患者が医者に求めるものとは

こんにちは。ジャムおじさんです。
 
医療機関の広告規制緩和が決まり、患者側の判断材料が増えるとなれば喜ばしいことではありますが、実際には医療機関側がPRしたいことと、利用者側が本当に知りたいことの間にはかなりのギャップがあるのが世の常です。
 
私どもNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、専門誌や行政が実施するありきたりなアンケートを良しとせず、独自の視点で問題意識の高い地域のシニアたち(高齢者クラブ会長、民生委員、公民館長ら120余名)に聞取り調査活動を行っています。
 
多くの場合、その調査結果は各医療機関等がインターネット上で掲載している情報とは乖離しており、医療や福祉を利用する側のホンネが手に取るようにわかります。逆に言えば、提供する側にとっては、今後、地域で選ばれる医療機関となるための示唆に富んでいると言っていいでしょう。
 
そのほんの一例を紹介しますと、例えば『利用者側にとって望ましい医者とは』の調査結果からは、その医者の人間としてのキャラクターや、医療従事者としてのポリシー、さらには家族構成や病歴・入院歴等のパーソナル情報等が強い関心の対象となっています。単に学歴や技術ではなく、ヒトとして向かい合うに相応しいか否かが、患者にとっては重要な判断材料となることがわかります。
(アンケート結果をご希望の方は、npo24no1103@ttv.ne.jp までコンタクトください。)
 
来年からは、こうした調査結果に基づき質問票を作成し、順次、医療機関に対してインタビューを申し入れていく予定です。最終的には、「首都圏ドクター名鑑」としてまとめ、会員に頒布していきたいと考えております。
 
他業界と比較して、なかなか情報公開が遅々として進まずに来た医療福祉分野ですが、患者側が求めている情報を積極的に提示し、オープンで利用者本位の経営をしていくことが、結局は地域になくてはならない医療機関として認知される近道と言えるのではないでしょうか。

“後の祭り”とならないための手術対策は?

こんにちは、ジャムおじさんです。
 
私が運営するNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、医療や福祉の現場で利用者が不利益を被らなくてもいいように、さまざまなご相談に24時間体制で応じています。ご要望があれば、相談者に代わって医療機関等と折衝するなど、100%利用者側に立った活動を身上としています。
 
この半年間に寄せられた相談の中から、誰しもが遭遇する可能性のあるものをピックアップして紹介していきたいと思います。
 
Q:50代女性からの質問です。「82歳の母が来月手術を控えています。手術時の事故が多いと聞きましたが、患者の家族として最低限注意すべきことを教えて下さい。」
 
A:戴いたファクスを見ただけでは何の病気でどのような手術をするのかが一切わかりませんので、手術を受ける際の一般的な注意点を述べます。   
 
【手術前】
①セカンドオピニオンなしで手術を受けないこと
②年間の症例数を確認せよ
③麻酔の専門医がいるか
④「成功」の定義を確認せよ
⑤最先端治療はリスク高し
⑥高齢者は手術を受けないという選択肢も考えよ
⑦研修医の執刀は拒否せよ
 
【手術当日】
①手術部位にはマジックで×印をつけてもらうべし
②かみそり剃毛は拒否せよ
③手術の立会いとビデオ収録を申入れよ
 
【手術後】
①術後の管理責任者は誰か
②手術所見を書いてもらう
③術後1ヶ月以内に死亡した場合は解剖を受けるべし
 
一般に、患者と医者の間では「手術の成功」についてのイメージが乖離しているために起こるトラブルが非常に多いので、「手術が成功した場合、術後の生活は具体的にどのようなイメージになるのか教えて欲しい」と尋ねることが重要です。
 
医者は問題箇所を摘出しさえすれば「成功」と考える傾向がありますが、患者や家族にしてみれば、日々の生活の便宜がどうなるのかをしつこいくらい事前確認なのです。
 
その上で、特に高齢の場合には、「手術しない」という選択肢と比較検討することをお薦めします。


NPO法人 二十四の瞳
医療、介護、福祉のことを社会福祉士に相談できるNPO「二十四の瞳」
(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)
お問い合わせ 042-338-1882