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社会人としての心構え①

今回から3回にわたって、ある企業の新入社員に対して行った講演の内容をご紹介していきます。
学生と社会人のちがいにフォーカスしながら、『もう許されない学生時代の3つの習慣』について話していきます。

まずひとつめ。テーマは「行動責任~信頼される言動がチャンスを呼ぶ~』です。

結論から言いましょう。
ビジネスシーンにおいては、話すべきことを決めてから話そうということです。

学生時代は学校にお金を払ってました。だから授業中寝ていようが、授業をさぼろうが、自己都合自己責任。さして問題にはなりませんでした。


しかしこれからは、会社からお金をもらいます。どういう事かと言うと、会社とみなさんおひとりおひとりとの間には契約関係があるということです。だから会社が企業として目指す方向性に協調することが義務づけられます。組織の一員として信頼される、然るべき行動が求められます。そして会社の存続発展に貢献することの対価として、給与や賞与を受け取るわけです。

この研修にしても、お金の出所は会社の経費。みなさんの将来に期待しての先行投資です。このことを理解すれば、例え退屈な研修であろうと、目的意識を持って、会社が負担してくれた金額以上の何かを吸収しなくては、という気持ちにならなければ嘘なわけです。

ですから、みなさんが真っ先に実践すべきことは、「私はこの構図をきちんと理解していますよ」ということを知らしめること。要は、信頼を得るための言動を徹底することです。学生時代のように、わかっただけではダメで、周囲がそうだとわかるよう具体的な言動に表すことが求められるのです。この積み重ねが活躍のチャンスを運んできます。

これがないとどうなるか。時間の経過とともに少しずつわかってくるはずです。チャンスが与えられなくなっていきます。さらに、コンプライアンス違反など、企業の社会的責任を著しく逸脱した場合、社会的制裁を受けることだってあります。この危機意識は絶対に持っておく必要があります。これが社会人としての大前提です。

それでは、「信頼される言動」って具体的にはどんなこと?となるわけですが、
ここでザキヤマさん(架空の新入社員)に登場してもらいましょう。入社して間もなくGWというある時、先輩社員がトッププレゼンテーションのリハーサルを土曜日に行うことになりました。

営業所長曰く、「新入社員も積極的に参加して勉強したらいいんじゃないかな」。

その時、ザキヤマさんが一瞬表情を曇らせます。

 「ザキヤマ、どうかしたか」

しかめっ面をしながら沈黙すること10秒弱。ザキヤマさんの口から出た言葉は・・・。


 「いゃあ、申し訳ありません。そこはちょっと旅行の計画が入ってまして・・・」。
次の瞬間、その場の空気が止まり、画像はセピアカラーに変わりました。あの時の白い目線の集中砲火を、ザキヤマさんはいまだに忘れることができません。

教訓です。社会には建前と本音がある。
入社間もない時期、配属先のムードを把握するまでの期間、一定レベルの信頼を得るまでの期間は、スタンダードな言動を心がけましょう。学生気分が抜けないヤツだなどという印象を持たれて得することはありません。

ちなみに、私の経験則から申し上げると、なぜかプライベートの予定が入っているときに限って、間近になって休日出勤や残業の案件が出てくるんですよねぇ。

感じて、考えて、それから話すということです。
「たちつてと」(短絡的に、中枢神経で、つまらないこと、テキトーなこと、突拍子もないこと)で話してはダメよ、ということです。

(続く)

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