NPO法人 二十四の瞳
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問診

“超100歳の現役ドクター聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明さんは、「医療とは患者と医者の両者で作り上げるもの。そこには必然的に信頼関係が不可欠であるが、そのためにはまず、医者はもっと聞き上手に、患者はもっと話し上手にならないと」と言っている。

にもかかわらず、最近の医者は「医療の基本である視診・問診・触診がお座なり」だとも。患者がリラックスしてうまく話せるように、効果的な質問をしながら診立てと治療方針をわかりやすく説明して理解させるのも医者本来の役割であるはずだ。なぜならば、患者から正確な情報を聞き出すことが適切な治療につながっていくからだ。


●普通の医者 一応聴診器は当てる。患者の話には「うん、うん」と機械的に頷く。頭のなかでは、問題となっている症状に対応する薬や検査について考えている。
●良い医者 患者ときちんと向き合って視診、触診、打診、問診に時間をかける。症状の原因となったであろう問題行動、その行動を取らざるを得なくさせた生活背景までじっくりと探ろうとする。そしてその根本原因を潰すよう指導してくれる。
●悪い医者 基本的に患者を見ない。顔はパソコンやシャーカステン(レントゲン写真を貼り付ける白い電灯付きの器具。診察室に入ると医者のデスクの正面にあって、撮影したフィルム写真をスパッと挟んで、裏から光を当てて見る大きな白板のようなアレですね)のほうを向いている。ろくに患者の顔色も見なけりゃ話も聞かない。まずは検査だ、となるか、いきなり薬を処方する。
 
医者からよく聞く話は、「患者の症状の説明が支離滅裂でよくわからない。だったらまず、必要と思われる検査を受けてもらったほうが手っ取り早いかなと…」ということ。繁盛している医者ほどゆっくりと患者の話を聞いていられない状況がある。医者も改めるべきところは多々あるが、医者と良好な関係を築こうと思ったら、患者も努力する必要はある。

<ワンポイントアドバイス:上手な症状の伝え方
①いつから? 例:夕べ十時頃、食後一時間くらいして。
②どこが? 例:お腹、特に下腹部。
③どんなふうに? 例:差し込むような痛み。
④処置は? 例:市販の胃腸薬を飲んだ。
⑤経過は? 例:夕べの痛みを「10」とすると、今朝は「7~8」。
なお、再診の場合には、前回の受診から今日までの間に、症状がどう変わったかを話す。最初に処方された薬が合わずに不快感がある場合は必ず伝えること。患者側が自分の症状を整理して伝えることが、よい医療を受けるための第一歩と言えるだろう。

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