メタボ? 薬の前に食事を見直してみたら???

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
私が運営するNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、医療や福祉の現場で利用者が不利益を被らなくてもいいように、さまざまなご相談に24時間体制で応じています。ご要望があれば、相談者に代わって医療機関等と折衝するなど、100%利用者側に立った活動を身上としています。
 
この半年間に寄せられた相談の中から、誰しもが遭遇する可能性のあるものをピックアップして紹介していきたいと思います。
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40代女性からの質問です。
Q/主人(47歳)がメタボリック体型を理由に、コレステロールを調整する薬を薦められているのですが・・・。
 
A/はじめに、この4月から始まる、メタボの診断基準を導入した特定健診制度について説明しておきましょう。これは、40歳から74歳までの人が対象で、「男性で腹囲85センチ以上、女性で90センチ以上」だった場合、生活習慣改善の指導が行われ、自己責任で腹囲を減らさねばならないというものです。
 
これを踏まえて、質問にお答えします。ご主人が超肥満体型だったり、なんの自覚症状もないようであれば・・・、騙されてはいけない!
 
厚労省によれば、今回のメタボ対策は循環器病予防が目的。日本人の死因トップのがん予防ではなく、心筋梗塞等の循環器病です。どうも製薬会社の影がちらつきます。がんよりも循環器の方が薬を売りやすいからです。太り気味の男性がみな薬漬けになったら製薬会社は大儲けです。   

厚労省は、今回のメタボ狩りで医療費二兆円の削減を狙っているようですが、逆に医療費の高騰を招くような気がしてなりません。また、厚労省の寿命調査では、日本人は「小太り」がいちばん長生きだと報告されています。医師の間ですら、今回のメタボ基準値の設定には根拠がないと囁かれているということを頭の隅に置いておいて下さい。

施設側と入居者で食い違う『医療連携』の中身

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
私が運営するNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、医療や福祉の現場で利用者が不利益を被らなくてもいいように、さまざまなご相談に24時間体制で応じています。ご要望があれば、相談者に代わって医療機関等と折衝するなど、100%利用者側に立った活動を身上としています。
 
この半年間に寄せられた相談の中から、誰しもが遭遇する可能性のあるものをピックアップして紹介していきたいと思います。
 
Q/老人施設に入所している母の様子がおかしいと深夜に連絡が入りました。その施設は病院と連携しているから安心と思っていたのに、結局私が施設まで出向き、タクシーで救急病院に付き添って行きました。後日、施設長に確認したところ、提携病院は夜間対応が困難で致し方なかったとのこと。何故か釈然としないのです・・・。(60代・女性)
 
A/それは大変でしたね。大事に至らなかったことをお祈りしまのす。さて、今回と同様の相談は、全国的にも非常に多いのです。ズバリ、老人施設の「医療サポート」を巡るトラブルの原因は、医療機関との『連携』とか『提携』という言葉の定義にあるのです。  
 
つまり、施設側が説明する「連携」と、それによって入居者側が描くイメージにはかなりのギャッブがあるということです。一般に入居者側は、「休日や夜間緊急時に何かあっても、●●病院と連携しているから大丈夫。」と、ある意味、非常に都合よく考えがちです。ですから、いざその時になって、施設側が期待通りに動いてくれないと、感情的になって訴訟にまで発展してしまったりするのです。    
 
対応策としては、入居決定前に、施設側の言う「連携」の定義をしっかりと確認すること。施設側の誰が、どこまで対応してくれるのか。連携病院は、いつ、誰が、どこまでのことをやってくれるのか。消費者保護が進んできたとはいえ、まだまだ私たちの方で、未然にトラブルを防ぐという意識を持つ必要があるというのが実際のところです。

他の患者がいる場所で「服を脱げ」???

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
今回の相談事例は・・・、
 
Q/行きつけの診療所では、診察の順番が近づくと、5名くらいの患者が呼ばれて、診察室の一角にある「中待ち」に移動するのですが、男性が近くにいる状況で、看護師から上着をはだけるよう指示されることがよくあります。非常に恥ずかしい思いをしています・・・。70代女性からのお便りです。
 
A/今回は、患者さんのプライバシーがテーマです。お便りのようなケースは、医療機関側も悪気はないのでしょうが、意外によく目にする光景です。都市圏では、女性専用の更衣スペースを設けたり、待機場所そのものを男女別々にする工夫がなされています。
 
他にも、問診室や処置室での看護師とのやりとりが、近くにいる他の患者さんに筒抜けになってしまうことがよく指摘されています。老若男女を問わず、病気によっては他人に知られたくないということはよくあること。こうした気配りが徹底すると、本当の意味で、医療もサービス業と言えるようになるのだと思います。
 

最近、「患者さま第一」のような掲示をよく見かけますが、医師を含め、個々の職員を見ると、必ずしも実践が伴っているとは言えません。医師や看護師にとっては日常的な光景でも、患者さんにとっては、病院に来ていること自体が非日常のことなのです。その心もとなさに敏感になることこそが、「患者さま第一」のはじめの一歩となるのではないでしょうか。

患者の前で職員を怒鳴る医者

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
今回からは、私どもへの相談事例をいくつかご紹介していきたいと思います。まずは、こんなのから・・・。
 
Q/高血圧でお世話になっている診療所で、医師が職員を怒鳴りつけている場面によく出くわす。こちらまで怒られているような感じがして萎縮してしまう。患者にはとても優しいのに…。50代女性からのお便りです。
 
A/診療には、医師だけでなく看護師など他のスタッフも関わります。最近では検査が増え、従来よりもチーム医療の傾向が強まっています。医師と看護師とのやりとりを観察することで、医師のレベルがわかります。看護師に高圧的な言動をしたり、患者さんの前で怒鳴る…。患者さんにいくらにこやかでも、こんな医師は人間的にどこか問題があると言えそうです。
 
長野県諏訪中央病院の有名な医師、鎌田寛氏は、かかりつけ医は『良医』であるべきと言っています。専門的意味合いの強い「名医」と違い、患者さん身近なところで、相談に乗り、励ます姿勢が大事で、そのためにはコミュニケーション能力が重要だと。
 
お便りにある医師は、患者さんがリラックスできる環境を壊してしまうだけでなく、萎縮して、十分な症状等の説明を阻害してしまいかねないという点にまで配慮できていないのでしょう。
 

度々不快な場面に遭遇するようであれば、敢えてその診療所に出向いてストレスを溜める必要もないのでは?長く付き合うかかりつけ医は、幅広い知識に加え、謙虚で人間味のある医師が望ましいのではないでしょうか。

医療や介護の現場でイヤな思いをしないために

こんにちは。 “ジャムおじさん” こと山崎宏です。
 
私どもNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、病医院でイヤな目に遭ったシニア等からさまざまな相談を収集し、患者サイドに立って病医院との折衝に当たっています。
 
昨今は、病医院側にも『医療もサービス業』という認識がだいぶ浸透してきたとは言え、まだまだ表層的だと受け止めざるを得ません。
 
シニアの相談を受けていると、医療福祉の現場で利用者側が被っている不利益には、依然としてかなりのものがあるのだなぁと実感します。例えば、直近3ヶ月の相談例には以下のようなものがありました。
 
●定期健診で血圧が高いと指摘され、それ以来3年以上にわたり、降圧剤をはじめ7種類の薬を飲まされている。「毎日こんなにたくさんの薬を飲まなきゃダメですか?」と聞いたら、『飲まなきゃ死ぬぞ』と脅された・・・
●早期がんが発見され、できれば手術は避けたいと言った途端、医者に叱責され、「言うことを聞かないと死んじゃうぞ」と脅された・・・
●勇気を出してカルテの写しを要求したら、医者が顔色を変え、「あなたは何か勘違いをしている。病気を真剣に治す気がないのか」と怒鳴られた・・・
●診察室の中待ちで、男性患者が横にいるにもかかわらず、衣類を脱ぐよう看護師に強制された・・・
●「夜間でも医療サポートは万全」と謳われている施設の筈が、当直職員がただ救急車を呼んでくれただけ・・・
●救急車を呼んだのに、どこの病院にも受け入れてもらえず、散々たらい回しにされた・・・
●「地域連携」を掲げる病院から、一方的に退院を通告され、転院先を探せと言われた・・・
●医者会に聞いても保健所に聞いても、どの診療所なら往診してくれるかが判らない・・・
 
こんな信じられない光景が、今も全国で頻発しているのです。そして多くの場合、もっとも不利益を被るのが高齢者です。わが国の医療や福祉のシステムや医療における患者の権利について『知っているか、知らないか』。たったそれだけの違いで、夜も眠れないくらい苦悩している高齢者がたくさん存在しているのです。医療を取り上げるテレビ番組が増えたとは言うものの、そこで得たノウハウを実際に行使できる患者はほんのひと握りに過ぎないのです。
 
 「医者が変わるだけじゃダメ。患者も変わらないと・・・」とはよく聞くところですが、具体的に患者が変われるお膳立てが見当たりません。変わるための場や機会がありません。だから私どもが微力ながら活動することにしたわけです。
 
しかしながら、医療福祉の世界は政治が絡みます。それだけに一朝一夕で浸透するものではないと思います。理想論だとして片付ける医療関係者もいます。しかし、だからと言って何もしないというわけにはいきません。
 
老親を抱える長男として、そして社会福祉士として。少なくとも、わが子たちが高齢者になる頃には、必要なときに、必要なサービスを、必要なだけ、円滑に確保できるような医療福祉を実現したいものです。その日に向けて、初めの一歩を私は踏み出すことにしたのです。
 
そしてまずは、患者側が医療福祉の現場で嫌な思いをしなくて済むように、必要な知識や情報を提供していくことを考えました。患者側の聞き取り調査結果に基づき、各地域の病医院や個々の医師、さらには高齢者施設等へのインタビューに取り組んでいます。
 
その過程で、医療改革による診療報酬マイナス改定下で生き残るためには、利用者に対するサービスマインドが不可欠という現実を、医療福祉関係者と少しずつではありますが、コンセンサスが取れてきたように感じているこのごろです。

次回からは、私どもの会員のみなさまから寄せられた、具体的な相談事例をご紹介していきますね。

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