風邪の診察

風邪は万病の元。でも、この風邪の診察ほど難しいものはないそうだ。患者が「風邪だと思う」というのを真に受けるような医者には気をつけないといけない。<ワンポイントアドバイス>にある10項目についてきっちりと確認しなければ、風邪だと診断することはできないはずだ。

●普通の医者 10項目のうち3~4項目を確認し、風邪だと判断すれば数種類の薬を出して1~2週間したらまた来るよう勧める。
●良い医者 6~7項目についてじっくりと時間をかけた後、風邪だと判断した場合には「帰って温かくして寝ていなさい」とだけ伝え、とくに薬は処方しない。
●悪い医者 問診もそこそこに可能な限りの検査をして、可能な限り多くの薬を出す。もちろん、次回の来院指示も忘れない。こんな医者に当たったら、検査に向かうふりをして、そのまま帰ってしまって構わない。
 
<ワンポイントアドバイス:風邪と診断するために必要な作業項目>
①患者の訴えを注意深く聴き、患者の目を見ながら話す。
②熱や咳など、どのような症状がいつ頃から出てきたのかを確認する。
③食欲の有無や尿・お通じの状態を確認する。
④痛みのある場所を確認する。
⑤胸と背中に聴診器をしっかり当てて呼吸音を確認する。
⑥喉の奥、リンパ節の腫れや痛みを確認する。
⑦患者を横にして腹部の痛みを確認し、聴診器で腸の動きを確認する。
⑧本来薬は要らないものと断った上で患者と協議し、必要ならば最小限の薬を処方し、服用の仕方や副作用のリスク等をきちんと説明する。
⑨2~3日しても改善がなかったり、悪化したりした場合には再受診するよう伝える。
⑩再受診時には、他の病気の可能性を説明した上で、必要な検査や専門医の紹介を行う。


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