NPO法人 二十四の瞳
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人間ドックはがんのもと

質問: 

家内は年2回、わざわざ隣の県まで乳がん検診に行っているのですが、地元でやっている集団検診では効果がないものでしょうか?(60代男性)

回答:
なかなか深い質問です。そうすることで奥様が日々心配なく生活できるというのであれば意味はあるでしょう。

実は、既に米国では乳がん検診の非有効性が定説となっています。日本でも、集団検診の有効性について否定した公的レポートが存在します。公衆衛生審議会が、「子宮体がん、肺がん、乳がんは、現在の集団検診では実施してもなくても、発見率は変わらない」と報告していますし、過去の新聞記事にも、「大腸がん検診の有効性評価を行う厚生労働省の研究班は、集団検診での内視鏡・X線検査や直腸指診に否定的な見解を示した。自治体が実施する集団検診や職場検診などは奨められない」(平成20年3月23日の朝日新聞)とあります。

しかしながら、自治体や職場での集団検診には今でも必ずX線検査があるのはどうしたことでしょうか。ズバリ言います。健診や検診に多額の税金が使われ、それに伴い病人が増加して国民医療費は35兆円を超えました。このお金の行方を冷静に考えれば、医者に勧められるがままに聞きわけの良い患者にならないことです。

もちろん、適切なタイミングで適切な検査を受けることで危機を回避したケースもありますが、これからは、明らかな変調を感じたら検査を受ける、安心感を得るために年1回、誕生月に検査を受けるなど、自分なりにルールを設けることをお奨めします。

『健康管理は自己責任で』という自覚を持つべき時代になったと言えるでしょう。ちなみに、医者やその家族たちは、意外と検診を受けていないものですよ・・・。

 

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