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子どもの味覚を育てる食事

今回から、私の食生活アドバイザーになっていただいた、美人料理研究家の華野小町先生の食育理論をご紹介していきたいと思います。
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いま、私たちが口にする多くの食物に含まれる化学物質が、様々な味を感知する能力、「味覚」を麻痺させています。厳密に言えば、「味蕾(みらい)」が正常な機能を果たせなくなってしまっているのです。

私がお届けする食育講座のなかでは、この「味蕾(みらい)」を復活させるための施策をふんだんに盛り込んでいきます。

味覚が鈍くなると、食べたものの美味しさがわからなくなります。そして、食品メーカーが戦略的に添加した化学物質にのみ反応するようになってしまいます。

その結果、心身にわたるデメリットが多々もたらされ、私たちにとって欠けがいのない子どもたちから、明るい未来を奪うことになるのです。昨今の子どもたちが絡む事故や事件は、おそらく、望ましくない食習慣を長きにわたって続けてきたことが原因のひとつであろうと、私は感じています。

また、食習慣をはじめ、ライフスタイルが変化してきたことにより、大人だけがかかると思われていた生活習慣病子供たちも、むしばまれ始めています。例えば、社会問題として表面化しつつある肥満の問題があります。

肥満傾向にある子供は、大人と同様、血圧が高くなったり、コレステロールが高くなる等、生活習慣病の症状が出やすく、「生活習慣病って大人だけじゃないの?」なんて思っていると、大マチガイ。肝臓に障害が出たり、動脈硬化が進行してしまいます。また、子供のころの肥満を放っておくと、約60~80%は大人になっても肥満のままだというデータがあります。

みなさんは、オリンピックのシンボルマーク「五つの輪」をご存知ですか?あのマークは、ユーラシア・北アメリカ南アメリカアフリカオーストラリアの5大陸を表わす輪が、秩序と調和をもって関係する様子を抽象化したものです。

一方、食の世界では、基本的な4つの味「甘み・酸み・塩み・苦み」があり、それに加えて、わが国に特有の「旨み」(昆布やかつお等から摂るダシの味)を加えて5味という概念があります。

私としては、「食育」には、ものを食べたときの美味しさをじっくりと感じ取る努力が欠かせないと考えています。「あぁ、美味しい!」ではなく、「どう美味しいのか」、「この野菜はこんな味がするんだ!」、「化学調味料を一切使わない料理とは、今まで気づかなかった、こんな味がするのか!」。

こうしたひとつひとつの発見が、子どもたちに「食」の楽しさや、物事の道理を考えようとする思慮深さを与えていくのだと信じています。
(続く)

【華野小町プロフィール
宮崎出身の麗しき料理研究家。管理栄養士。卒業後、大手給食会社や医療機関勤務を経て2000年よりフリー。

 

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