NPO法人 二十四の瞳
医療、介護、福祉のことを社会福祉士に相談できるNPO「二十四の瞳」
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その10 立つ鳥跡を濁すべからず

 自分が死ぬまでにどんなことが起こるのか。年寄りは自分でよぉく考えてみろ。生老病死は世の常。年とって老いぼれて病気になって死んでいく。このこと自体をありがたいと感謝せよ。

 戦争でも事故でも殺人でも自殺でもなく、人間の基本的なプロセスを経て人生を終われることに感謝せよ。この過程で必要となる医療・福祉・法律・お金・葬儀・・・。これらサービスの確保、手続き、費用をどうするのか。自分自身で調べて準備せよ。決して子どもたちを当てにしてはならない。みんな忙しいのだ。

 
 子どもや孫たちのみならず、国にも社会にも一切期待するな。国に何かしてもらおうなんてとんでもない。日本じゅうどこを探しても、もうそんな余裕はない。自分のことは自分で何とかしろ。

 人間はひとりで生まれてひとりで死んでゆく。生まれてオシメをつけられ、またオシメをつけられて死んでいくのだ。周囲に迷惑をかけながら死んでいくのだ。どんなに偉い年寄りでも、どんなにお金持ちの年寄りでも大差はない。

 このことをしっかりと認識し自覚すれば、年寄りのあり方は自ずと見えてくるはずだ。とにかく謙虚に、極力周囲に迷惑をかけぬよう、身の程をわきまえて生きていくべきだ。そのためには、少しでも早いうちから、自分の老後と最期を具体的にプランしておくことだ。

 
 通帳、印鑑、生命保険や不動産関係の書類の在り処を、今のうちから子どもたちに教えておけ。死んだりボケたりしてからでは遅いのだ。年寄りが死んだ後で子どもたちが手続きするのに探す時間がひと苦労だ。

 また、認知した隠し子がいる場合、借金を抱えている場合など、こうした家族にとってマイナスの事実についてもきちんとカミングアウトしておこう。でないと、アナタが死んでから遺族が修羅場を迎えることになる。そうなればアナタだって成仏できないだろう。

 
 NPO『二十四の瞳』では、元気なうちからエンディングを計画する個別相談の場を用意している。

 早いうちから身辺整理し、澄みきった心で最期に臨みたいものだと思う。 

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