NPO法人 二十四の瞳
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誰がための外科手術?


世界に目を向ければ、人体にメスを入れることなくがんを治療する東洋医学的治療という選択肢が定着しつつあります。欧米では東洋医学によるがん治療に対しても保険が適用されるなど、西洋医学を偏重することなく、患者さんにとって本当に望ましい医療を提供しようとする国家としての戦略があります。わが国においても、いいかげんに対症療法的な予算編成はやめて、本当の意味で国民にメリットのあるがん対策を講じてもらいたいものです。

この章のさいごに、
新潟大学医学部教授である岡田正彦氏の言葉をご紹介しておきましょう。岡田氏は、2008年に『がん検診の大罪』(新潮選書)という本のなかで、定期的にがん検診を受けた人たちのほうがそうでない人たちよりも、がん発症率および死亡率が高いという衝撃的な事例を取り上げたうえで、以下のように言っています。

「早期発見されたがんはほとんどが手術されることになるが、その手術自体が死亡に何らかの影響を与えていると考えられないか。患者は手術をすれば当然治るだろうと思っているが、かつて手術の有効性を調べた調査はひとつもない。逆に手術をして治ったと思い込んでいるケースでも、そもそも手術をする必要すらなかったという可能性もある。また、手術後に亡くなった患者について、結局手術をしても手遅れだった…と、説明する医師は多いが、実は手術を受けたことで身体にダメージが与えられ、抵抗力が奪われて死んだ可能性も否定できない。」

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