PRMの具体的な作業手順

実際のPRM導入に当っては、大きく
 
①ウォーミングアップ(PPP) 
②作戦フェーズ
 ステップ1 ターゲットの選定
 ステップ2 メッセージの作成
 ステップ3 メディアの選定
③実践フェーズ
 ステップ4 トライアルの実践
 ステップ5 効果測定
 ステップ6 アクションプランの策定
 

の3つのフェーズを踏んでいただきます。
因みに、作戦フェーズに係る所要期間は約3ヶ月といったところです。


 

①のウォーミングアップ(PPP : Position Planning Program )については先述のとおりですので、
以下、②作戦フェーズ ③実践フェーズの内容についてポイン トを記載しておきましょう。 
  
②作戦フェーズ
ステップ1 ターゲットの選定
 PRMの最大の目的は新規患者の獲得にあります。ステップ1では、過去3ヶ月から半年以内に貴院を訪れた新患が、どのように貴院に到達したのかを調査することから始めます。例えば、どこか他の医療機関から紹介されてきたのであれば、具体的に「どこどこ病院のだれだれから」を明確化します。知人から紹介されたのであれば、「だれだれから、どこで」を抽出していくのです。

 都市圏の医療機関では、新患に対して間口調査(問診票に紹介者欄を設けている)を行うケースが一般的ですが、貴院でこれをされていない場合には、職員から情報を聞き出してみることです。看護師や受付スタッフは意外と患者様との会話の中で、その行動パターンやパーソナルな情報を持っているものです。決してバカにしたものではありません。それでも明確な答えが得られない場合、私どもの経験則から重点的にアプローチすべき対象をガイドさせていただきますのでご安心下さい。
 

ステップ2 メッセージの作成
 ステップ2では、ステップ1で抽出した最近の新患が、貴院のことを事前にどのように聞いてきたかを明確にしていきます。貴院の特徴や強みは何ですか?実際に貴院を初めて訪れた患者さんたちは、紹介者のどのような情報、表現に意を決して行動に移したのでしょうか? ドクターの懇切丁寧な説明でしょうか? 昨年導入した最新鋭の検査機器の存在でしょうか? あるいは、受付のさわやかな笑顔と声かけでしょうか?いずれにしても、机上の推測や仮説には意味がありません。新患で来られたご本人に聞くことです。あるいは、その方に貴院を紹介してくれたひとに、貴院のことをどのように紹介してくれたのかを具体的に聞いてみることです。
 
 こうして収集したフレーズの中から、未だ貴院と接点のない患者予備軍をグッと引き寄せるために有効な表現を絞り込んでいきます。一般に、医療機関側が考えている自院の強みは、患者さん側が貴院を選ぶ理由と乖離していることが圧倒的に多いものです。ただし、気をつけねばならないことは、ステップ1で定義したターゲットによって、伝えるべきメッセージは異なるという点です。
 
 これを補完するために、私どもが某百貨店の健康管理サークルに対して行った調査結果(医療機関を選ぶ際に、患者が事前に知っておきたい情報)から、他の医療機関もしくは医師が絶対に作っていない、クレドを三つの地域組織(●●●●、●●●●●● および ●●●●)に配信するだけで、確実に新患が増える・・・。そんな施策をガイドさせていただきます。
 

ステップ3 メディアの選定
 ステップ3では、ステップ1で抽出した最近の新患が、日頃どのようなメディアから情報収集しているのかを探っていきます。ここで注意しなければならないのは、やれテレビだの、やれ新聞だのといった声が挙がってきたとしても意味がありません。これらのマスメディアは不特定多数の一般大衆向けに情報配信するわけですから広告規制に抵触します。と言うか、そもそも広告掲載料が高すぎてペイしません。
 
 多くの場合、立看、駅看、電柱板、タクシー広告、新聞チラシ、ポスター、ダ   イレクトメール、ポスティングあたりで費用対効果を測定することになります。いずれにせよ、ポイントはレスポンスを測れない広告宣伝は無意味ということを肝に命ずる必要があるでしょう。因みに、これを理由に訳もなく立看・駅看に投資する医療機関は、都市圏では激減しています。

作戦フェーズはここまでです。
次回は、実戦フェーズについてご紹介します。


NPO法人 二十四の瞳
医療、介護、福祉のことを社会福祉士に相談できるNPO「二十四の瞳」
(正式名称:市民のための医療と福祉の情報公開を推進する会)
お問い合わせ 042-338-1882