長生き時代の老い先案内人
いつしか日本は世界最長寿の国になった。平均して90歳くらいまで長生きしなければならない時代になったのだ。しかしながら、長寿高齢社会とは、なにも不老長寿を意味するのではない。だから、長生きすればするほどに、長生きゆえのリスクが待ち受けている。子どもたちも巣立って遠方にいるなら尚のこと、転ばぬ先の杖を用意しておいた方がいい。無用な不利益を被らないためにも。
具体的な杖として、
1.医療・福祉等について最低限の情報と知識を蓄えること
2.いざ決断する時に、具体的アドバイスをくれる専門家を確保すること
このふたつを、私は常々挙げてきた。しかしながら現実は、65歳になったら高齢者と社会学的に定義されているだけで、当人たちは至って元気だし忙しい。万一の場合に備える前に、毎日の日課や活動をこなしていかなければならないのだ。
この10年間、実際にシニアと接してきてよぉくわかった。つまり、いろいろな情報や知識を習得したり、各分野の専門家と交流できる場や機会そのものを誰かが提供してあげないかぎり、自分たちが手間隙かけて段取りできる筈もないのである。あたかもコンビニエンスストアのように、キチンとお膳立てをしてあげなければ非現実的な話なのだと。
こんな話を繰り返し述べてきた私のまわりに、いつしか、アナタの考えはもっともだ、そのとおりだ、と賛同して下さる方々が現れてきた。その数いつしか10数名にまで及び、シニアたちが安心して暮らせるように何でも相談に乗って上げられるようなサービスを私たちで実現できないものかしらぁ・・・と、妙な流れになってきたのが2006年の夏のことだ。
思い立った私は、馴染みのある市議会議員やら社会福祉協議会やら高齢者クラブやらに働きかけ感触を確かめた。そしてついぞ、NPO(特定非営利活動法人)設立を目指し、活動することを決めたのだった。その名も「市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会」。ちょっと長いので、愛称として『二十四の瞳』。
これには三つの意味がある。
●発起人が十二人。この十二人の瞳で見守って差し上げよう
●二十四時間、いつでも相談に乗って差し上げよう
●高峰秀子さんが主演した名作映画「二十四の瞳」のイメージから(発起人は全員淑女)
コンセプトは、『子にも国にも頼らないクールな老後を応援しよう』。
そして、医療・福祉・法律・お金等の専門家と連携しながら、原則、高齢者のみ世帯を対象に、円滑な暮らしをトータルに支援していこう、というのが活動趣旨である。
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