社会福祉士がもっとも活躍できる市場
ここまでの話で、「新・社会福祉士は、医療・福祉分野のビジネスコンサルティングを実施できる可能性を秘めた唯一の国家資格保有者」ということをご理解いただけただろうか。ここで、可能性を秘めた・・・と自嘲気味に言っているのは、社会福祉士はこれまでの過程で、おそらくコンサルティング技法やマーケティングについての知識修得を殆どやっていないからである。この部分をマスターすれば、「新・社会福祉士=国が認めた医療福祉ビジネスコンサルタント」としてもまんざら嘘にはならない。
従って、これからは社会福祉士が一番意識しなければならない競争者は、ズバリ、経営コンサルである。マッキンゼー、ボストン、ADL等のそうそうたる外資系戦略コンサルファーム、会計系と称されるプライスウォーター、アンダーセン等。日本でいけば、野村総研、日本総研、三菱総研・・・等となる。
これらとまともに戦ったのでは話にならない。医療福祉分野に特化すれば知識も経験もこちらが上と言い張ってみたところで、彼らが本気で学ぼうとすれば簡単に追いつかれてしまうだろう。それぐらい有能で要領のいいヤツの集団である。とすると、彼らに絶対にマネのできない社会福祉士の強みがあるか?あるのです!ズバリ、コンサルティングフィーがそれ。40歳で年俸2000万円以上がゴロゴロいるのがコンサルティング業界である。
ちょっと考えればわかることだが、彼らがそんなに高い給料をもらっているということは、彼らの顧客(クライアント)が高い料金を支払っているということで、要は単価が高いのだ。1人月500万円から1000万円が相場で、時給換算すると、5万円から10万円になる。(コンサルの世界では、通常1人月と言えば、ひとりのコンサルタントが20日間稼働することを意味する。同様に、1人日は5時間。)
因みに医療福祉の世界ではどんなものか。もっとも高額とされる医師にしても、講演を依頼されて1時間5万円もらえるひとは滅多にいない。社会福祉士はどうか。私は、今まで資格取得予備校で喋っていちばん高くて1万5千円。相場は5千円から7千円といったところではないか。
つまり、社会福祉士は、今の2倍から3倍の単価設定をしても、いわゆる経営コンサルタントよりは価格競争力を発揮できる。間違っても世間のコンサルティング会社が値段を下げてまで仕事を取りにかかることはない。社会福祉士は、今ある医療福祉の知識・経験に加えてコンサル技法とマーケ知識を身につければ、医療福祉ビジネスコンサルティングという市場においては、名うてのコンサルタントよりも品質の高いサービスを低価格で提供することが可能なわけである。
もちろん、社会福祉士内部の世界においても同様で、医療福祉業界のようなマーケティングの工夫、商品・サービス企画の工夫が殆どなされていない業界では、アナタがほんのちょっぴり商品・サービス戦略、価格戦略、市場戦略を練っただけで、新人社会福祉士の方々でもすぐに先輩たちを抜き去ることができるだろう。もっとも、抜くの抜かないのと言ったところで、そもそも立っている土俵が違うわけではあるが・・・。
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