あまりに悲しい某医科歯科大学付属病院の患者対応

こんにちは、ジャムおじさんです。
今日はいつも以上に怒っています。

わがNPOの会員を襲った悲劇をご紹介します・・・。

相談者は60代女性。現在は都内で娘さんご夫婦と一緒に暮らしています。
昨年夏以降、歯科矯正→インプラントを経て、慢性顎骨骨髄炎に陥っています。そもそもの歯科医とは実質ケンカ別れ。抵抗する歯科医と彼の勤務先病院と折衝し、今夏どうにか診療録(カルテ)を取り寄せました。その後、今日まで3~4ヶ所の歯科&口腔外科を転々とするも、いずれも『このカルテでは最初の処置がわからず手がつけられない』、『状況の詳細がわからず手に負えない』とサジを投げられる始末です。
 
本人は顔全体に痛みを覚え、顔つきも別人のように変形してしまっています。当座の痛みを緩和するための鎮痛剤はすぐに効かなくなり、精神的にも限界に来ているようです。それに加え、私が心配していたのは、各ドクターが処方した抗生物質、精神安定剤、睡眠薬、鎮痛剤の種類と量です。身体に良いわけがありません。
 
そしてつい先日、激しい痙攣を起こし救急搬送されましたが、受入れ先の某医科歯科大付属病院では、点滴を打っただけ、『もう落ち着いたでしょう。今回の痙攣は歯の方とは関係がない。おそらく精神のほうの問題ではないか』と、家の近くの心療内科を探すよう言ったそうです。で、早くお引取りをと・・・。ところが、肝心の患者本人がめまいがして歩けないと言う。娘さんも、帰宅後の地獄のような日々(ここ数ヶ月、患者は顔全体の痛みに苦しみ夜も落ち着いて眠れない日々が続いている)が続くことを考えると、もうどうしていいかわからず、死んでしまいたい・・・とおっしゃる程の不安感に襲われています。

相談を受けた私は、同病院内で地域連携室を探して受入先または同院が連携している歯科または口腔外科を紹介してもらうようガイドしました。不安がる娘さんに具体的な台詞までお教えして、母親のためにもがんばってトライして欲しいと伝えました。ここまで檄を飛ばしたのは、これまでいくつもの医者と接触するなかで、患者本人も娘さんも、すっかり医療者不信に陥ってしまっていたからです。『話をしっかりと聞いてくれない』、『精神的なもので歯のほうは関係がない』・・・、こんな感じだったそうです。口の中を見もしないで。

それから15分後、娘さんから電話が入りました。地域連携室とのやりとりの結果連絡です。『ダメでした。こちらでは対応できないの一点張りで埒が明きませんでした・・・』。

私は、声を大にして聞きたい。
この医科歯科大の地域連携室は、どこのだれと連携しているのかと!
腐っても医科歯科大が、歯科医や口腔外科の専門医または開業医とパイプがないのかと!
目の前で「歯&あご&顔じゅうが痛い」と苦しんでる患者に、精神的なものだろうと決めつけて口内のひとつも診ないとはどういうことか!
心療内科を探せ? なぜ医科歯科大が候補を教えてくれないのか!
医者がなにもしてくれないなら、連携室のスタッフにはプロ意識というもののかけらもないのか!

こういうのをドクハラ(ドクター・ハラスメント)というのである。
患者の痛みや不安を低減するどころか追い討ちをかける。診たくない患者は放っぽり出す。転院先を探してもくれない。
どう考えても大学病院が歯科や口腔外科とチャネルがないはずはない。要するに見切ったのである。

こういった場合、どうしても患者側は弱い立場になってしまう。医療とはそういうものだ。医師という、本来は病めるものたちに寄り添い、励まし、希望を与えなければならない社会的上位にある人種たちが、患者の弱みにつけこむ強者となってしまうのである。こういうことは、自分や家族になにかが起きないとなかなか気づかないものだ。しかし、いつ何時、みなさんが当事者とならないとも限らない。

だから、いざ医者と向かい合ったときに不当に不利益を被らずに済むように、最低限の情報武装をしておかねばならない。これをひとりでも多くの人に理解してもらうために、今日もジャムおじさんは走り続ける・・・。

なお、ご紹介した患者さんは、現在然るべきに入院していただき、然るべき治療を受けられることになりました。
探せば存在するものです、患者中心の医療を実践している医者や病医院が。
でも、一刻を争っている状況でこれを探し出す作業は、なかなかできるもんじゃないんですよねぇ、これが・・・。


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