知人のケアマネから聞いた介護現場のセクハラ

前回の続きです。
ある会合で知り合った介護専門職の女性たちから聞かされた話です。
いゃあ、哀しくなります・・・。

    ●「前回のヘルパーはおっぱいを触らせてくれたよ」と言って抱きしめられた。

●食事介助のとき、ずっと太ももの上に手を置きっぱなしにされた。ときどき小刻みに動かされて気持ち悪かったが、じっと我慢していた。
●股間を触ってモジモジしていたので「おトイレ、行きますか」と誘導したら、いきなり勃起した陰部を出して「今日は具合がよくないからここでさせてほしい」と言われた。
●入浴介助で陰部洗浄をすると、「あなたは月にどれくらいセックスをするの?」などとセクハラ発言を繰り返された。
●執拗に添い寝を求められ、拒み続けると「窓から飛び降りるぞ」と脅され、布団に引き倒された。抵抗しようとしても、こわくてなかなか声が出なかった。必死で胸の辺りを押しやると、「あっ、痛たたっ・・・」とうずくまってしまった。「大丈夫ですか」と覗き込むと、再び襲いかかってきた。突き飛ばして逃げ帰ったが、事務所で先輩職員から「あなたにそんな気にさせてしまう隙があったのでは?」と質問攻めにあい、泣いてしまった。
●自慰行為を見てしまい、どぎまぎしていると、「ちょうどよかった。近くに来て見ていてくれないかなぁ」と言われた。「もうちょっと後で来ます」と立ち去ろうとすると、「頼む。居てくれ。もうすぐだから」と言ったかと思うと完了。「済まないが後始末をしてくれないか」と頼まれた。
 
対策
1)「やめて下さい」と毅然と拒否する。(つけこませない)
2)セクハラが想定される状況を作らないようにする。*訪問介護では困難
3)特定の人が被害にあう場合は、担当を代える。
4)複数のヘルパーで対応する。
5)状況をご家族に報告し、家族の協力を得る。
6)再発した場合には、協議のうえ契約を解除する。
 
こんな感じか。とにかく一番まずいのは、被害に遭った段階で職員が泣き崩れたりもじもじしたりすること。被害があった事実を請えとして挙げられない職場のムード。例え病気のせいだとしても許せないことは許さないという、組織としての明確なスタンスが求められる。

迷走を続ける戦略なきわが国ニッポン。いや、霞ヶ関はバカではない。戦略は、ある。それを隠しているだけだ。今からちょうど100年前。20世紀最大の海難事件『タイタニック号の沈没』では、乗客2,200人のうち1,500人が命を落とした。あのとき、沈みゆく船の中で、生還するものと死にゆくものとが選別された。生かされたものは乳幼児と若い女性。そうでなかったのが男性と高齢者である。タイタニック同様、沈没直前のニッポン丸。霞ヶ関はとっくに高齢者を選別していると見ていい。

世界に類なき長寿高齢者たちを守るための社会保障財源はない。だって、政治家や公務員の暮らしを維持するための財源を死守しなければならないから。だから表沙汰にしないよう配慮しながら、実質的には社会保障コストを落とそう落とそうと暗躍している。介護もそのひとつである。高齢者に安心の老後をというのは建前に過ぎない。

戦略とは優先順位だとしたら、それも仕方のないことなのかなぁと思ってしまう。
今回のような介護現場の生々しい話を聞いてしまうと・・・。


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