NPO法人 二十四の瞳
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患者第一のウソ


若干わき道にそれるかもしれませんが、最近では、「患者様第一」とか「患者様本位」とか「患者様視点」といったフレーズを盛り込んだ標語のようなものが掲示されている病医院をよく見かけます。わかってないなぁとつくづく思います。それが証拠に、待合いで見かける職員を誰でもいいから呼び止めて尋ねてみてください。「こちらの病院でいう患者第一とは、具体的にはどのようなことなのですか?」と。

果たして、
10人に声をかけたとして何人から然るべき回答が得られるだろうか。実際のところは、現時点でもほとんどの病医院が「自分たち(職員)第一」です。日常のオペレーションは勿論のこと、意識レベルでも患者よりも医師。その次にくるのが自分たちで、今日における日本の病医院においては、やはりどうしても「患者=ペイシェント(受難者)」となってしまいます。
 
先述の
NPOの調査によれば、病医院が提供するサービス構成要素のうち、診療の質のことを除くと患者さんたちがもっとも改善してほしいと願っているのが診療時間の問題だそうです。これは、待ち時間の割りに診療時間が短いということもありますが、診療時間の融通性、つまり、休日夜間も含めた診療時間の設定のことだそうです。例えば20数年前、大手のコンビニは文字通り夜の11時までしか営業していなかったものです。それが今や全国津々浦々、どんな片田舎に行こうがコンビニは24時間365日開いています。百貨店、量販店やスーパーマーケットだって同様に営業時間を延ばし、休業日を減らしてきました。

でも、当時から四半世紀が経とうとしている今日でも、医療機関の対応する時間帯は変わっていません。いや、それどころか個人の開業医などは休診日が増え、実質的にサービスレベルは落ちているのが現実です。サービス業と言われる各企業が顧客サービス向上を叫び、利用者の便宜を図るべくさまざまな経営努力をしてきたのに対して、病医院は何の努力も創意工夫もしていない…と言ったら言い過ぎでしょうか?

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