検査を勧められたら・・・? 【検査を受ける際のチェックポイント】
こんにちは。ジャムおじさんです。
ここ数年、各病医院は積極的に検査を励行しています。
経営環境が厳しくなり、医業収入を維持するため…といった側面も否定できません。
ちょっと規模の大きな病院にもなると、痛みを訴えている患者さんを入院させたはいいけれど、肝心の治療に入る前に、検査検査の連続で数ヶ月が過ぎてしまうことすらあるくらいです。
逆に言えば、医者の診立て技術がレベルダウンしたのかなぁなどと勘繰りたくなるケースも多々あります。データ偏重というかなんというか…。
で、今回からは検査についての基礎知識をご紹介しようかと思います。お付き合いください。
さて、治療方針をしっかりと立てるためにも検査は必要です。体のどの部位がどうなっているのかを見極めることは当然といえば当然です。しかし、患者側が知っておかねばならないのは、検査そのものにもリスクがあるということです。例えば、治療前の検査段階でミスがあったら何にもなりませんよねぇ。でもあるんです。そういうことが。
私が検査のリスクについてつくづく考えさせられたきっかけは、1999年の4月に大阪で起きた医療ミスでした。どんな状況だったかというと…。
54歳の男性が食欲不振を気にしていました。時折、みぞおち当たりに痛みも覚え、市販の胃薬を飲みましたが効き目がありません。家族の奨めもあって、大阪市内の胃腸科を標榜している医院にかかることになりました。医者は、問診・診察の後、胃のレントゲン撮影、血液検査、腹部エコー検査を指示。検査の結果、慢性胃炎と診断され、胃薬等をもらって服用するも、症状に改善が見られませんでした。
医者の態度がはっきりしなかったため、一ヵ月後に思い切って大阪府立病院を受診。検査の結果、進行性の胃がんとわかり緊急入院となりましたが、既に手遅れ状態で、同年6月には還らぬ人となりました。
今日の医療では、通常、自覚症状がある場合にはレントゲン検査だけでは不十分で、内視鏡検査(胃カメラ)が必要というのが常識です。それを怠ったがために、患者を苦しめていた真の原因である『がん』を見落とされてしまったというケースでした。
この医療ミスで検査のリスクというものに関心を持った私は、いろいろと調べてみました。すると、胃カメラや大腸内視鏡検査は小規模の医療機関でも日常的に行われていますが、重大な事故が一定の割合で起こっているという事実に突き当たったのです。
日本消化器学会医療事故対策委員会の調査では、過去10年間で、医療機関に責任があり、保険金が支払われた消化器疾患関連の事故例541件のうち、内視鏡に関わる事故は197件。
うち、大腸内視鏡検査に係る事故が144件(73%)もありました。その殆どが、医師が内視鏡の操作を誤って大腸等を突き破ってしまったものだったのです。他にも、検査時に投与する薬が原因で不慮の事態に陥ってしまったケースも散見されました。
つまり、患者側としては、検査というものにはリスクがつきまとうものだという認識を持って、もしも検査を勧められた場合には当該検査の内容やリスクについて事前に確認しておく必要があるということになります。
で、相談者に私がお伝えしていることを整理すると以下のようになります。
1.検査をしますと言われたら、3つの質問をしよう *後述
2.過去の検査データを持参しよう
3.その検査経験がもっとも多い医師をリクエストしよう
4.検査方法を具体的にたずねよう
5.検査前の投薬による副作用を確認しよう
6.心臓病を患っている人や高齢者は、チーム医療ができる医療機関で検査を受けよう
7.検査結果は自分の目で確認しよう
8.危険度3の検査は、年間100例以上の実績がある医療機関で受けよう
<検査を受ける際の基本3質問>
1.いますぐ必要な検査なのですか?
2.この検査で何がわかるのですか?
3.後日でも構わないのであれば、いつまでに実施すればいいのですか?
<検査を受ける上での要望事項>
1.検査内容の事前確認(目的、方法、リスク)
2.検査結果の確認
3.検査所見の入手(どんな検査をして、どんな結果が得られて、担当医はどう判断したのか)
自身の病気を正しく理解して適切な治療を受けるためには、検査を受ける際に、医師が何を知りたいと考えているのかを理解しておくことが重要です。巷には、ろくに診察もせずにすぐ検査!という医師も少なからず存在します。経済的な目的や、新しい検査機器を購入したから使ってみたい…等という不謹慎な医師さえいるのです。レントゲン検査ひとつとっても、やり方によっては身体に害をもたらします。検査とは、あくまでも必要に応じてするものだという常識を理解して下さい。
ではまた。
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