NPO法人 二十四の瞳
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医療経営、冬来たりなば・・・

 7月1日付けの『独断専行』で述べたように、いよいよ患者や地域にとって価値のない医療機関にとっての正念場がやってくる。

 今日からは、医療者の本然をまっとうせんと日々汗を流しているドクター経営者のために、具体的な対応策をご紹介していく。
霞ヶ関の医療再編シナリオ『2015 メディカル・カタストロフィー』に対する唯一のサバイバル・ソリューションである。
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 都市部を中心に医療機関の経営が危うい。二〇〇〇年に第一次小泉内閣が「医療改革」をぶちあげて一〇年超ようやくようやく、本当にようやく医療改編のシナリオが見えてきた。医療財源枯渇の果て、『医療のムダを廃しつつ品質を上げる』という苦し紛れの講釈が続いてきたが、いよいよ対岸の火事を決め込んでいた医療経営者(要するにドクター)にも、経営危機の足音が迫ってきた感がある
 
 
これまでに仕事上の付き合いのあったドクター、わが同窓のドクター、自宅近所のドクター・・・。いずれも苦戦を強いられている。別に10年前と比べて彼らの何が変わったわけでもないし、彼らが何かを変えたわけでもない。要は、同じ数の患者に同じことをしていたのでは経営はジリ貧になる。それが医療改革のもたらすインパクトなのだ。それに追い討ちをかけるように患者側も賢くなった。
 
 医療改革自体に根本的な問題があることは確かだが、
現実問題として、首都圏では毎月件のペースで医療施設が実質的な倒産に追い込まれている。昨年度の病院倒産件数は史上最多だった。まさに医療経営冬の時代の到来である。
 

 が、その一方で、確実に地域での認知度を高め、患者数を堅調に伸ばし、収益を伸ばしている医療施設があることを見逃してはならない。プロ野球ではないが、厳しい戦いにおいてこそ指揮官の能力が勝敗を決するものだ。
 
 確かに医療施設を取り巻く環境は厳しいかも知れない。でも、だからと言ってマイナス経営も致し方なし・・・の言い訳にはならない。もちろん、それで納得して経営難に陥るのは本人の自由ではあるが。
 
 そもそも、好景気のときは放っておいてもビジネスはうまく回るものだ。バブルの時を思い出せばわかる。しかし、経営とは、押し寄せる苦難をかいくぐりながら、創意工夫を凝らして採算を取るものである。それこそが経営トップの存在価値である筈だ。ならば、
医療経営冬の時代」においても、しっかりと成果を上げているごくごく一部の同業者の経営手腕を参考にするくらいの姿勢が欲しいものだ。
 

 
 ひとことで言えば、来年以降に予測される厳しいマイナス改定下においても、患者数も医業収入も伸ばし続けている成功者たちは知っている。そして実践している。「患者の心を掴むのは、医者の腕前や充実した設備なんかじゃなく、患者を励まし、勇気づけること、エンターテインすることなのだ」と。

 

そして彼らの言動の源にあるもの、それがサービスマインドである。しかしながら実際には、日々の診療をこなしながら、増してや医療行政をウォッチしながら、経営という複雑極まりない課題に対峙すること、多くの開業医にとっては困難である。

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