面会時間…、さて欧米では?
次回も、もうちょっとだけ『患者中心の医療』について考えてみましょう。
次回も、もうちょっとだけ『患者中心の医療』について考えてみましょう。
今回は、こんなケースを紹介します。
先日、会員さんのお友達が相談があるということで、相談者が入院中の某大学付属病院へ行ってきました。
以下にその内容をご紹介します。
彼女は一ヶ月ほど前、行きつけの大学病院から膝に人工関節を埋め込む手術を奨められたそうです。年明け早々には、手術に先立ち本人の血を1200ccも採るとのことです。入院期間も3週間から1ヶ月と聞かされた相談者は、なんとなく「本当にこのまま手術を受けていいものか」と感じているそうです。
私は直感的に、直接主治医から話を聴く必要があると思いました。そもそも相談者の女性はかなり細く、体重は40kgもなさそうです。つまり、基礎体力があるようには見えなかったのです。そんな70歳半ばの身体から1200ccもの血を抜き取っても支障がないものなのか。それに、ご本人から聞く限り、左膝の痛みの度合い・頻度とも、ここ1年は安定しているとのことでしたので、果たして大掛かりな手術をすることがベストな道なのかどうか確認する必要があると考えたわけです。
果たして、主治医からの説明はこうでした。
①万一に備え、輸血用に本人の血液を1000cc~1500cc確保しておくのが今の標準。
②膝関節手術は技術進歩しており、まず失敗の心配はないと思う。
③手術については、過日患者に対してインフォームドコンセントを済ませてある。
その後、相談者に対して、私の母がこんな状況下にあったとしたら、彼の上級医に申し入れて別の道を探し始めるという話をしました。それが面倒というのであれば、転院するのもいいでしょうねぇ・・・と。
で、結局は、この相談者の『退院申入れの手続き』、『他の整形外科医の紹介』をやらせていただくことに決まりました・・・。
とにもかくにも、少しでも納得のいかない部分があったら、決して手術なんぞ軽はずみや流れで受けないことです。だって、現時点で取り立てて痛みがないんですからね。
ではまた。
私どもの会員はもとより、多くのシニアから頻繁に尋ねられる質問があります。
「私にとっての良いお医者さんとは、とにかく『診立て』がしっかりとしていることです。これってなかなか見分けがつきませんよねぇ・・・。なにか見分ける方法はないものでしょうか」。
まず、ご自分にとっての『いい医者』の定義が明確になっている点がすばらしい!
これって極めて重要なことなのですけれども、なかなかできていない方が多いのです。
みなさんも、是非一度、ご自身にとって『良い医者』とは具体的にいかなる医者なのか、じっくりと考えてみてくださいね。
で、医者の『診立て』。つまり、診断力のチェック方法についてです。
診立てとは、視診・問診・触診によって患者さんを苦しめている症状のもとになる疾患を特定することです。場合によっては検査をして科学的なデータをも判断材料とします。この『診立て』に基づいてそれ以降の治療方針や具体的な処方が決められていきますから、きちんとした『診立て』のできる医者に診てもらうことは極めて重要ということになります。
さて、診立てのできる医者か、できない医者かを見分ける方法があるものでしょうか?
これが相談者の質問です。
結論は、「あります!」。
私の先輩の医者たちが言うには、診立てでもっとも難しいのが風邪だそうです。
従って、風邪の診察をきっちりとできる医者は、技量レベルが高いと思ってまず間違いないそうです。
具体的には、あなたが「風邪かもしれない・・・」ということで診察室に入ったとき、その医者の取る行動を以下のチェックリストに照らしながら観察してみてください。最近では“適当な”診察で済ませてすぐ薬・・・という医者が多い傾向がありますが、最低7点取れれば、そんなにいい加減な医者ではないと思っていいでしょう。
【診立てのできる医者を見分ける10のチェックポイント】
ちなみに、最悪のパターンもご紹介しておきましょう。もしもこんな医者に当たったら、二度と行くのはやめるべきです。ハッキリ言ってお金と時間の無駄ですから。
【典型的なチャラ医(チャランポランな医者)の診察風景】
こんにちは。
ジャムおじさんです。
さて今回は、検査を受けるときに、医者とこんな会話をすることが望ましいですよ・・・というサンプルをご紹介します。
こんなすばらしい対応をしてくれるお医者さん、どこかにいないものですかねぇ・・・。
さいごに、胃の検査を受ける際の注意事項を3点挙げておきます。
日本人の死因のトップである胃がんの他、胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍など、胃は「成人病の巣」です。
ではまた。
次回は、検査を受ける際の医者との理想的なやりとりをご紹介します。
ではまた。
一般に、笑ったり、感動の涙を流したり、適度にハラハラドキドキしたりすることは、免疫力を高めたり、脳を活性化させたりするため、明るく前向きに生活するためには極めて効果的だとされています。とくに生活習慣病と言われる高血圧や糖尿病などの症状には、下手に薬を服用するよりもずっといいと言われ始めています。もちろん私も同感です。
笑い療法については、高柳和江(日本医大助教授・病院管理学)さんという方が有名です。彼女は、「癒しの環境研究会」の世話人をされていますが、この研究会では「笑い療法士」という資格を認定するなどして、笑いで患者の自己治癒力を高め、健康な人の発病予防をサポートすることを推進しています。
いずれにせよ2010年は、年明けから「笑う門には福来たる」といきたいものですよね。
こんにちは、ジャムおじさんです。
今日はいつも以上に怒っています。
わがNPOの会員を襲った悲劇をご紹介します・・・。
相談を受けた私は、同病院内で地域連携室を探して受入先または同院が連携している歯科または口腔外科を紹介してもらうようガイドしました。不安がる娘さんに具体的な台詞までお教えして、母親のためにもがんばってトライして欲しいと伝えました。ここまで檄を飛ばしたのは、これまでいくつもの医者と接触するなかで、患者本人も娘さんも、すっかり医療者不信に陥ってしまっていたからです。『話をしっかりと聞いてくれない』、『精神的なもので歯のほうは関係がない』・・・、こんな感じだったそうです。口の中を見もしないで。
それから15分後、娘さんから電話が入りました。地域連携室とのやりとりの結果連絡です。『ダメでした。こちらでは対応できないの一点張りで埒が明きませんでした・・・』。
私は、声を大にして聞きたい。
この医科歯科大の地域連携室は、どこのだれと連携しているのかと!
腐っても医科歯科大が、歯科医や口腔外科の専門医または開業医とパイプがないのかと!
目の前で「歯&あご&顔じゅうが痛い」と苦しんでる患者に、精神的なものだろうと決めつけて口内のひとつも診ないとはどういうことか!
心療内科を探せ? なぜ医科歯科大が候補を教えてくれないのか!
医者がなにもしてくれないなら、連携室のスタッフにはプロ意識というもののかけらもないのか!
こういうのをドクハラ(ドクター・ハラスメント)というのである。
患者の痛みや不安を低減するどころか追い討ちをかける。診たくない患者は放っぽり出す。転院先を探してもくれない。
どう考えても大学病院が歯科や口腔外科とチャネルがないはずはない。要するに見切ったのである。
こういった場合、どうしても患者側は弱い立場になってしまう。医療とはそういうものだ。医師という、本来は病めるものたちに寄り添い、励まし、希望を与えなければならない社会的上位にある人種たちが、患者の弱みにつけこむ強者となってしまうのである。こういうことは、自分や家族になにかが起きないとなかなか気づかないものだ。しかし、いつ何時、みなさんが当事者とならないとも限らない。
だから、いざ医者と向かい合ったときに不当に不利益を被らずに済むように、最低限の情報武装をしておかねばならない。これをひとりでも多くの人に理解してもらうために、今日もジャムおじさんは走り続ける・・・。
なお、ご紹介した患者さんは、現在然るべきに入院していただき、然るべき治療を受けられることになりました。
探せば存在するものです、患者中心の医療を実践している医者や病医院が。
でも、一刻を争っている状況でこれを探し出す作業は、なかなかできるもんじゃないんですよねぇ、これが・・・。
先日、突飛な電話を受け取った。いや、突飛とは書いたが、よくある相談だ。
「多摩市の●●に住んでいる。この近くで良い医者はどこか?」という質問である。
これに対して、まず私が確認するは、「医者は腐るほどいますが、ところで、あなたがおっしゃる“良いお医者さん”とは、具体的にどのようなお医者さんですか?」
わかっていただけますか?
ではもうひとつ。
「数ヶ月前に引っ越してきた。子どもが高熱で苦しんでいる。近所では●●先生の評判がいいのだが、本当に良いお医者さんですか?」
で、私は聞き返す。「ところで、お母さんにとって“良いお医者さん”とは、具体的にどのようなお医者さんなのでしょうか?」
もうおわかりですよね。
医者もいろいろ。患者もいろいろ。ひとの好みもいろいろなのです。
ある人にとっての“良い医者”が、あなたにとっても“良い医者”かどうかはわかりません。価値観がみな違うのですから。
懇切丁寧に徹底的に検査してくれる医者がいいという人がいれば、四の五の言わずに薬を出してくれる医者がいいという人もいます。
診察しながらいろいろと話しかけてくれる医者がいいという人がいれば、余計なお喋りはせず早く結論を出してくれる医者がいいという人もいます。
つまり、あなたが、あなたにとってどのような医者が良い医者なのか。具体的にどのような医者を見つけ出したいのかが明確でない限り、世間の口コミや市販のランキング本は役に立たないということです。
ちなみに、私にとっての“良い医者”の定義を書いておきましょう。
①社会人として常識的な医者 ⇒ 挨拶、言葉づかい、身だしなみ
②医者としての常識的な対応 ⇒ 視診・問診・触診をキチンと行い、わかったことや想定されることをキチンと説明してくれる
③医者としての診療スタイル ⇒ やたら薬を出さない、わからないことはわからないと言う、抱え込まない(紹介先としていろいろな診療科とパイプがある)
ただし、ここでいう“良い医者”とは地域の開業医(中規模以下の病院や診療所)のことです。つまり、私たちが体に変調を感じたときに最初に診てもらうお医者さんです。
手術に執刀してもらう場合など、専門性が求められる場合の“良い医者”の定義はまた異なります。
私が考える“良い専門医”とは、以下を満たしてくれるお医者さんになります。
①当該疾病について診療経験が豊富(例えば手術なら、月間●●例以上など)
②高齢でない(せいぜい50代半ばまででしょうか)
③事前説明、事後説明の時間を納得いくまで取ってくれる(治療法の選択肢、患者や家族の意向確認、術後の生活イメージなど)
さて、あなたの“良い医者”の判断基準は一体なんなのでしょうか?
まずは、あなたにとっての“良い医者”の定義からしてみてください。