あなたにとっての“良いお医者さん”とは・・・?
先日、突飛な電話を受け取った。いや、突飛とは書いたが、よくある相談だ。
「多摩市の●●に住んでいる。この近くで良い医者はどこか?」という質問である。
これに対して、まず私が確認するは、「医者は腐るほどいますが、ところで、あなたがおっしゃる“良いお医者さん”とは、具体的にどのようなお医者さんですか?」
わかっていただけますか?
ではもうひとつ。
「数ヶ月前に引っ越してきた。子どもが高熱で苦しんでいる。近所では●●先生の評判がいいのだが、本当に良いお医者さんですか?」
で、私は聞き返す。「ところで、お母さんにとって“良いお医者さん”とは、具体的にどのようなお医者さんなのでしょうか?」
もうおわかりですよね。
医者もいろいろ。患者もいろいろ。ひとの好みもいろいろなのです。
ある人にとっての“良い医者”が、あなたにとっても“良い医者”かどうかはわかりません。価値観がみな違うのですから。
懇切丁寧に徹底的に検査してくれる医者がいいという人がいれば、四の五の言わずに薬を出してくれる医者がいいという人もいます。
診察しながらいろいろと話しかけてくれる医者がいいという人がいれば、余計なお喋りはせず早く結論を出してくれる医者がいいという人もいます。
つまり、あなたが、あなたにとってどのような医者が良い医者なのか。具体的にどのような医者を見つけ出したいのかが明確でない限り、世間の口コミや市販のランキング本は役に立たないということです。
ちなみに、私にとっての“良い医者”の定義を書いておきましょう。
①社会人として常識的な医者 ⇒ 挨拶、言葉づかい、身だしなみ
②医者としての常識的な対応 ⇒ 視診・問診・触診をキチンと行い、わかったことや想定されることをキチンと説明してくれる
③医者としての診療スタイル ⇒ やたら薬を出さない、わからないことはわからないと言う、抱え込まない(紹介先としていろいろな診療科とパイプがある)
ただし、ここでいう“良い医者”とは地域の開業医(中規模以下の病院や診療所)のことです。つまり、私たちが体に変調を感じたときに最初に診てもらうお医者さんです。
手術に執刀してもらう場合など、専門性が求められる場合の“良い医者”の定義はまた異なります。
私が考える“良い専門医”とは、以下を満たしてくれるお医者さんになります。
①当該疾病について診療経験が豊富(例えば手術なら、月間●●例以上など)
②高齢でない(せいぜい50代半ばまででしょうか)
③事前説明、事後説明の時間を納得いくまで取ってくれる(治療法の選択肢、患者や家族の意向確認、術後の生活イメージなど)
さて、あなたの“良い医者”の判断基準は一体なんなのでしょうか?
まずは、あなたにとっての“良い医者”の定義からしてみてください。