったい、誰がための病医院なのでしょうか???

面会時間…、さて欧米では?

こんにちは、ジャムおじさんです。
今回も、『患者中心の医療』というものを考えてみたいと思います。
 
ニューヨークにいる親友は、第一子が生まれたとき、24時間、NICUに入室可能と知って、さすがはアメリカだなぁと感動したそうです。おかげで仕事に集中できたし、夜、仕事を終えてからわが子の寝顔を眺めてから帰路につくことが日課になったといいます。実は、カナダでも、オーストラリアでも同じです。これらの国々の病院は「患者中心主義」に基づき、できるだけ患者や家族の要望を受け入れようとしているのです。もちろん、面会客が多ければスタッフたちの仕事の効率性に支障が出るのは、どの国のどんな病院でも同じです。それを承知のうえで、病気の赤ちゃんや未熟児が両親とともに過ごす時間のほうをより重視しているということです。
 
昨年、患者満足経営で有名な亀田総合病院の院長にお話を聞く機会がありました。アイオワ大学病院では、家族は24時間いつでも入院中の子どもに面会できるそうです。父母や兄弟はもちろん、父母が許可した人はいつでも面会できるというのです。駐車場にクルマを置いてから、NICUの新生児ベッドに着くまで、着替えを求められることもありません。これは、全米で普通に見られる光景です。亀田総合病院では近いうちに同様の方式を採り入れるそうです。外来者が普段着のまま赤ちゃんに面会したとしても、通常、赤ちゃんの生命に危険が及ぶことはありません。特別なリスクファクター(危険因子)がある赤ちゃんに限って、隔離等の適当な予防措置が必要ということに過ぎません。
 
亀田総合病院に全国から患者が集まる理由の一端を聞いた思いがします。ちなみに、同院の全職員に課せられている行動指針は、“Say Yes”。この標語は、患者さんからの要望に極力Noと言わないこと、何とかして方法を見出そうとする創意工夫を表しているとのことです。
 

次回も、もうちょっとだけ『患者中心の医療』について考えてみましょう。

新生児との面会時間について…

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
つい最近、中高の後輩で、わがNPOを強力にサポートしてくれているHさん(男性)に、待望の第二子が生まれました。大変元気な男の子で、Hさんもひと安心といったところです。というのも、私どもNPOの活動を通じて、産科も含めた日本の医療に対して、必ずしも100%の信頼を寄せていたわけではないからです。
 
それは、日本の医療システムについてもそうですし、医師をはじめとする医療提供者についても同様です。献身的な医療に身を投じている医師が多数いる一方で、かなりいい加減なことをやっている医師もかなり存在することに気づきはじめたからです。
 
Hさんは積極的に情報収集し、中高の先輩に当たる医師を選びました。直接会話をして人間的に全幅の信頼の置ける医師だと確信したからだそうです。患者と医師の信頼関係は、すべての治療の基本中の基本だといっていいでしょう。Hさんご家族にとって、信頼できる医師をひとり見つけることができたことは、おそらく人生においてひとつの大きな価値になるはずです。本当に良かったと思います。
 
さて、出産絡みのテーマで以前から気になっていることがあります。それは新生児との面会時間のことです。私も経験ありますが、日本の多くの病医院ではNICU(新生児集中治療室)の面会時間を制限しています。たいていは午前中1時間と夕方の1時間程度。本当に不便です。実の父親でさえ、それ以外の時間には愛しい我が子と面会することができないのです。どうしてここまで制限されなければならないのでしょうか。
 
理由は明白です。病医院のスタッフたちが見舞い客の受け入れを歓迎しないからです。見舞い客は通路を塞ぎ、スタッフを質問攻めにします。大勢の見舞い客が四六時中院内をうろうろしているような状況は、忙しいスタッフにとっては迷惑千万なわけです。つまり、面会時間の過度な制限は医療提供者側の便宜を図るために考案されたシステムなのです。
 
次回も、『患者中心の医療』について考えてみたいと思います。

医者と対峙するということ ~70代女性の膝関節手術を巡って~

今回は、こんなケースを紹介します。

先日、会員さんのお友達が相談があるということで、相談者が入院中の某大学付属病院へ行ってきました。
以下にその内容をご紹介します。

彼女は一ヶ月ほど前、行きつけの大学病院から膝に人工関節を埋め込む手術を奨められたそうです。年明け早々には、手術に先立ち本人の血を1200ccも採るとのことです。入院期間も3週間から1ヶ月と聞かされた相談者は、なんとなく「本当にこのまま手術を受けていいものか」と感じているそうです。

私は直感的に、直接主治医から話を聴く必要があると思いました。そもそも相談者の女性はかなり細く、体重は40kgもなさそうです。つまり、基礎体力があるようには見えなかったのです。そんな70歳半ばの身体から1200ccもの血を抜き取っても支障がないものなのか。それに、ご本人から聞く限り、左膝の痛みの度合い・頻度とも、ここ1年は安定しているとのことでしたので、果たして大掛かりな手術をすることがベストな道なのかどうか確認する必要があると考えたわけです。


いろいろと話していると、主治医が本日の夕方から当直勤務に入るとのことで、成り行きで、いきなり主治医と会話を持つことになってしまいました。18時過ぎ、看護師を通じて主治医への面談を申し入れたところ、15分くらいして、私と同世代くらい(?)でモサァ~っとした感じの主治医(男性)がやってきました。早速、相談者にとっての手術の必要性とリスク、特にかなりの量の採血に体力的に耐えられるものかどうかを尋ねてみたのですが・・・。

果たして、主治医からの説明はこうでした。
①万一に備え、輸血用に本人の血液を1000cc~1500cc確保しておくのが今の標準。
②膝関節手術は技術進歩しており、まず失敗の心配はないと思う。
③手術については、過日患者に対してインフォームドコンセントを済ませてある。


みなさんは、この説明、どう思われますか?
私はこの医者と話して3分もせぬうちに「こりゃ見込みがない」と判断しました。
(1)まず、彼は私の質問にひとつも答えていない。
(2)一般論を持ち出して、患者固有の要因に配慮していない。
(3)まず手術ありきで、手術による副作用や合併症等のリスクに一切触れていない。

主治医が出て行った後、相談者に聞いたところ、「インフォームドなんとかってぇのは何なんですか?」。
これがわが国の医療現場の哀しむべき実情です。こういうのはインフォームドコンセントとは言いません。手術への誘導です。

その後、相談者に対して、私の母がこんな状況下にあったとしたら、彼の上級医に申し入れて別の道を探し始めるという話をしました。それが面倒というのであれば、転院するのもいいでしょうねぇ・・・と。

で、結局は、この相談者の『退院申入れの手続き』、『他の整形外科医の紹介』をやらせていただくことに決まりました・・・。
とにもかくにも、少しでも納得のいかない部分があったら、決して手術なんぞ軽はずみや流れで受けないことです。だって、現時点で取り立てて痛みがないんですからね。

ではまた。

医者の技量が一発でわかる方法とは

私どもの会員はもとより、多くのシニアから頻繁に尋ねられる質問があります。

「私にとっての良いお医者さんとは、とにかく『診立て』がしっかりとしていることです。これってなかなか見分けがつきませんよねぇ・・・。なにか見分ける方法はないものでしょうか」。

まず、ご自分にとっての『いい医者』の定義が明確になっている点がすばらしい!
これって極めて重要なことなのですけれども、なかなかできていない方が多いのです。
みなさんも、是非一度、ご自身にとって『良い医者』とは具体的にいかなる医者なのか、じっくりと考えてみてくださいね。

で、医者の『診立て』。つまり、診断力のチェック方法についてです。
診立てとは、視診・問診・触診によって患者さんを苦しめている症状のもとになる疾患を特定することです。場合によっては検査をして科学的なデータをも判断材料とします。この『診立て』に基づいてそれ以降の治療方針や具体的な処方が決められていきますから、きちんとした『診立て』のできる医者に診てもらうことは極めて重要ということになります。

さて、診立てのできる医者か、できない医者かを見分ける方法があるものでしょうか?
これが相談者の質問です。

結論は、「あります!」。

私の先輩の医者たちが言うには、診立てでもっとも難しいのが風邪だそうです。
従って、風邪の診察をきっちりとできる医者は、技量レベルが高いと思ってまず間違いないそうです。

具体的には、あなたが「風邪かもしれない・・・」ということで診察室に入ったとき、その医者の取る行動を以下のチェックリストに照らしながら観察してみてください。最近では“適当な”診察で済ませてすぐ薬・・・という医者が多い傾向がありますが、最低7点取れれば、そんなにいい加減な医者ではないと思っていいでしょう。

【診立てのできる医者を見分ける10のチェックポイント】 

患者の訴えを注意深く聴き、目をよく見て話をする
症状、特に熱と咳について、いつ頃から症状が出たのか、症状に変化はあったか、また、数ヶ月遡って、同様の症状があったかどうかを尋ねる
食欲や下痢・便秘の有無、尿が正常にでているかどうかを尋ねる
痛む箇所があるかどうか尋ねる
患者を寝かせた状態でお腹を触り、痛みの有無を確認し、聴診器で腸の動きをチェックする
聴診器を胸と背中にしっかり当てて呼吸音を確かめる
喉の奥をよく覗き、首のまわりのリンパ節に触れる
薬は基本的に要らないものである旨伝えたうえで、患者と協議した上で必要と判断した場合のみ、最小限の薬を処方し、副作用を含めた説明をしっかり行う
症状が悪化した場合、あるいは3日程度経過しても好くならない場合は再受診を指示する
再受診の場合は、風邪以外に考えられる疾患について十分に説明し、必要な検査を行うか、然るべき施設を紹介する

ちなみに、最悪のパターンもご紹介しておきましょう。もしもこんな医者に当たったら、二度と行くのはやめるべきです。ハッキリ言ってお金と時間の無駄ですから。

【典型的なチャラ医(チャランポランな医者)の診察風景】 

患者 喉が痛くて、熱もあるんですが・・・。
医師 熱はいつからですか?
患者 昨日の夕方からです。38度近くありました。
医師 口を開けて下さい。あっ、もう少し大きく。
患者 あ~ん
医師 喉の奥が赤いですねぇ。咳は出ませんかぁ?
患者 とくに・・・
医師 風邪でしょうねぇ。お薬を出しておきましょう。抗生物質と喉の痛み止め。
    あと頓服薬も出しておきますから、熱が上がって辛いようであれば飲んで下さい。
    水分と栄養をよく摂って、安静にしていれば心配ないでしょう。
患者 あのぉ、実は胃があまり丈夫ではないのですが・・・。
医師 そうですか。では、胃薬も一緒に出しておきますね。
患者 ありがとうございました。

検査を受ける際の理想的なやりとりは?

こんにちは。
ジャムおじさんです。

さて今回は、検査を受けるときに、医者とこんな会話をすることが望ましいですよ・・・というサンプルをご紹介します。 


もしも、現在なにかしらの検査を控えていたり、勧められている方は、ぜひ参考にしてみてください。
で、あなたの質問を面倒臭がったり、あいまいな返事しかもらえない場合には、速やかに病院を代える勇気を持つべきでしょう。
 

患者  こちらの病院では、心臓カテーテル検査を年間何例ぐらい行っているのですか?
医師  そうですねぇ。年間600件程度でしょうか。
患者  それは、一般的には、多い方なんですか?
医師  施設の規模にもよりますが、うちぐらいの病院では多い方だと思いますよ。うちは、3人の医師が交代で担当していま    
     すから、ひとり平均200例ぐらいです。●●先生をはじめ、みな経験5年以上の経験があるベテランですよ。
患者  そうですか。過去に大きな事故などが起きたことがありますか?
医師  偶発症といって、一定の確率でトラブルが起きる可能性はありますが、幸いこれまでは患者さんが亡くなるような重大
     なケースはありませんでした。
患者  検査中に何かトラブルが起きた場合の備えは問題ありませんか?
医師  副作用やトラブルとしてはこんなものが考えられます。うちでは経験していませんが、検査中にカテーテルが血管を突
     き破ったり、裂け目を作ってしまうなどです。 けれども、万一の場合には、心臓外科としっかりと連携を取っているの
     でご安心いただいて結構です。
患者  具体的に、どのような連携なのでしょう。
医師  はい、心臓カテーテル検査を行う場合には、必ず心臓外科医のスケジュールを確保しておくようにルール化していま
     す。不測の事態があったとしても、心臓外科医が不在で手の打ちよゔないということが決してないようにしています。
患者  ありがとうございます。はっきりと聞くことができて安心して検査を受けられそうです。

こんなすばらしい対応をしてくれるお医者さん、どこかにいないものですかねぇ・・・。

さいごに、胃の検査を受ける際の注意事項を3点挙げておきます。
日本人の死因のトップである胃がんの他、胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍など、胃は「成人病の巣」です。

よって、当然検査を勧められる機会が多くなりますが、ここで気をつけておきたいことは・・・。
 ①集団検診でのレントゲン撮影には過度の期待をしない。
 ②胃カメラの消毒や感染予防の具体的な対応を確認する。
  (胃カメラ後急性胃炎、MRSA、肝炎ウィルス)
 ③胃カメラ検査前に服用する鎮痛・けいれん止めの薬は、緑内障の人は特に注意!急激に眼圧が上がる等の発作が日本消化器内視鏡学会より報告されています。

ではまた。

具体的な検査方法の確認とは

こんにちは。
ジャムおじさんです。
 
さて、今回は検査を勧められたときに、事前にこうやって確認してください・・・というお話をします。 
以下の質問をしてみて納得のいく説明が得られなかったとしたら、その医療機関で検査を受けるのはやめたほうがいいと思います。
<検査方法を具体的に聞き出すときの質問> 
●どのような方法で行うのですか?
●痛みはありますか?
●危険はありますか?
●どのくらい時間はかかりますか?
●事前に守らねばならないことはありますか?
●検査後の日常生活に支障が出る可能性はありますか?
 
また、検査を円滑に行うため、あるいは詳細な結果を出すために、事前に注射や投薬をする場合がありますが、副作用が生じてその後の日常生活に支障をきたす可能性もありますので注意が必要です。
 
<検査前に注射や投薬をしますと言われたときの質問>
●何か副作用が出る可能性がありますか?
●副作用が出た時にはどうすればいいですか?
●もし副作用が出た場合には、どれくらいの時間でもとに 戻りますか?
●急性薬剤アレルギーが出たときに、5分以内に気管内挿管してもらうことが可能ですか?
 
なお、気管内挿管とは、直接気管にチューブを挿入して肺に酸素を送る心肺蘇生法のことです。心臓が停止して4-5分すると脳は致命的なダメージを受けてしまいますが、それを回避するもっとも効果的な方法が気管内挿管です。
 
日本消化器内視鏡学会の調査によれば、1983年からの15年間に、胃カメラ等の前処置の際のショック症状で189人の方が亡くなっています。案外気軽に受け止めている内視鏡検査で、それも前処置の段階でこんなに多くの死亡事故が起きているのです。万一の場合の対応が整っている医療機関でなければ、とても恐ろしくて検査など受けることができません。

次回は、検査を受ける際の医者との理想的なやりとりをご紹介します。

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