NPO法人 二十四の瞳
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脳梗塞のサインを見落とすな!

こんにちは、アンクル・ジャムです。
私の母は一昨年に脳梗塞の診断を受けました。洗濯している途中で、右手が急に利かなくなってしまったのです。昨日、会員の奥様から、ご主人が急に言葉が出なくなり、あわてて病院に駆け込んだところ脳梗塞だと言われた・・・という話を聞きました。
 
で、この脳梗塞ですが、最近では若い人でも発症することが目立ってきました。ミスターこと長嶋茂雄さんは、どこから見ても元気はつらつな方であったにもかかわらず、68歳で脳梗塞にやられましたる。新御三家の西城秀樹さんのときもビックリさせられました。さらに、ミスチルの桜井さんときました。
 
長嶋さんなどは、「日課は朝5時の散歩」「就寝は夜10時」「煙草なんてあり得ない」「風呂では心臓から上は湯につけない」「酒は焼酎のお湯割り1杯かビールをグラス1杯」等々、究極的な健康生活志向者でしたし、健康に良いと聞くと、なんでも積極的に試されていたことは有名です。ゼラチン、アルカリイオン水、ヒノキ、深層水……。最近では、似たようなことを実践している中高年サラリーマンも多くいます。が、しかし、そこまでしても脳梗塞は襲ってくるということです。
 
ですが、完全に血管が詰まってしまって死に至ったり、半身不随や言語障害の後遺症に苦しんだりといった最悪の事態を避けることはできます。そのためには、脳梗塞のサインを見逃さずに然るべき手を打つことが必要となってきます。以下、母の主治医にじっくりと話を聞きました。
 
「脳梗塞の前触れとされる一過性脳虚血発作は、一時的に脳の血管が詰まり脳梗塞の軽い症状が表れるものです。首から目の後ろを通って大脳に入っている頚動脈や、頚椎の中を通って脳幹や小脳に入っている椎骨脳底動脈に動脈硬化があると、そこにできた血栓がはがれて脳に流れ、脳の細い血管を詰まらせるために発症します。長嶋さんのケースのように心臓の拍動がバラバラになる心房細動(不整脈)でも、小さな血栓が脳に飛べば起こり得ます。症状がすぐに消えてしまうのは、いったん血管が詰まっても、血栓が自然に溶けて血流が戻ってしまうからです」。
 
そして、この『一過性脳虚血発作』に気づかなかったり、気づいても放置したりすると、「1,2年以内に発症する率が高い。一過性脳虚血発作の翌日から本格的な脳梗塞が起こることもある」とのことです。以下に、『一過性脳虚血発作』の具体的な症状を示します。
 
■左右どちらか又は両側の手足が、急に動かなくなったり痺れたりする。例えば、手に持っている茶碗や箸を落としてしまう。
■言葉を出そうとしても出てこない、あるいは呂律(ろれつ)が回らなくなる。
■片方の目だけが見えなくなる(一過性黒内障)。
■どちらの目で見ても視野の半分が欠けて見える。例えば、人の顔の右半分が見えて左半分が見えない。
■物が二重に見えてしまう(複視)。
■食べた物を飲み込みづらくなる。
 
『一過性脳虚血発作』の症状の持続時間は、平均で10分から15分程度。長くても1時間以内には消えてしまうというから厄介です。「発作の時間が短いため、疲労のせいだろうなどと軽く考えて放置してしまう人が非常に多い。変だなと思う症状が5分も続いたなら、例え症状が消えても、すぐに救急車を呼んで脳外科や神経内科のある病院を受診するべき」だそうです。病院でMRI検査を受けて『一過性脳虚血発作』と診断された場合には、アスピリンや抗凝固剤などを服用して脳梗塞の発症を予防する治療を受けることになります。
 

今回みなさんにお伝えしたかったは、『脳梗塞の予防には、とにかく自身の身体からくるサインを見逃さない』ということ。今日では食生活の欧米化により、私も含めて動脈硬化が蔓延し、脳卒中の中でも脳梗塞がとくに増加傾向にあります。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、心房細動(不整脈)、心臓弁膜症などが脳梗塞の危険因子と言われています。これらに思い当たる方は、十分に注意が必要です。

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