NPO法人 二十四の瞳
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その3 転ばず喰いすぎず風邪ひかず

 人間歳をとったら、
 
 ●転ばないこと
 ●食べ過ぎないこと
 ●風邪をひかないこと
 
 これだけで十年は寿命が延びる。
 
 老人が転ぶと骨折しやすい。いわゆる骨密度がスカスカになっているためだ。しかし、骨粗しょう症は病気ではない。加齢による障害の一種だから仕方ない。誰でもそうなるものなのだ。だから治らない。転ばないように注意するしかない。階段やエスカレーター、坂道やぬかるみ、冬場の凍った道、お風呂場やトイレ等は十分注意が必要だ。自分の足にフィットした靴を選びたい。

 あと、消防庁のデータによれば、老人が骨折する場所は意外にも自宅の居室である。電化製品のコードみたいなちょっとしたものに足を取られて骨折。そのまま入院。寝たきり状態が続いて筋力が落ち、そのまま車椅子生活を余儀なくされる・・・。ほかにも、衣替えの季節などに椅子や梯子のから落っこちてポッキンというケースも多々ある。

 
 食べることは人間誰しも大きな楽しみだ。本屋に行けば長寿食の本が腐るほどに並んでいる。しかも著者のお奨めがみな微妙に異なるものだから、どれを信じていいか迷ってストレスになっちゃう。ここは私の顧問管理栄養士のアドバイスを紹介しておこう。
 

 私が食事全般の指導を仰いでいる料理研究家の先生は、古今東西の食事療法を勉強かつ実践した結果、健康的な食のあり方について明快な哲学を構築した。5年ほど前に、私自身がメタボリックを緩和するために相談に乗ってもらった際に、なまけものでも実行できる食改善プランを立てていただいた。肝心なのは、あまりストイックになりすぎないことだという。
 
 食事というのは元来、人間の最大の楽しみのひとつである。にもかかわらず、健康や美容のためだからって節制に走りすぎたら、逆に精神衛生上よろしくない。だから、彼女から、「ビールもお肉もやめなくていい。でも食べすぎだけはダメですよ」と指導していただいたときはホッとしたのを覚えている。
 
 以下、お薦めする食の鉄則である。
 
 ●暴飲暴食が死を招く。1汁3菜の小食に徹せよ。小職とは腹七分のことなり。
 ●できるかぎり有機(オーガニック)食材を摂るべし。
 ●できるかぎり旬の食材を摂るべし。
 ●規則正しい食習慣にこだわるべからず。自らの食欲に従うべし。
 ●週に1度は自分の好きなものを適量食べるべし。
 
 いかがだろうか。意外と緩やかなルールでしょ? 

 農薬や化学肥料を使用していない野菜が良いとはわかっていても、現実問題として入手する手間やコストは負担になる。だから可能な範囲でいいとのこと。

 また、決まった時間に3度3度の食事を取る必要もないし、食欲がなければ無理して食べる必要もない。驚いたのは、「寝る直前はもとより、夜6時以降はモノを食べちゃダメ」なぁんて俗説は気にするなということ。

 空腹で悶々していたら深い眠りが取れないからというのがその理由だそうだ。何かと忙しい現代人であれば、ついつい夕食を摂りっぱぐれることもある。そんな時は、食べ過ぎさえしなければ夜食をいただくのもやぶさかではない。そして、週に1度のご褒美があることが何とも嬉しいではないか。

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