病医院にいま求められること


これらの中でも目玉と言えるものはなんだろうか。さまざまな苦痛や不安を抱えてやってくる患者さんたちに提供すべき最大のサービスとは、自院の「空気・空間」そのものではないだろうか。で、この空気や空間を作り上げるもの。それは言うまでもなく、その場で働いているスタッフひとりひとりに他ならない。医療機関にとっては、「人こそが目玉商品」であるべきだ。

働く人の姿勢が、その医療機関の空気をつくる
働く人の笑顔が、空間に和みをつくる
働く人の温かい声が、患者さんを勇気づける

そういうことではないだろうか? 診察室の向こう側で、どんなに腕の立つ医師が待っていたとしても、そこに辿り着くまでに接するスタッフの言動がそっけないものであったとしたら、医師の診療は本来の評価を失うことになるのだ。

そういう意味では、患者(特に、新患)が苦痛に耐えながら貴院

のドアを叩いたときに最初に接するスタッフ、つまり受付の対応は極めて重要になる。受付に対して患者がどのような印象を持つか。これによって、患者さんの貴院に対するスタンスが決まるのだ。ここでマイナスのポジションを取られたら、恐らく何をやっても患者を満足させることはできないだろう。

当然のことながら、患者はひとりひとり皆異なる存在だ。患者さんの心を掴もうと思ったら、患者ひとりひとりに関心を持ち、患者さんの情報を集め、個別の対応をしなければならない。そうした対応をうけた患者さんは、かなりの確率でロイヤルカスタマーに変わっていくという事実を私はデータとして把握してきた。(続く)


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