施設側と入居者で食い違う『医療連携』の中身
こんにちは、ジャムおじさんです。
私が運営するNPO二十四の瞳(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)では、医療や福祉の現場で利用者が不利益を被らなくてもいいように、さまざまなご相談に24時間体制で応じています。ご要望があれば、相談者に代わって医療機関等と折衝するなど、100%利用者側に立った活動を身上としています。
この半年間に寄せられた相談の中から、誰しもが遭遇する可能性のあるものをピックアップして紹介していきたいと思います。
Q/老人施設に入所している母の様子がおかしいと深夜に連絡が入りました。その施設は病院と連携しているから安心と思っていたのに、結局私が施設まで出向き、タクシーで救急病院に付き添って行きました。後日、施設長に確認したところ、提携病院は夜間対応が困難で致し方なかったとのこと。何故か釈然としないのです・・・。(60代・女性)
A/それは大変でしたね。大事に至らなかったことをお祈りしまのす。さて、今回と同様の相談は、全国的にも非常に多いのです。ズバリ、老人施設の「医療サポート」を巡るトラブルの原因は、医療機関との『連携』とか『提携』という言葉の定義にあるのです。
つまり、施設側が説明する「連携」と、それによって入居者側が描くイメージにはかなりのギャッブがあるということです。一般に入居者側は、「休日や夜間緊急時に何かあっても、●●病院と連携しているから大丈夫。」と、ある意味、非常に都合よく考えがちです。ですから、いざその時になって、施設側が期待通りに動いてくれないと、感情的になって訴訟にまで発展してしまったりするのです。
対応策としては、入居決定前に、施設側の言う「連携」の定義をしっかりと確認すること。施設側の誰が、どこまで対応してくれるのか。連携病院は、いつ、誰が、どこまでのことをやってくれるのか。消費者保護が進んできたとはいえ、まだまだ私たちの方で、未然にトラブルを防ぐという意識を持つ必要があるというのが実際のところです。
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