NPO法人 二十四の瞳
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サービスマインドはあるか

 何でもいいのだ。時間を割いてアナタのもとに来てくれた患者さんが、まったく何の歓びも感じなかったしたら、アナタがたはその患者さんからお金をいただく価値がない。厳しいが、それがサービス業の本質だ。(本心を言えば、これが社会人としての必要ミニマムだと思っている。)
 
 そして、このエンターテインメントのベースとなるのがサービスマインドだ。サービスマインドとは何だろう。「人が人を癒す」という言葉がある。この言葉を肝に銘ずべきだ。医者をはじめとする医療従事者は、いつも病人や怪我人に囲まれている。それが日常の風景だ。だから気を緩めると、痛みに耐えながらさまざまな苦難を乗り越えて受診にやってきた患者さんの大変さ加減に鈍感になりがちだ。 
 

 
 患者さんにとっては、病院は非日常的な空間なのだ。
だから、何時間も待たされてようやく順番がきた患者さんに労いの言葉ひとつかけられないようなドクターは、社会人として非常識と言わざるを得ない。ましてや、初対面の患者さんに対して、ろくに挨拶もしない、名前も名乗らないなどもってのほかだ。基本は患者の立場になって、その苦しみや痛みを理解しようとすることだ。そして、それを少しでも和らげてあげようとする心。

 
 これが医療の世界のサービスマインドである。医療サービスが物販ビジネスでない以上、アナタと患者とが向かい合っている瞬間がすべて。これからの時代の医療とは、地域の人たちとの関係構築ビジネスなのである。

 その瞬間瞬間に何かしらの形で患者をエンターテインできるかどうか。患者と向き合っているアナタのなかにサービスマインドがあるかどうか。これが試される時代が来たということだ。もはや藪医者とは、診断のできない医者や手術の下手な医者ばかりを言うにあらず。サービスマインドが劣っていても、それは立派な藪医者の条件なのである。

 

 

 

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