攻めるか、守るか
経営を良くする方法はふたつ。キャッシュインを増やすか、キャッシュアウトを減らすか、だ。前者はさらにふたつに分かれる。顧客すなわち患者を増やすか、商品すなわちサービスや事業のメニューを増やすか。
多くの経営者は、やれ介護だの福祉用具だの往診だの専門外来だの、商品を増やすことを考える。これが間違い。まず顧客を増やすこと。そして、既存顧客との関係を深めること。これこそが真っ先に手がけるべきことだ。
なぜか。利益の源泉たる顧客との関係レベルがアップしないかぎり、いくら商品を増やしても売れない。昨今の医療不信がそれに拍車をかける。逆に、ファンとはありがたいもので、信用厚い会社が新商品を出せば、中身がどうあれ、とりあえず買ってくれるのだ。それこそがファンというもの。「儲」という時を分解すれば「信ずる者」となる。アナタの経営に潤いをもたらしてくれるもの。それはアナタのファンに他ならない。新商品を考えるのは、顧客との関係強化、即ちファン作りの施策を考えてからで遅くない。この順番を間違える経営者がなんと多いことか。
一方、キャッシュアウトを減らすという後者のやり方は、大尾にして院内ムードがネガティブになりがち。職員が後ろ向きになり、元気がなくなるリスクがある。患者志向でなくなってしまうのだ。後述するが、例えば、外部からコンサル等のノイズが入った場合、この傾向は顕著に表れる。
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