日常的な相談
困ったことというのは、大尾にして夜間や休日に起こるもの。が、ほとんどの医者は週休2.5日だし、救急車を呼んだところでタライ回しにされるご時勢である。従って、休日夜間を問わず連絡が取れるように配慮してくれる医者というのは素晴らしいと思う。とくにお子さん世帯と離れて暮らしている高齢者のみ世帯にとって、何か不安なことがあったときにいつでも気軽に相談できる窓口はありがたいものだ。その場で即解決に至らなかったとしても、誰かに話を聞いてもらうだけで睡眠の質がちがってくるものなのだ。でも、市役所をはじめ世の中の相談機関というのは得てして相談しづらいものだ。縦割りで杓子定規。相談に行くとかえってストレスが溜まってしまう感がある。
●普通の医者 診察時間内であれば一応は話を聞いてくれ、それなりに問題解決の方向性やヒントを与えてくれる。時間外は留守電になってしまうが、場合によっては自宅や携帯の番号を教えてくれる。
●良い医者 24時間365日、いつでも相談に対応できる体制を用意していてくれる。診察を終えた別れ際には、「何かあったら休日夜間でも気にせず連絡してください」と言葉を添えてくれる。さらに、健康上の相談以外にも対応すべく専門スタッフや窓口を設けている。いくら身体の不具合だけが改善されても、他に不安や心配事を抱えていたのでは本当の健康にはなれないということをよく理解している。
●悪い医者 ルーチンワークのように機械的に、次から次へとデータを見ながら薬を処方したり、検査を指示したりしているだけ。そもそも話や質問ができる雰囲気がない。双方向のコミユニケーションを避けている、またはできないとしか思えない。
韓国ではダイヤル129番というのがあって、いつどこから電話してもあらゆる相談に乗ってくれるという、高齢者のみ世帯や母子家庭等には心強いサービスだ。正真正銘の国家プロジェクトである。日本にもこんなサービスがあったらいいと思う。でも、ないものねだりをしていても始まらないと思って、私は5年前から24時間365日対応のお困りごと相談をスタートした。
こうした体制を病医院が作ったっていいのだ。いつも通いなれている病医院が健康上の問題以外についても相談に乗ってくれて、然るべき問題解決のヒントや方向性を教えてくれる。こんな医者がいれば一躍地域のヒーローになれるはずだ。なぜならば、病医院、自治体、法律事務所、税理士事務所のなかで、シニアがもっとも気軽に出入りできる場所は病医院だからである。NPOで行ったアンケート結果である。本当に困ったことを相談しやすくするためには、敷居が低くなければならないのだ。
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