NPO法人 二十四の瞳
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刮目せよ

 年寄りが、「トロい、ウザい、クサい」なんて・・・。
 
 まぁ、随分ひどいことを言うものよねぇ。

 そんなお叱りを受けそうだが、実はご本人たちも自覚があるらしい。

 
 ここに、私たちが昨年(2010年)の初詣客に行ったアンケート結果がある。
質問は、『初詣でひとつだけ願かけするとしたら、それは何ですか?』。
 
 ①認知症になりたくない        30票
 ②寝たきりになりたくない       28票
 ③要介護状態になりたくない     26票
 ④老醜化したくない           21票
 ⑤がんになりたくない          17票
 ⑥一〇〇歳まで生きたい        7票
 ⑦人並みに暮らしたい          6票
 ⑧孫の顔が見たい            6票
 ⑨子どもや孫の結婚式を見届けたい 5票
 ⑩人生を楽しみたい           5票
 
 アンケートの対象は、東京都府中市にある大國魂神社に参拝に来られた65歳以上の男女150人である。
 
 この結果から明らかなことは、一般的なお年寄りの願いとは、不安や苦痛から逃れることに対する欲求(①~⑤)の方が、楽しみや喜びを求めることに対する欲求(⑥~⑩)よりも圧倒的に強いということである。
 
 そして、彼らの言う不安や苦痛とは、「認知症・寝たきり・要介護・老醜化・がん」であり、こうした悪夢のような状況に、すでに自分たちが少しずつ歩を進めているという自覚がある。このアンケート結果は、そう見て取ることができると思う。

 しかし、元来、人間とはなまけものである。だから、元旦などの特別な日には改まってこうした願懸けをするのだが、「認知症・寝たきり・要介護・老醜化・がん」にならないための工夫や努力を日々の生活の中で行っているかというと、それはもう聞くまでもなくNOなのである。
 
 そんな虫のいいお年寄りは、かなりの確率で悪夢が現実のものとなる。「認知症・寝たきり・要介護・老醜化・がん」にならないためにはどうすべきか。このことを真剣に考えることから逃げてきた罰が当たるわけだ。

 
 ちなみに、④の「老醜化」であるが、具体的な内容を聞いてみた。みなさん、思い当たるところがあるだろうか。
  
 ●目尻のシワやシミ ●身体のシミ ●抜け毛 ●物忘れ
 ●話がくどくなる ●トイレが近くなる
 ●加齢臭 ●歯が抜ける
 ●姿勢が悪くなる ●動作が鈍くなる ●口臭がキツくなる ●体型が崩れる
 ●手足がしびれる ●耳鳴りがする ●痰が絡む ●五感が鈍感になる

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