経済的不遇のウラにある社会的認知度の低さ
いくら福祉に情熱を持っていても、自分自身の実入りがこんなものでは、一定品質以上のサービスを維持することは困難であろう。バーンアウト症候群なる言葉が頭を横切る。実際問題としてお金は重要だ。これでは、優秀な若い世代の人たちが、一旦は福祉の世界を目指したとしても、先輩諸氏たちの実態を知れば、進むべき選択肢から外されてしまうのは当然である。
また、経済的な問題と同様に深刻なのが、社会福祉士に対する世間の認知度であろう。あれだけの難関を突破して社会福祉士となったからには、ある程度華やかな活躍の場が用意されていなければ堪らないと思う。別に他人から賞賛されたいとは思わないが、蔑視されるのは許せない。
「うちの息子はドクターになりまして」と知り合いが語れば、周囲は「それは凄い。優秀なお子さんを持ってお幸せですなぁ」となり、「うちの娘は社会福祉士になったんてすよぉ」と言っても、「はっ?なんとか福祉?普通の企業には入れなかったのかしら」となる。こんなひどい話が現実にあるのだ。
かたや受けさえすれば誰でも合格る医師。一方、僅か3割の優れ者しか辿り着けないのが社会福祉士だ。お金が先かステータスが先かは、意見の分かれるところかも知れない。しかしながら、個人的見解としては、経済的成功なしに社会的認知度をアップするのは困難だ。