NPO法人 二十四の瞳
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モチベーションアップの前提条件1

今回から3回にわたり、モチベーションアップについて考えたことをご紹介しようと思う。
右を向いても左を見ても、ネガティブなことだらけの現代のニッポン社会。
せめて自分自身で心と脳をうまくコントロールしながら、生きていくうえでのひとすじの光を見出したいものだ。

ヤル気ホルモンを湧き出でさせ、モチベーションを維持するための前提条件を3つ挙げる。

①死を自分の問題として認識すること(死生観の確立)
②夢・希望・目的を具体的に描くこと(ゴールの視覚化)
③心の拠り所を持つこと(精神的支柱)
①死を自分の問題として認識すること
生きるとは死ぬこと。私たちは、生まれた瞬間から死につつある。このことを自分の問題として本当の意味で自覚したとき、人は自分の存在意義や果たすべき使命について目覚め、主体的に行動するようになる場合が多い。これは、多くの末期がん患者と接し看取ってきたある医師の言葉だ。
いまから70年前のちょうど今日。1941年10月18日は、東條英機内閣が発足した日。それによって、私たちよりも遥かに若い命たちが、自分の意思とは無関係に散っていった。「特攻こそが我が使命」とばかりに迷いを断ち切って死んでいった人たちも多かった。そんなひとりに、先に紹介した漫画家で詩人のやなせたかし氏の弟さんもいた。やなせ氏は、最愛の弟を失った悲哀と生き残ってしまった自分に対する自責と苦悩のなかから、メッセージ性の高い数々の作品を生み出した。その集大成ともいえるのがアンパンマンだったのだ。

今日でも多くの子どもたちに愛されている主題歌『アンパンマンのマーチ』だが、この背景を知ってしまうと、そこに込められた深い思いに涙なくして口にすることはできない。
幸運にも戦争がない時代に生きる私たち。一方で、二人に一人ががんで死ぬ時代。戦争や殺人や事故や自殺ではなく、生老病死という人間としてあるべきステップを踏んで人生を全うできることの幸せを再認識してもいいのかも知れない。何気なく漫然と生きている私たちの時間が有限であることに気づいたとき、有限であるからこそ、最後の最期の瞬間に、「ああ。私は人生を、本当の意味で生きたんだな」と言えるように、今この時を明確なる目的意識と当事者意識を持って生きていきたいという感覚が芽生えてくるのではないか。

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