認知症患者の口座名義の書き換え(生前贈与)

【概略】

前川吾郎さん(仮名:55歳)は、母親の菊枝さん(78歳)と二人暮らし。昨秋、吾郎さんの携帯に菊枝さんから連絡が入りました。家に空き巣が入ったようで、通帳・印鑑・カードすべてが持ち去られているというのです。仕事を切り上げた吾郎さんが戻ってみると、家中のものがひっくり返されて散乱していました。菊枝さんがなくなったと言っていたのは、4つの金融期間の通帳(定期・普通それぞれ4冊)とキャッシュカード、それに印鑑。それ以外にも、家屋と土地の権利書、生命保険の証書です。

菊枝さんの話を改めて聞いた上で探索した結果、ほとんどのものがキッチンの食器棚の引き出しから出てきました。しかし、通帳のうち半分とキャッシュカード2枚が見つかりません。権利書は吾郎さんの父親が亡くなった際に吾郎さん名義に変更しており、書類も吾郎さんが管理をしていましたので、その旨を菊枝さんに伝えました。「ええっ?そうだったっけぇ?」という菊枝さんの反応を、そのときは吾郎さんも気に留めませんでした。それよりも、見つからない通帳について金融機関に紛失届と口座の停止をしてもらうことに意識が向いていたからです。

翌日会社を休んだ吾郎さんは、菊枝さんを連れて銀行回りをしました。預金者本人である菊枝さんが居るわけですから、さして面倒なことはありませんでした。と、行員の方とお話をする中で、菊枝さんが「もう歳だし、また紛失したりするといけないから、これを機に、全部吾郎が管理してくれたらたすかるんだけどねぇ」と言ったのです。すると行員も、「ああ、それでしたら安心ですよねぇ」という流れになり、家に戻ってから吾郎さんは菊枝さんの意思を確認し、すべての預金を吾郎さん名義に変更しようという方針が決まったのでした。


まずは定期預金。4つの金融機関を併せて3千万円。これを菊枝さん名義から吾郎さん名義に変えるには、いくつかのステップを踏まなければなりません。まず、菊枝さんが定期預金の解約をする。相当金額を菊枝さん名義の普通口座に入金する。吾郎さんは、毎年110万円ずつ、菊枝さんの普通口座から吾郎さん名義の普通口座に振り替える。

要するに、この行為は生前贈与に当たり、年間110万円を超えてしまうと贈与税が発生してしまうわけです。そんな無駄なお金は使いたくないというお二人の意向に基づき、こうなったわけです。普通口座ですが、こちらは吾郎さんが菊枝さんのキャッシュカードを使って振り替えればいいだけの話ですが、厳密に言うと、親子間であまり頻繁に振り替えが発生するのは望ましくありません。税務署は、明確な調査の意思さえあれば、特定個人の金融機関の取引履歴にアクセスができるからです。

3千万円程度の金額であれば目立ちはしませんが、将来的に何かのきっかけで調査が入った場合には民法に抵触することになるからです。ちなみに、税務署が調査に入るきっかけとしては、知人友人やご近所のチクリが結構あるそうです。親の預金が入ったからといって急に羽振りがよくなったり、安易に他言したりすると、やっかみ半分で税務署に密告する輩がいるということです。なんかいやな話ですよねぇ。


【対策】
本題に戻すと、親子の合意さえあれば、被相続人が元気なうちから相続人に少しずつ預金をシフトしていくのが得策です。吾郎さんは一人っ子だったためもっとも円滑にいくケースでしたが、仮に子供が複数いたとしても、被相続人が若いうちのほうが子供たちも近隣で生活している可能性が高いので、いずれ遺産相続されるまで待つ必要もないのではありませんか?

もしも預金総額が多くて年間110万円ずつ口座振替するのが面倒だということであれば、ドーンと現金で引き出しちゃう。特に定期の解約は理由を聞かれますから、『老人ホームに入ることになりまして』というのがポピュラーでしょうか。で、現金で未来の相続人である子供たちに渡しちゃう。子供たちは、それを何回かに分けて、臨時収入があったことにして普通口座に順次預金してもいいし、定期預金を組んだり、保険商品に入ったりするも良し。


【ポイント】
吾郎さんに災難が降りかかるのは、菊枝さんの預金を順次振り替え始めて3ヶ月ほど経過したころでした。菊枝さんから頻繁に携帯に連絡が入るようになり、「家に泥棒が入った」「通帳と印鑑を落とした」「私の通帳とかが入ったバッグを知らないか」「あなた、まさか、私の通帳を勝手に持っていったんじゃないでしょうねぇ」ってな具合になったのです。仕事の合間に医療機関の『物忘れ外来』を受診した結果、菊枝さんが認知症であることが明らかになりました。吾郎さんは今でも、菊枝さんからの携帯連呼、夜中の問いただしに悩まされていますが、そんなことはさしたる問題ではありません。これは吾郎さんにとって非常にラッキーだったのです。

つまり、こういうことです。仮に菊枝さんの認知症確定診断の後に金融機関を回っていたとしたら、そう簡単に菊枝さんの預金を解約したり引き出したりはできなかったからです。逆に言えば、行員の前で「母が認知症でお金の管理ができないので」などと余計なことを口走らないことです。まとまった金額を解約したり引き出したりするには、どうしても預金口座名義人である母親との同伴は必須です。状態のいい頃合を見計らって金融機関に出向くことです。


認知症という病気は、物事の判断や意思決定能力ができないと見なされます。よって、認知症の方の預金口座の扱いには、家庭裁判所にて成年後見人を選任してもらい、この成年後見人などの代理(同意)の元で諸々の手続を進めなければなりません。成年後見人の選任手続には数ヶ月の期間がかかる上、基本的に10万円以上の費用も発生します。非常に厄介です。


老老相続が増えてくる世の中においては、相続人が認知症というケースも増えてきます。中には相続人の署名や押印を偽造して遺産分割協議書を作成しようとする人もいますが、これは明らかに犯罪行為。認知症の相続人がいる場合には、成年後見制度の利用は必須となります。

遺産分割に係る一般的なトラブル

【概略】
山岸智恵子さん(仮名:90歳)には、ふたりの娘さん(65歳、61歳。いずれも未婚)がいました。昨春に千恵子さんが亡くなられ、相続が発生しました。病床につくまで非常に活動的で心身ともに健康であった智恵子さんは、遺言作成はおろか、遺産分割の検討も全くしていませんでした。

ただ、長女のAさんはNPOの会員でもあり、智恵子さんとおふたりで顔を出される機会も多く、「何かあったら後はすべてAに任せる。Bは四国へ行ったきり音沙汰もないから」と口にされていたのを私どものスタッフが記憶していました。そこで私がAさんの相談に関わることになりました。まずは、現状認識をしてもらう必要があるのでおおまかな財産評価と相続税額の計算をし、Aさんの希望によりBさん(相続人はお二人のみ)にこれを伝えました。お住まいはあまり都市化されていない地域で、好立地とも言えないため路線価は低かったので、相続総額は2千万円ほどになりました。うち預金等の現金は200万円程度しかありません。

Aさんの考えにも配慮した上で、Bさんへの報告のなかには、「家屋と土地の一切はAさんが相続し、本家を維持するためのコストを鑑み、預金は折半する方向で考えたい」と記載しました。が、しばらくするとAさんに対し、Bさんから、『私には現金で1,000万円を支払って欲しい』と通知が届いたのです。相続人はAさんBさんのおふたりだけでしたから、法に定められた相続分を請求して来た訳です。


このケースの問題点を考えると、Bさんには2千万円という結論しか見えておらず、単純に(2千万円×1/2)という計算をした、ということです。魅力的な立地でない上に不動産市場も芳しくない時期であることを考えれば、売ろうにも売れないというのが実情です。明らかにBさんは現実が見えていませんが、実は相続人とはこういうものかも知れません。それでは、なぜBさんには現実が見えなかったのでしょうか?

簡単に言うと、Bさんには何の予備知識もなく、いきなり2千万円(あくまでも評価額)を見てしまったのです。私どもの会員の中にも、『相続財産の価額を子供たちに教えると、子供たちが当てにしてしまうから』という方がいるのですが、これは違うと思います。親が遺産分割案(想定している相続の配分)をきちんと子供たちに伝えていれば、財産価額を教えても問題にはなりません。子供たちは分割案に書いてある自分がもらえる分までしか当てにしないはずです。

逆に、分割案がないとすれば、民法で決められた相続分を当てにしても不思議ではありません。これでは、子供たちの争いの種を作るようなものです。また、分割内容についても、特定の子供がもらえる財産が極端に少ないなどということがなければ、あるいは、親の遺志を理解することができれば、多少財産が少なくても納得するものだと思うのですがいかがでしょうか。


【対策】
遺産分割の話し合いがまとまらない。つまり、いわゆる「相続争い」や「遺産争い」には、だいたい下記のような原因が存在しています。
■遺産の内容を自分に教えてもらえない
■遺産の内容について、相続人同士の認識が食い違っている
■遺産分割の割合に納得いかない
■自分の欲しい財産がもらえない
■相続人以外の人が遺産分割に割り入って、かき回している
■寄与分や特別受益を主張する人がいる
■感情的になってしまっている

こんな場合の対処法ですが、まずはしっかりと遺産調査を行うことです。具体的に言うと、『故人名義預金口座の残高明細及び取引経過の開示請求』を想定される金融機関に行うことです。かつては金融機関から、「共同相続人の一人に被相続人名義の預金口座の取引経過を開示することは預金者のプライバシーを侵害し、金融機関の守秘義務に違反する」として拒否されることがありました。

しかし現在は、民法の改定がなされ、相続人は被相続人名義の預金口座の残高明細及び取引経過の開示を単独で請求出来ます。他の共同相続人全員の同意がないことは上記権利行使を妨げる理由にはなりません。金融機関の担当者によっては、このことを認識していない場合もありますが、まちがいありません。これが明らかになることによって、遺産の内容をしっかりと共有できさえすれば、遺産分割協議の第一歩を踏み出すことができます。


遺産調査の後は、2つの進め方があります。ひとつは、「話し合いでの解決を目指す方法」。
もうひとつは、「裁判手続により進める方法」です。

話し合いでの解決を目指す場合、どうしても方法遺産分割の基準となる法律を知らないために協議が進まないケースが多くみられます。しかし、仮に調停や審判になってしまった場合の弁護士費用は、遺産総額の数%~十数%にもなります。遺産総額が数千万円なら、弁護士費用だけで数百万円にもなる計算です。非常にもったいないですよね。また、協議が調わなくて家庭裁判所の審判になる場合、基本的には法定相続分を基準に分割される場合が殆どです。つまり、当事者がお互いに意地を張るだけ時間の無駄ということです。

■仮に弁護士に頼んだ場合の裁判費用は、非常に高額になる
■弁護士に頼んでも、結局は法定相続分での分割になる可能性がある

という前提を踏まえれば、冷静に話し合って譲るところは譲ったほうが、お互い時間もお金もかけなくてすみますよね。こうしたことを丁寧に根気よく説明することで話し合いがまとまるケースを多く見てきました。

しかしながら、ある程度の説得を試みてもどうしても相手方相続人が納得しないという場合には、いよいよ裁判手続をもって強行的に進めるしかなくなります。裁判手続を進める場合には、大きくは3つの方法が考えられます。

■自分でやってみる
■司法書士に書類作成を頼んでみる
■弁護士に代理を頼んでみる

証拠もあって、客観的にあなたが正しい事案なら、わざわざ弁護士に依頼するまでもなく、弁護士または司法書士に書類作成を依頼すれば勝訴できる可能性があります。しかし、証拠がない事案や、判例でもどちらの言い分が正しいのかが微妙な事案では、最初から弁護士に依頼したほうが良いでしょう。

いずれにせよ、遺産分割がまとまらずにお困りの場合には安易な行動をせず、まずは信用のおける専門家に相談してみることです。独断専行で相手方に安易に連絡を取ってしまうと、その発言や送付物が原因で裁判に負けてしまう可能性もありますからご用心ください。

【ポイント】

このケースを受けて、私どもでは、(死を予感するまで待つことなく)元気なうちにこそ、遺言の作成をお勧めしています。極端な話、『子供たちが困らないように』という理由のみならす、『最後に言いたいことを言ってやる』とか、『私の面倒を見てくれない子には財産はあげないわよ』といった意思表示でも構わないと思います。遺言を残そうという意思を明確にすることで、否が応にも遺産分割案を考えなければならなくなります。

これさえ整理できてしまえば、遺言状という形をとらなくとも、家族会議のような場でお考えを明確に伝えることができるはずです。が、経験則からいくと、やはり書面にしたためておくほうがベターかもしれません。どんなに仲がよく見える身内であっても、いざお金の話になるや腹の探りあいやら諍いやらが起きてしまうものですからねぇ・・・。


なお、遺言状の作成を検討する段階で、やはり気軽に相談のできる専門家の目星をつけておいたほうがいいでしょう。効力のある遺言のためには、やはりお作法というものがありますからね。法律のプロであれば、弁護士よりは司法書士。司法書士よりは行政書士のほうが敷居も低く、費用も安いというのが一般的です。あとは社会福祉士。彼らは、医療・福祉・葬儀・法律・お金など、長生きしていれば誰しもが通る道についてのゼネラリストです。相談の最初の入口としては最適かもしれません。概ね人当たりもいいし、法外な相談料も要求しませんからね。

故人の銀行口座の解約・引き出し

【概略】
「この口座は○○さま名義のご預金であるため、○○さまが亡くなられたということであれば、謄本等を揃えていただいて相続の手続をしていただく必要がございます。大変申し訳ないのですが、今この場でお引き出しいただくことはできかねます」。
大手都銀の郊外支店の昼下がり。他界した実父の預金口座から現金を引き出そうとするも叶わず、行員に食い下がる初老男性の苛立った声がむなしく響いていた・・・。

この男性は長谷部直樹さん(仮名)65歳。94歳で他界した実父・恒美さん(仮名)が息を引き取った介護施設のクローゼットから件の銀行の預金通帳と印鑑が見つかった。残高は約70万円。葬儀等、当座の費用にこれを充てようとしたのだが、父の死亡を伝えたところ行員から「待った」がかかったのだ。行員の埒の明かない対応に、直樹さんの声が次第に大きくなる。

「なんで自分のお金が下ろせないんだ?必用な時に下ろせないなんて、銀行の意味がないでしょ? だいたい、預金をする時にだってそんな説明聞いてないぞ!何とかしてくれよ!」

「申し訳ありません。お亡くなりになった方の名義の預金口座を解約するには、これからご説明する書類を揃えていただく必要があるのです。まず、亡くなられた方の戸籍謄本をお生まれからお亡くなりになられた時まで時系列にわかるようにご用意ください。何度か本籍を移されている場合には、その全ての戸籍謄本が必要になります。それから・・・」


「なんでそんな面倒なことをしなきゃならないの。このお金は親父が、葬式の費用にって残してくれたものなんだよ。ここに届出印と通帳があるんだから、すぐに解約してくれたっていいでしょお!」

「誠に申し訳ありません。所定の書類をご用意いただかないと、お引き出しもご解約もできないのです。」

「田舎から謄本を取り寄せたりしてたら何日もかかっちゃうでしょ。長いこと入院していたから病院への支払いもあるし、いろいろな事情があって、今日どうしても必要なんだよ。親父が残してくれたお金を銀行が勝手に取り上げる権利なんてないでしょ!他に立て替えるお金もないのよ。私にサラ金から借りて来いとでも言うのか!」

【対策】
直樹さんが行員から揃えるよう伝えられたのは、・故人の除籍謄本または戸籍謄本(法定相続人の範囲がわかるもの)・法定相続人(全員)の戸籍謄本 ・法定相続人(全員)の印鑑証明 ・故人の実印 ・故人の預金通帳・届出印・キャッシュカード ・手続きする方の身分証明・・・である。

現役時代には中小企業ではあるものの総務課長を務めたこともある直樹さんは、無駄な費用をかけないようにと翌日から奔走した。が、新潟で生まれ、静岡・栃木・東京と転々とした恒美さんの戸籍謄本集めでギブアップせざるを得なくなった。NPOの会員から直樹さんの相談に乗ってあげて欲しいと依頼され事情を聞いてみると、相続対象は直樹さんの他には90歳の実母のみであった。

遠隔地の自治体から郵送で戸籍謄本を入手することも考えたが、自宅と土地も恒美さん名義であることが判明。不動産まで含めた相続財産すべての名義変更を一気に片付けてしまうことを提案した。高齢の母親の意向も確認した上で、一切合財を直樹さん名義にすべく、然るべき行政書士をご紹介した。結果的には、相続財産の合計が2,000万円強。行政書士への支払いは10万円ちょっと。他に、役場に納める戸籍取得手数料、登記にかかる登録免許税、郵送代などの実費が発生した。


【ポイント】
要するに、故人の預金口座をいじろうと思ったら、踏まえなければならないルールがあるということを知っておけばいいだけの話だ。被相続人と日ごろ接触がなく、死んで初めて預金の存在を知ったなどというケースであれば、銀行なり郵便局なりにガイドを仰ぐしかないのは当然である。

逆に、生前から被相続人と良好な関係があるのであれば、代理で預金の引き出しに出向くこともあろうというものだ。キャッシュカードの暗証番号さえわかっていれば、何も被相続人が亡くなったからといって即効で銀行にその旨伝える必要もない。当座必要となるお金は、それまでと同様に引き出せばいいだけの話である。ただし、定期預金の場合は簡単には引き出せない。やはり、最初から所定の手続きに則って動くべきだろう。

いずれにせよ理想形は、被相続人が元気なうちからすべての資産について引き継いでおくことだろう。タイミング的には、被相続人が現役引退したとき、65歳になったとき、子供が成人したときなどがきっかけになる。資産を継承するだけでなく、被相続人の月々の生活費の金額と受け渡し方法についてもきちんと話し合い、できればその内容を録音または書面に残しておく。私どもの会員には、今夜から即刻、相続対象の子供たちを集めて資産分割の基本方針を話して聞かせなさい、と口をすっぱくして伝えています。

ボケたらあかん

実は・・・。
昨年夏におふくろが認知症の確定診断を受けた。
アルツハイマー病。
一昨年の秋に逝った父に続いて、だ。

おやじの場合は暴力や徘徊などの問題行動があった。
それを2年間、自宅で介護したおふくろのストレスは相当なものだったはず。
それがいま出てきたのだろうと思っている。

で、おふくろは暴言だ。
同じことを何度も繰り返すのに加え、信じられないような言葉を吐く。
いちばん身近な存在である私に対して。
信じられない。やるせない。
病気のせいとわかっていても、やはり苛立たずにはいられない。
NPOの活動を通じて多くのシニアと接しているが、他人と身内ではやはりちがう。
冷静ではいられない。

おやじのときはまだ冷静でいられた。
不可解な言動があっても毅然と抑制し、落ち着かせることができていた。
しかし、幼少時からの接触密度が濃かったせいか、逆におふくろに対しては感情的になってしまう。

今日こそはすべてを受容して、にこやかに笑顔で向き合おう。
そう言い聞かせながらも、数分後にはやはり刺々しいやりとりになってしまう。
申し訳ないし、気の毒だと思う。

しかし、人格が変わってしまったおふくろにつきあうことの怖さを覚える自分がいる。
おやじの相手をしてストレスを溜め込んだおふくろ。
そして近い将来、こんどは私がそうなってしまいやしないかという怖さである。
となれば、私の子どもにストレスを撒き散らしてしまうのではないか。

そう考えると、私自身、精神的にはおふくろと距離を置くしかないと考えるようになった。
本来ならば気持ちの上でも寄り添ってあげたいとは思う。
しかし、あきらめた。
もう気力がない。
あきらめて、割り切って、距離を置くことにする・・・。

がん3大療法の真実(後編)

こんにちは。ジャムおじさんです。前回からの続きです。
ご本人了解のもと、相談事例としてご紹介しています。
 
乳がん再発で相談の電話をしてきた女性は独身で30代後半。大手コンピューターメーカーの総合職に就いています。彼女の話を聴いていると、発症前の1年半ほどの期間、同じ仕事に携わっていた派遣社員2人がリストラされ、彼女が受け持つ仕事量が急激に増えていたことがわかりました。結果的に毎日残業続きで、休みも取れず睡眠も極端に減ってしまったようです。1年近くは必死で持ちこたえたものの、もうどうにもキツくて上司にかけあい始めた頃に、左の胸にしこりがあるのに気づいたとのことでした。
 
そして…、責任感が強く、なまじ仕事がデキるこの女性は、術後3ヶ月目から職場に復帰しました。当初は周囲の気遣いもあったようですが、いつしか以前のような残業過多の生活に逆戻りして今に至っています。
 
私は、「もし自分が彼女の身内であったとしたら、現在の仕事との向き合い方を考え直す時期に来ているのではないか…と言うと思います。もちろんいろいろと事情はあるかも知れません。しかし、私的には、1時間あなたの話を聴いてみて、そこにがん再発の原因があると感じました。その原因をクリアしない限り、また同じことの繰り返しのように思えます」と伝えました。
 
受話器の向こうから、彼女のすすり泣くのがわかりました。しばらく黙っていると、涙声が聞こえてきました。
「こんな時間にごめんなさい。見ず知らずの私なんかの話をこんなに聞いていただいて…。なんかお話しているうちに、私自身が相当強がって無理をしてきたのだなぁと思えてきて、涙が止まらなくなっちゃいました…」。
 
私は、彼女自身も彼女の身体も、非常に可哀そうな何年間かであったはずだというようなことを伝えました。そして、必要であれば、今後の対応について相談できるようなドクターを紹介すること、お目にかかって相談の時間も取れることも。
 
「非常識な時間に、こんなに話を聞いていただいてありがとうございました。ちょっとこれからのことを考えてみる気持ちになりました。お電話するまでは、仕事の帳尻合わせばかり気にしていたのですが。たぶん、近々また連絡させていただくかと思いますが、その節にはどうかよろしくお願いします。」
 
実に仕事のできそうな感じの喋り方で、だからこそ、なおさらがんを引き起こしてしまいやすい素地があったのではないか…。そんな気がしてなりません。
 

次回は、3大療法の中でも特に問題の多い抗がん剤について、その驚愕の真実をご紹介したいと思います。

がん3大療法の真実(前編)

こんにちは。ジャムおじさんです。
今回は、ご本人の了解を得た上で、がん再発の相談事例をご紹介します。ちょっぴり重たいですが、よかったら読んでみてください。
 
夕べの深夜3時頃、突然の電話で起こされました。事務所の代表電話は、いつもであれば、22時から翌10時まではコールセンターに転送をかけておくのですが、昨夜はたまたま事務所で遅くまでモノを書いていたため受話器を取ることができたわけです。まぁ、こういうのも相談者と私との不思議なご縁だと思います。声の感じでは、まだ若い女性でした。
 
「約1年前に乳がんの手術をしました。すっかりきれいに取れたからもう大丈夫、と言われたにもかかわらず、先日の検査で転移が見つかったと告げられました…」
 
暗く落ち込んだ声で彼女は言いました。聞いてみると、再発予防の抗がん剤もしっかりやっていたとのことです。本人はすっかり安心していたそうです。それが急転直下、奈落の底に突き落とされて、茫然自失となりながらもインターネットでこれから取るべき道を探していて『二十四の瞳』に電話してくれたのです。
 
私は約1時間、彼女の話を聴き、また、質問されたことや伝えたいことをお話しました。その内容は以下のようなものです。
 
●がんをすべて除去し放射線や抗がん剤でフォローしても、数年後に再発・転移が見つかるのはよくあること。
●がんの3大療法は、目に見えるがんを取り除くものであって、がんを引き起こした原因には手をつけられない。
●根本原因を潰さない3大療法はニキビを潰しているようなもの。しかし、ニキビとちがって3大療法を繰り返せばそれだけ身体が衰弱し生命を落とす確率が高まる。
●がんが発見されたときの生活を繰り返してはいけない。自分の生活習慣の何がいけなかったのかを真剣に考え、それを悔い改めない限りがんは再発する確率が高い。

●がんの3大療法とは、単なる時間稼ぎのための応急処置でしかない。

(次回に続く)

脳血管性認知症の自覚症状

こんにちは。アンクル・ジャムです。
今回は、『脳血管性認知症』の自覚症状についてお話します。
 
●昔のことは思い出せるのに、最近のことが思い出せない。
●趣味の世界に興味がなくなった
●時空間の感覚があやふやになった
●計算が苦手になってきた
●物忘れをしても気づかないことが多い
●セックスで愛撫をするのが億劫になってきた。
 
思い当たる方は、専門医の受診をお勧めします。
ただし、安直に大量の薬を飲むようなことは控えてください。
まずは食事を中心とする生活習慣の改善に取り組むようにしてください。

肝臓病の自覚症状

こんにちは。アンクル・ジャムです。
今回は、『肝臓疾患』の自覚症状についてお話します。
 
●身体かだるい
●手足のむくみ
●酒がまずくなった
●食欲不振
●吐き気
●腹の張る
●身体がかゆい
●皮膚が黒ずんできた
●目が黄色くなってきた
●手の平に斑点ができる
 
思い当たる方は、専門医の受診をお勧めします。
ただし、安直に大量の薬を飲むようなことは控えてください。

まずは食事を中心とする生活習慣の改善に取り組むようにしてください。

糖尿病の自覚症状

こんにちは。アンクル・ジャムです。
今回は、お問合せの多い『糖尿病』の自覚症状についてお話します。
 
●口・喉の渇き
●食欲異常
●日常的な空腹感
●頻尿
●オシッコの泡立ちが多く、消えにくい
●視力の低下
●指先の感覚が鈍くなった
●性欲の減退
 
思い当たる方は、専門医の受診をお勧めします。
ただし、安直に大量の薬を飲むようなことは控えてください。

まずは食事を中心とする生活習慣の改善に取り組むようにしてください。

がんの自覚症状

今回から3回にわたって、日本人の死因トップ3である「がん、心臓疾患、脳疾患」を取り上げて、それぞれの病気の自覚症状について整理してみました。手元にある20冊程度の本に書かれている最大公約数をとったつもりです。ご参考になさってください。
なお、概ね65%の方がこれらの病気で亡くなられるのが現代です。
 
まず初回の今日は、『がん』の自覚症状を挙げます。

●食道がん ⇒ 喉のつかえ、冷たいもの・熱いものが喉にしみる
●肺がん ⇒ 日常的な咳、胸痛、肩痛、血痰
●胃がん ⇒ 慢性的な胃もたれ、胃炎、吐血、下血
●肝臓がん ⇒ 倦怠感、発熱、腹痛、黄疸
●大腸がん ⇒ 腹痛、排便習慣の変化、下血
●膀胱がん ⇒ 血尿
●前立腺がん ⇒ 排尿の勢いがない、頻尿、残尿感、排尿に時間がかかる

思いあたる所があれば、一度病院へ出向き専門医の受診をお勧めします。
 

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NPO法人 二十四の瞳
医療、介護、福祉のことを社会福祉士に相談できるNPO「二十四の瞳」
(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)
お問い合わせ 042-338-1882