転職活動と受験勉強
1999年12月から翌年2月までの3ヶ月間は、転職活動および社会福祉士養成校の入学試験が重なり、実に充実した時間を過ごしました。介護保険ブームの中で福祉系の資格も大人気となり、何と通信教育を受講するために論文による足切りがあったのです。私が通った学校もその年から定員を倍の600名にしたにも関わらず、500名余りのひとが論文審査で門前払いとなったほどでした。
2年間で約70万円の学費を納め、50本のレポート提出、2ヶ月間の夏期スクーリング、1ヶ月間の現場実習を経て、国家試験に至ります。社会福祉士の国家試験は例年1月の最終日曜に行われるのですが、私の場合は、年明け元旦から25日間、がむしゃらに暗記の鬼と化して、なんとかボーダーラインの90問(全150問)をクリアすることができました。記憶カード(昔でいう単語帳)による短期集中学習法で、満点ではなく6割を獲りにいったのです。もちろん、通常の勤務を続けながら。
因みにIBMの次の職場は、NTT系列のコンサルティング会社。介護保険スタートに合わせて医療福祉分野の専門チームをちょうど立ち上げた時期に私が応募した感じでした。当時の転職活動を振り返ると、「ヘルスケア分野のコンサルティングを手がけたい」という主旨で、シンクタンクやコンサルティングファーム等25社に企画提案書を一方的に送りつけました。今でいう潜在需要アプローチ型の就職活動でしょうか。結果的に、面接のチャンスをもらったのが8社。最終的に残ったのが3社でした。ただし、うち1社は保険的意味合いのIT系企業であり、福祉とはまるで関係なし。スミマセン。
その中からNTTの孫会社を選んだのはラッキーだったと思います。その後いろいろな地域の高齢者と接することになるのですが、NTTという文字の入った名刺は信用度が高いのです。特に地方へ行けば行くほどに・・・。初対面の人たちに話を聞いてもらいやすいという意味でNTTという暖簾は絶大なものなのだなぁと感じたことが多々ありました。
あと、脱線しますが、あのとき企画提案書作成のために読み漁った医療福祉マネジメント系の文献は、後の国家試験対策にも、今日の私の仕事にも実に有用でした。今にして思えば、転職活動と入学試験のタイミングが重なったの一石二鳥。決して冗談ではなく、このふたつがズレていたとしたら、おそらく現在の自分はなかった・・・。人生って、ホントどこでどうなるかわからないものです。