ドクターにとって限りなく不都合な真実
さて、ここまで読み進んでいただいたドクターには、やはりまずアナタを取り巻く過酷な現状を知っていただくことから始めてみたい。この世のありとあらゆる事業に利益を運んでくる源泉、「顧客」についてである。つまり、患者や地域の人々の目、彼らがアナタをどう見ているかということである。
他人にどう見られようが関係ないと言うのであれば、それは経営者失格だ。いくら腕や人格の優れたドクターであろうと、地域の人たちからそう評価されない限り経営的には無意味である。極論すれば、どう見られているかが経営のすべてである。
そして、昨今の風潮をズバリ言えば、世間は医師という職種の人間を嫌っている。人間的にも技術的にも、だ。それは諦めといってもいいレベルまで地に落ちた。なぜかおわかりだろうか。
かつて「あるある大辞典」は納豆でブラウン管から姿を消したが、医療や健康ネタを扱った番組は総じて視聴率が良い。都市圏を中心に、こうした番組の視聴者はわが国の医療システムや医師という職業について、かなりの知識と情報を持つようになった。
医師会をはじめとする医療サービスの提供者側としては苦々しいことかも知れないが、赤ひげ先生時代よろしく「知らしむべからず、依らしむべし」モードの医師は化石になる日も近い。もはや戦略的患者たちを相手にするには、それなりの覚悟と対策が必要だ。それでは、ここ数年、数々の高視聴率番組が、患者学と称して、いかにアナタたちを悪者に仕立ててきたのかを簡単に振り返ってみよう。
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