PRM実践フェーズ
ステップ4 トライアルの実践 ~ ステップ5 効果測定
ステップ4&5では、作戦フェーズで打ち出した仮説に基づいて、小規模な実験と効果測定を何回か反復してみます。ここで考えなければならないのは、医療機関の場合、物販業とはちがい、チラシを見ていくらいい医療機関だと思っても、何かしらの症状が出なければ訪れてはもらえないということです。
PRMにおいては、トライアル結果を早期に測定するため、病気や怪我にならなくても意思表示できる企画を設定して広告を打ってみます。例えば、健康教室、糖尿病食の試食会、施設見学会、院内報の購読、各種アンケート調査、等々です。作戦フェーズで特定したターゲットに対して、キーメッセージに企画内容を添えて、然るべきメディアで流すわけです。これにかかったコストに対して何件のレスポンスがあったのかを調べます。仮に、50万円かけてポスティングを行った結果、5人の反応があったとすると、ひとりの見込み患者を獲得するのに10万円を投資したことになります。
で、貴院の患者さん一人当たりのライフタイム・バリュー(患者生涯価値)に対して10万円という金額がどうなのかを判定するわけです。判定結果が悪ければ、一定のルールに則って微調整をし、再度実験を行います。こうした実験を何パターンが行いながら、継続的に打っていくべき広報ツールを決めていきます。
なお、ライフタイム・バリューとは、平均的な患者さんが16回通院するとしま しょう。一回あたりの売上単価が6千円だとすると、仮に今回の実験で貴院を初めて訪れた患者予備軍の方が、近い将来、何かしらの症状がでて受診しに来たとしても、その患者生涯価値は9万6千円となります。9万6千円の価値しか生まない患者さんを10万円かけて連れてきたとしても経営的にはペイしないわけです。
これが効果測定の基本的なやり方なのですが、驚くことに殆どの医療機関がやっていない。効果が あるのかないのかわからないまま、とりあえず他もやってるから・・・ということで、月額20万から30万円もかけて立看や駅看を出しています。ムダ金です!
また、特にご要望やお問合せの多い作戦フェーズの進め方(作業方法、体制、費用等)については、上表の3つが標準パターンとなっておりますので参考にして下さい。
PRMは、もともとはあるドクターからの相談を受けて、病院や診療所の集患・増患を目的にCRMを我流でアレンジしたものですが、例えば百貨店が実施しているCRMは、医療機関でも有効であることがわかりました。それを受けて、2004四年の春以降、20病医院以上でご導入いただいた結果、同様の効果を得ることができました。