言葉が持つ力

 

言葉とは、人生を180度転換させることのできる最強ツール。
前向きな人生を過ごすためにもうひとつ忘れてはならないもの。それが言葉。
言葉が持つ力。私たちは、感じて、考えて、行動する。
このすべてのプロセスを、私たちは言葉で行っている。
自問自答するのも、自分を励ますのも、覚悟・決断するのにも、言葉がなくてはならない。
 
こんどはちょっと太宰治に登場してもらう。時代を超えて女子学生の好きな作家トップに君臨し続ける太宰はこう言っている。
 
愛とは言葉だ。言葉がなけりゃ、この世の中に愛はなくなるんだ。愛の実体に言葉以外の何かがあると思ったら大間違いだ。聖書にも書いてある。言葉は神なりき。これに命あり。この命は人の光なりき。本当に愛しているならば、黙っているというのは独りよがりだ。好きと口に出して言うのは、そりゃあ誰だって恥ずかしい。でも、その恥ずかしさに目をつぶって、怒涛に飛び込む思いで愛の言葉を叫ぶところに愛の実体があるのだ。黙っていられるのは、結局その程度の愛なのだ。恥ずかしくて言えないというのは、つまりは相手より自分を大事にいるのだ。怒涛へ飛び込むのが、断られるのがこわいのだ。本当に愛しているならば、たとえ無意識にでも愛の言葉が出るものだ。どもりながらでも。たった一言でもいい。切羽詰った言葉が出るものだ。
 
ここで、「言葉」とか「話す」という行為の本質を考えてみたい。私たちは一体何を話しているのか。言語学的にいうと、私たちは言葉というものを組み合わせて話している。では、言葉とはどのようにできているか。それは、日本人であれば仮名「あいうえおかきくけこ…」。昔であれば「いろはにほへとちりぬるを」の平安仮名。

私たちは、この48文字を紡ぐことでありとあらゆる感情や理屈を話している。これは凄いこと。私に言わせれば、この文字たちは無限の可能性を秘めた48色の魔法のクレパス。

で、この文字たちの配列を見ていて気づいた。平安仮名も現代仮名も「愛」から始まっているということに。
(*「いろ」は色。人間模様の儚さを象徴する最たるもの、それが「愛」であると解釈した)

そう。話すという行為の原点は愛。愛が “Ⅰ” ならば、話すとは自分自身の映し鏡。愛をeye、心眼とみれば、話すとは心の目で見たものを伝えること。洞察力。洞察力とは、普通の人には見えないものを感じる力、気づく力、見抜く力。


つまり、話すということは、相手のために良かれと思って発信する魂のメッセージ。自分の話を聞いてどう感じてほしいのか。どう行動につなげてほしいのか。こうしてほしいから、だからあえて今ここでこの話をしているんだよという明確な意思を持って、考え抜かれた自分自身の言葉で相手の精神に影響を与えること。

だから、原稿を読むなんていうのは、私にすれば論外の外。米国の歴代大統領と比べて日本の総理の演説が無機質で心に響かないのは、どうもここらへんに原因があるように感じられてならない。

ネガティブ感情が寿命を絶つ


精神神経免疫学という学問がある。
そこでは、『マイナス感情が免疫力を低下させる』ことが検証されている。

免疫の低下は身体を蝕み、脳を破壊する。

心配・不安・怒り・悲しみ・絶望・恐怖・憎悪・暗欝・・・。
これらは心身を病ませる元凶だ。
ハーバード大学からは、こんな実験結果が報告されている。
     
人に冷やしたゴム管を咥えさせる。
呼吸の中のガス体は液状化して、薬液に流れ込むしかけがしてある。

怒っている人からは褐色の沈殿物が生じ、悲しんでいる人からは灰色の沈殿物。

これらをネズミに注射すると、狂ったように暴れだし、やがて死んだ・・・。
つまり、マイナス感情は毒性を持っているのだ。 

例えば、学校のテスト。
米国人は60点でもグッドと言い、日本人は80点でもまあまあと言う。

意識的にうまくいった部分にフォーカスしようじゃないか。

モチベアップの前提条件3

③心の拠り所を持つこと
 
時間が有限であることを認識し、明確な目的を打ち立てたとしても、人間やはり落ち込んだり迷ったりすることはあるもの。そんな辛く苦しいときに、無条件に自分を支えてくれる何かを持っている人は強い。心の拠り所は、やっぱり、ないよりあったほうがいい。愛する人、尊敬する人物、心の友、本、言葉、音楽。何でもいい。
 
宮沢賢治の話をする。3.11大震災で被災された方たちへの応援メッセージとして頻繁に使用されたのが、賢治の『アメニモマケズ、カゼニモマケズ』。花巻から岩手に出て多くのことを学び、故郷への貢献という大志を抱いて戻った賢治に故郷は冷たかった。この詩は、そんな賢治が唯一の理解者であった妹を失い、その後自らにも死が迫っていることを知り、死への恐怖から生み出した作品である。

妹を看取った賢治は、押入れの布団の中に身を捻じ込んで三日三晩号泣したという。そして残り少ない時間を、妹の幻影と日蓮宗を心の支えに多くの作品を書き続ける。『アメニモマケズ、カゼニモマケズ』の最初と最後には、明確に「南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経」と記されている。孤独と死への恐怖と戦いながら生きた証を残した賢治。生前まったくといっていいほど評価されなかった作品が、賢治の死から80年を経て、今、悲しみのどん底にいる東北の人たちを励ましているわけだ。

時が有限であることを認識し、その限られた時間に何を果たすべきかを明確に描き、それを実現するんだという意思を継続させるための心の拠り所を手にすることで、私たちは心の引き出しからモチベーションを手繰り寄せる可能性が格段高まるはず。

モチベアップの前提条件2

②夢・希望・目的を具体的に描くこと
 
私たちは、3つの善なる使命・役割を背負って生命を授けられた。家・職場・人生。
生きるとは、この3つの使命を探し、見つけ、それに心血を注ぐ道程に他ならない。
 
日本同様、敗戦国となったドイツ。70年前、ナチス・ヒトラーは、民族浄化なる名目の下、ユダヤ人・障害者・同性愛者を大量虐殺した。その数600万人以上。なかでも悪名高きアウシュビッツ収容所。精神科医Vフランクルは、やはりユダヤの血が流れているという理由で収容される。そこでの生活実態をまとめた『夜と霧』は、凄惨ではあるけれども読んでおきたい一冊だ。地獄のような環境の中、発狂した者、脱走を企てた者。病に倒れた者、監視者たちの気分を損ねた者。多くの人たちがガス室に送られた。しかし、5年に及ぶ収容生活から開放されたとき、フランクルと同室だった者たちは全員生還する。なぜか。 

それは監房の窓。わずか20センチ四方の窓だ。フランクルは仲間たちに説き続けた。あの小窓の向こう側に思いを馳せよう。例え身体を拘束されようと、我らの精神は自由。想像の世界では何でもできると。あの窓からかすかに見える朝日や夕映えの下には、私たちの大切な家族、愛する人たちが待つ故郷がある。決して望みを捨ててはならないと、希望の灯を点しつづけた。そしてみんなで、幼き日に母が歌ってくれた子守唄を、仲のいい友達と歌った思い出の歌を、民族に古くから伝わる懐かしい詩を口ずさみながら心が折れぬように励ましあったというのだ。

印象深い場面がある。「もうたくさんだ。仮に生きて変えることができたとしても、もう自分にはいいことなど何一つない。生きていても仕方ない」と自暴自棄になった仲間にフランクルが言う。「そんなことはない。あの窓の向こうのどこかに、君を必要としている誰かが必ずいる。私たちは、世の中から恩恵を得るために生きているのではない。私たちを必要とする誰かのため、世の中のために、その役割を果たすために生まれてきたのだから。その誰かとめぐりあうために、肝を必要としている誰かのために、簡単に人生を投げてはいけない」と。

モチベーションアップの前提条件1

今回から3回にわたり、モチベーションアップについて考えたことをご紹介しようと思う。
右を向いても左を見ても、ネガティブなことだらけの現代のニッポン社会。
せめて自分自身で心と脳をうまくコントロールしながら、生きていくうえでのひとすじの光を見出したいものだ。

ヤル気ホルモンを湧き出でさせ、モチベーションを維持するための前提条件を3つ挙げる。

①死を自分の問題として認識すること(死生観の確立)
②夢・希望・目的を具体的に描くこと(ゴールの視覚化)
③心の拠り所を持つこと(精神的支柱)
①死を自分の問題として認識すること
生きるとは死ぬこと。私たちは、生まれた瞬間から死につつある。このことを自分の問題として本当の意味で自覚したとき、人は自分の存在意義や果たすべき使命について目覚め、主体的に行動するようになる場合が多い。これは、多くの末期がん患者と接し看取ってきたある医師の言葉だ。
いまから70年前のちょうど今日。1941年10月18日は、東條英機内閣が発足した日。それによって、私たちよりも遥かに若い命たちが、自分の意思とは無関係に散っていった。「特攻こそが我が使命」とばかりに迷いを断ち切って死んでいった人たちも多かった。そんなひとりに、先に紹介した漫画家で詩人のやなせたかし氏の弟さんもいた。やなせ氏は、最愛の弟を失った悲哀と生き残ってしまった自分に対する自責と苦悩のなかから、メッセージ性の高い数々の作品を生み出した。その集大成ともいえるのがアンパンマンだったのだ。

今日でも多くの子どもたちに愛されている主題歌『アンパンマンのマーチ』だが、この背景を知ってしまうと、そこに込められた深い思いに涙なくして口にすることはできない。
幸運にも戦争がない時代に生きる私たち。一方で、二人に一人ががんで死ぬ時代。戦争や殺人や事故や自殺ではなく、生老病死という人間としてあるべきステップを踏んで人生を全うできることの幸せを再認識してもいいのかも知れない。何気なく漫然と生きている私たちの時間が有限であることに気づいたとき、有限であるからこそ、最後の最期の瞬間に、「ああ。私は人生を、本当の意味で生きたんだな」と言えるように、今この時を明確なる目的意識と当事者意識を持って生きていきたいという感覚が芽生えてくるのではないか。

モチベーションを高めるための心理学的アプローチ


私たちの毎日はイヤなこと、面倒なこと、厄介なことの連続だ。そんな過酷な状況においても上手くモチベーションをコントロールできればすばらしい。これが今回のテーマ。

私たちが生きる人生には絶対的な3つの法則がある。
①人は生き、必ず死ぬ。
②人は一人で生まれ、一人で死にゆく。
③人生は艱難辛苦の連続である。

これに加えて、現代を生きる私たちに不都合なことが更に三つ。
①ここ数年頻発している地球規模の天災
②常軌を逸した悲惨な事件事故
③政治・経済・社会・医療・福祉・教育など国家インフラの破綻と崩壊
こんな状況でモチベーションを維持しろっちゅうほうが無理ではないか。
でも、それは私のような凡人に限ったことではない。過去を生きた偉大な人たちも同じ。

智に働けば・・・・・とかく人の世は住みにくい(漱石)
人生は大いなる戦場(藤村)
人生は地獄以上に地獄的(芥川)

先週行った静岡でも、徳川家康のこんな言葉を教えてもらった。
 
人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し。

「重荷」とは、理想と現実のギャップのこと。250年に及ぶ泰平の世の意礎を築いた家康公をして、「人生とは、どうにもならないギャップを埋めるための道程」と言わしめた。

もちろん、この感覚は日本特有のものではない。聖書についで、もっとも多くの国で出版され、多くの文学者から史上最高の傑作と称えられる『ドン・キホーテ』。作者のセルバンテスは、ラ・マンチャの騎士の口を借りてこう言っている。

人間にとって本当の狂気とは何か。
現実ばかりに捉われて夢を持たないもの。これはあまりにも寂しすぎる。
夢ばかりを追いかけて現実を見据えないもの。これは正気の沙汰ではない。
しかし、人間にとってもっとも憎まなければならない狂気とは、
あるがままの人生に折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないこと。
これこそが人間をダメにしてしまう本当の敵に他ならない。

私たちは、過酷な現実を突きつけられても尚、それを一旦受けとめた上で、マイナスをプラスに、ネガティブをポジティブに、意気消沈を意気揚々に、転化させていきたいもの。心を折ってはならない。この世にたったひとりの自分を、たった一度しかない人生を、ほんの一瞬の今この時を本当の意味で生きるために。

オバマ大統領の勝利演説

4年前の米国の大統領選挙。オバマ氏の勝利演説。さて、今年の秋は、誰のどのような名スピーチが聴けるのだろうか。

2008年11月4日夜。オバマ大統領の勝利演説のクライマックス。彼は突然、アン・ニクソン・クーパーなる女性について語り始めた。
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今回の選挙戦ではさまざまなことがあったが、私が何よりも思い出すのは、アトランタで投票したひとりの女性の物語だ。彼女は他の何百万という人たちと同様に自分の声を反映させようと行列に並んだ。ただひとつだけ、他の人たちと違うことがあった。彼女は106歳なのだ。奴隷制が終わってから一世代後に彼女は生まれた。飛行機はもちろん、まだ車さえ走っていなかった時代。その時代、彼女のような人は二つの理由で投票できなかった。女性だから。そして肌の色ゆえに。

彼女がアメリカで生きた100年以上の歳月に思いを馳せるとき、多くの悲しみや困難の中でもひたむきに前進し続けた人たちに胸を打たれる。そして今年、彼女は自らの指でスクリーンに触れ投票したのだ。なぜなら、106年間もの人生を、暗い時代も、幸せな時代もこのアメリカで生きてきた彼女は知っているから。このアメリカという国がどれほど変われる国なのかを。

 Yes , we can. 

アメリカよ。私たちはこんなに遠くまで歩んできました。こんなにもたくさんのことを見てきました。しかし、まだまだやらねばならないことはたくさんあります。だから、今夜この夜、私たちは私たち自身に問いかけましょう。もしも私たちの子どもが次の世紀を目にするまで生きられたとしたら。もしも私たちの娘が、幸運にも彼女と同じくらい長く生きられたとしたら。娘たちは一体何を見るのでしょう。それまでに私たちは、どれくらい進歩できるでしょうか。この問いかけに答えるチャンスを、いま私たちは手にしたのです。

  Yes , we can. 

今この時こそが、私たちが新しい一歩を踏み出す瞬間なのです。

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 オバマ大統領は、アン・ニクソン・クーパーの人生に触れることで、100年前の過去と現在、そして100年後の未来をひとつに繋げてみせた。この夜シカゴに集まった20万人の人たちは、会ったこともないアン・ニクソン・クーパーのイメージを共有することで、行動に向けて結束した。20万人がそれぞれの心の中で、自分たちが生きていく未来を想像し、希望を持ったのだ。共感と発見と勇気を喚起する見事な演説。私にとってのお手本です。

モチベーションを高めるための脳科学的アプローチ


モチベーションとは私たちの内側から出てくる動機付け。これに対して外側から動機付けるものは「インセンティブ」という。
で、ひとつの結論。そもそも、根っからモチベーションの高い人などいやしない。つまり、モチベーションとは、人が生まれつき持っているようなものではなく、習慣やトレーニングによって身につけていくもの。

モチベーションアップのためには、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)という脳内ホルモンを分泌させればいい。ザッツ・オールだ。すでに脳科学の分野で実証済み。俗にヤル気ホルモンと称されるTRHは、ドーパミンやノルアドレナリンを放出させるトリガーとなって脳を覚醒・活動させる。

もう少し噛み砕いてお話する。イメージしてみて。私たちの頭蓋骨のなかは、人類の進化の順番に、内側から爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳が重なるようにできている。それぞれ役割がある。爬虫類脳(脳幹・視床下部)は「生きるための脳」と言われ、心拍・呼吸・体温・血圧などの生命維持機能を担っている。哺乳類脳(大脳辺縁系)は「感じるための脳」と言われ、本能的な情動・行動を管轄しており、快・不快の判断などを行う。人間脳(大脳皮質)は「考えるための脳」であり、知性・知能を司っている。

重要なのは、私たちがモチベーションを持って何かに取り組むためには、これら3つの脳が緊密に連携する必要があるということ。人間脳が「この問題を処理せよ」と哺乳類脳に命令すると、哺乳類脳はそれを本能(扁桃核)と過去の記憶(海馬)から「好きか嫌いか判断する」。

ここで「好き」と結論づけられると、爬虫類脳(側坐核(通称、「欲の脳」))からヤル気ホルモンが放出される。これは全脳を覚醒させ、とくに行動計画を立案・実行させる前頭連合野を刺激。その結果、人間脳の内部では火花が散るようにニューロンが活性化し、想像と連想が絶え間なく広がっていく。

しかし、リストラの噂やいじめなどで爬虫類脳が危険を察知したり、自由に意見を言えない、適正に評価されないなどで哺乳類脳が不快を感じたりすれば、人間は自ずと逃避や保身に走ってしまうわけ。これでは何事も前向きに取り組めないのは当然。


これを理解すれば、私たちのモチベーションを高めることは簡単だ。「好き」なことをすればいいのだ。一般的に私たちが好きなこととは、次の3つである。①褒められること②必要とされること③愛されること。チャンチャン、だ。

やる気になっているときというのは、他人のために一生懸命になっているとき。「自分のために」と思うと「これやるのは、また今度でいいか」と気が緩んでしまいがち。けれど他人のために何かをしているときには「やらなきゃ!」という気分になっているため、自然と体が動きはじめる。

私たちのモチベーションを上げるきっかけとなるようなものを、心理学では「ストローク」という。スキンシップ、表情・態度・仕草、言葉がある。モチベーションを上げるためには、時に自分自身に対して、時に周囲の人たちに対して積極的にストロークを投げたいものだ。

アンパンマンのマーチ(作詞:やなせたかし)

そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも

何の為に生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱いこころ燃える だから君は行くんだ微笑んで。

そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも。
嗚呼アンパンマン優しい君は 行け!みんなの夢守る為

何が君の幸せ 何をして喜ぶ 解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
忘れないで夢を 零さないで涙 だから君は飛ぶんだ何処までも

そうだ!恐れないでみんなの為に 愛と勇気だけが友達さ
嗚呼アンパンマン優しい君は 行け!みんなの夢守る為

時は早く過ぎる 光る星は消える だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえどんな敵が相手でも
嗚呼アンパンマン優しい君は 行け!みんなの夢守る為

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特攻隊として飛び立ったやなせ氏の弟さん。
それがアンパイマンの正体だ。
特攻命令を受けた彼は、自分が二度と母国の地を踏むことは無いと悟り胸の痛みを感じつつも、使命を全うして死んでいくことのなかに「生」を実感する。
涙をこぼすことなく、死を恐れることなく、みんなの夢を守るために。
戦いに行くのは自分一人だけでいい。愛と勇気だけを連れて行くから。
幸せとは何か。
何のために生きるのか。
その答えを知らずに生きるのは嫌だ。
そして・・・。彼は飛んだ。微笑みながら特攻隊としての任務を果たしたのだ。
まるで光る星が消え行くように。彼は微笑みながら飛んだ。みんなの夢を守るため。

しかし、こんどは、かけがえのない弟を失った兄・やなせ氏の苦悩と葛藤が始まる。
たったひとりの弟を失った悲しみ。
自分だけが生き残ってしまった悔恨。
理不尽だけれどもどうにもならなかった時代・・・。
長年ひきづっていたそんな思いを託して、やなせさんはアンパンマンを生み出した。最愛の弟さんとともに。

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